競馬ニュース

今年のケンタッキーダービーは本気で勝てそう!日本馬の状態と有力海外馬

ケンタッキーダービー

2024年5月4日に米国でケンタッキーダービーが開催されます。

今年はこのレースにフォーエバーヤングとテーオーパスワードの2頭が出走を予定しています。

これまで何度か日本馬が挑戦してきた米国三冠ですが、
未だに勝ち馬は現れていません。

しかし今年のメンバーを見てみると、
かなりチャンスがありそうです。

そこで今回は、
ケンタッキーダービーに出走する2頭の日本馬と、
有力な海外馬について見ていきたいと思います。

■ケンタッキーダービーに出走する2頭の日本馬

日本馬2頭の中で、
特に期待を持てそうなのがフォーエバーヤングです。

フォーエバーヤングは父リアルティール、
母フォエヴァーダーリング、
母父コングラッツという血統の3歳牡馬で、
これまで5戦5勝という完璧なレースを見せています。

昨年末に全日本2歳優駿を制してこの世代のダートチャンピオンとなると、

今年はサウジダービー、
UAEダービーと2つの海外レースをいずれも勝利しています。

その内容も非常に優秀で、
JBC2歳優駿のように後ろから進めることもできれば、

全日本2歳優駿のように逃げることや、
UAEダービーのように好位置から先行することもできます。

さらに厩舎は、
これまで海外のG1を数多く制してきた矢作厩舎のため、
調整も万全なはずです。

こうした状況を見ればケンタッキーダービーでも問題なく戦っていくことができるはずです。

実際レーティングを見ても116となっており、
これは後でご紹介するフィアースネスに続く2番目の数値となっています。

人気でも1、
2番人気になると見られており、
ケンタッキーダービーを制する初めての日本産馬となる日は近そうです。

そんなフォーエバーヤングとともに海を渡って勝負をするのがテーオーパスワードです。

テーオーパスワードは父コパノリッキー、
母テーオーレイチェル、
母父キングカメハメハという血統です。

これまで2戦2勝ではありますが、
勝ったのは新馬戦と伏竜ステークスのみで、
重賞勝ちはありません。

また、父コパノリッキーはこれまで3世代が走っていますが、
産駒の重賞勝利はありません。

そのような状況でも挑戦するということは、
その能力の高さを陣営は感じ取っているということでしょう。

実際のレースを見ても、
伏竜ステークスではスピードの違いにより先頭に立っており、

これであれば流れの速い米国の競馬においても良いポジションを得ることができそうです。

日本のダート競馬と米国のダート競馬とでは、レースのスピードが異なると言われています。

そのため、どうしても日本馬が米国のダートレースに出走すると後ろから進めていくことになってしまいます。

それではやはりコースロスが生じたり、
流れに乗ることができずに惨敗してしまうという可能性が高まります。

そのような状況を考えると、
こうした前に行くことができるスピードを持っているというのは遠征において大きな強みとなりそうです。

また、鞍上には米国やカナダで活躍している木村和士ジョッキーが騎乗することが決定しました。

木村ジョッキーはJRAの競馬学校を退学した後、
カナダへ渡りそこでジョッキーをしている方です。

すでに3年連続でカナダの最優秀ジョッキーに選ばれており、
現地でのトップジョッキーの一人となっています。

日本馬でいえば、
昨年のマンダリンヒーローにも騎乗しており、
ケンタッキーダービーこそ惨敗でしたがその前哨戦では非常に惜しい2着に入っています。

こうしたジョッキーの存在もテーオーパスワードにとっては大きいものと言えそうです。

このように今年は楽しみな2頭がケンタッキーダービーへの出走を決めています。

では、この日本馬2頭と争う有力馬はどのような馬がいるのでしょうか。

■ケンタッキーダービーの有力馬

まず1頭目は先程も少しご紹介したフィアースネスです。

フィアースネスは昨年のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルの覇者で、
米国2歳チャンピオンに選ばれています。

ただ、
これまで2戦目のシャンペンステークスを7着、
今年初戦のホーリーブルステークスを3着と落としており絶対的な存在ではないと見られています。

それでも前走のフロリダダービーではしっかりと勝利しており、
体調はかなり上がってきているようです。

レーティングも120と、
2番手のフォーエバーヤングが116であることを考えればかなり抜けています。

そのため本命に推す予想家も多く、
フォーエバーヤングらにとっては強敵になりそうです。

そして他の有力馬としてはフォーエバーヤングと並ぶ116のレーティングを持つシエラレオーネが挙げられます。

シエラレオーネはこれまで4戦3勝2着1回という成績で、
唯一敗れたG2レムゼンステークスはハナ差と非常に惜しいものでした。

そしてその時に敗れたドーノックには前走のブルーグラスステークスで勝利しており、
今非常に勢いに乗っている馬だと言えます。

また、血統面で言うとフォーエバーヤングといとこでもあります。

シエラレオーネの母とフォーエバーヤングの母が姉妹となっており、

そういった面でも注目の存在です。

米国の有力馬というとこの2頭となり、
他に挙げるなら前走サンタアニタダービーを制したストロングホールドや、

現在3連勝中のエンシーノあたりがいます。

ただ、
米国馬に関して言えば全ての馬が一度は負けている馬たちであり全勝している圧倒的な存在というのはいません。

そうした意味でも今年は日本馬にもチャンスがありそうです。

では展開としてはどうなるのでしょうか。

逃げそうな馬はフィアースネスとエンシーノの2頭で、
そこにジャストアタッチ、
ドーノックあたりが絡んでくればかなり激しいペースになりそうです。

そこに日本馬の2頭がうまく好位を追走するのが理想で、
シエラレオーネはおそらく中団から後方を進むと考えられます。

そしてシエラレオーネが徐々にマクるようにポジションを上げていくのに合わせて日本馬2頭も上がっていき、

最後の直線で先頭争いをしているとなれば完璧です。

実際にはそう上手くはいかないでしょうが、
米国の競馬のペースにさえ戸惑わなければかなりチャンスがありそうです。

特にフォーエバーヤングは、
これまで戦ってきたメンバーや環境などを考えれば非常に期待は大きいものがあります。

馬主の藤田オーナーにとっては初めてのG1制覇が米国三冠の1つとなる可能性があります。

また、父のリアルスティールにとっても同期のスワーヴリチャードばかり注目されがちな現状を変える大きなチャンスと言えそうです。

リアルスティール産駒はオーストラリアで現地の馬がG2で2着に入っており、
もしかするとステイゴールドのように海外で強い産駒を輩出する傾向にあるのかもしれません。

もしそうであれば、
こうした米国三冠や凱旋門賞などを狙う馬主に人気の種牡馬となりそうで、
そういった意味でも今回の挑戦は意義深いものがあります。

また、リアルスティールの祖父はサンデーサイレンスで、
サンデーサイレンスは現役時代にケンタッキーダービーとプリークネスステークスの二冠を制しています。

その血が日本に渡り、
子孫が再び米国で三冠を狙うというのはまさにドラマと言えます。

さらに管理する矢作調教師にとっても米国三冠を勝つのは初めてのこととなり、
世界から大きな注目を集めることになります。

勝てばこうした初めてばかりとなるケンタッキーダービー。

その歴史的瞬間を目に焼き付きたいですね。