福永祐一騎手の後継候補に西塚洸二騎手が台頭!?今年は西塚騎手にとって飛躍の1年になりそう

2023年2月で福永祐一騎手が引退し、
注目されているのがその空いた枠を誰が獲得するのかです。
トップジョッキーの一人として長年活躍してきた福永騎手ですから
そこのポジションに収まる後継騎手となれば成績は大きく飛躍していきます。
そしてこの度、その後継が決まったようなのですが
かなり意外な騎手でした。
今回はそんな福永騎手の後継とも言えるポジションに決まった人物と、
その理由などについて探っていこうと思います。
福永祐一騎手の後に契約した騎手は

福永祐一騎手の跡を継ぐ存在として急上昇してきたのは、
西塚洸二騎手です。
もしかするとご存知ない方がいるかもしれませんが
それも無理はありません。
このジョッキーは2022年にデビューをしたばかりの2年目となる人物だからです。
西塚騎手は2004年3月9日にアメリカのラスベガスで生まれました。
両親ともに日本人なのですがその後はニュージーランドで育ち
10歳になって日本へ家族揃って帰国したという経歴です。
そのため英語がネイティブで、初勝利の時のジョッキーインタビューでも
第一声は「Thank you very much」と英語で答えました。
そんな帰国子女でもある西塚騎手は、
三浦皇成騎手の新人最多勝記録である91勝超えを目指すも、
デビューした年は10勝と少し苦しい成績でした。
美浦に所属する騎手の中では最多勝でしたが、
同期の今村聖奈騎手の51勝、続く36勝の角田大河騎手とは大きく離されてしまいました。
2年目となる今年も4月20日時点で2勝と、伸び悩んでいる状況です。
それにも関わらず、なぜこの西塚騎手が福永騎手の後継と呼ばれているのでしょうか。
その理由は、エージェントの存在です。
これまで福永騎手は、小原靖博氏というエージェントとタッグを組んでいました。
この小原氏は現在岩田康誠騎手と、岩田望来騎手、今村聖奈騎手の3名を担当しているのですが
そこに西塚洸二騎手も加わることとなりました。
つまり福永騎手が抜けた穴を、西塚騎手が埋める形となったのです。
エージェントというのは、騎手の代わりに調教師や馬主から騎乗依頼を獲得してくる
仲介者のような存在です。
このエージェントがいることにより、騎手は騎乗依頼を確保するために
自ら営業をかける必要がなくなり、騎乗に専念することができるようになります。
ただ最近はこのエージェントの存在感が非常に大きくなってきており、
エージェントがどのような騎乗依頼をとってくるかによって騎手の成績は大きく変わっていきます。
福永騎手も、13年連続で100勝を達成した時には
「なんとか年間100勝達成できるように、エージェントも気にしてくれて一生懸命良い馬を集めてくれた」と
エージェントの力が少なからず影響していたことを言及しています。
そのような影響力の強いエージェントですから、
最近は担当できる人数に3名+若手騎手1名という制限が設けられています。
そうしたエージェントの中で小原氏はかなり有力な人物で、
これまで多くの有力馬を確保し、各騎手へと振り分けてきました。
そんな小原氏が、福永騎手の引退により空いた枠に西塚騎手を入れたということは、
今後西塚騎手の成績が大きく飛躍する可能性を示唆しています。
こうして新たに小原氏とエージェント契約を結んだ西塚騎手は早速動き始めています。
西塚騎手は、美浦の鹿戸雄一厩舎に所属しているのですが
4月から栗東に滞在し武者修行することを発表したのです。
完全に栗東所属になった訳ではないのですが、拠点をしばらく栗東に置くことにしたのです。
これは、小原氏の手腕により今後栗東の良い馬に騎乗する機会が増えていくからだと見られます。
小原氏が西塚騎手とエージェント契約を結んだ理由については明らかとなっていませんが、
小さい頃から父の経営する乗馬クラブで腕を磨き、
馬と親しんできたポテンシャルの高さを評価したものと思われます。
栗東では藤原英昭調教師が指導をするという話もあり、教育体制もしっかり作って望むようです。
そのため今後西塚騎手の成績は飛躍的に向上していく可能性が高いと言えそうです。
実際その兆候はすでに見えています。

今年2勝目となったのは4月9日のアクートゥスでの勝利でした。
この馬の管理調教師は藤原英昭師で、早速有力馬を乗せたことになります。
他にも4月16日には、同じく藤原英昭師のホールネスで11番人気の2着に入っており
今後このコンビはかなり期待できそうです。
この藤原英昭師も、もともと福永騎手との関係が深い人物でした。
過去には管理していたシャフリヤールで福永騎手とともに日本ダービーを制しています。
つまりそうした面でも福永騎手の抜けた穴を西塚騎手がうまく埋める形となっていきそうです。
とはいえ、未だ通算12勝の若手騎手ですのでいきなりG1の舞台で活躍するというのは現実的ではありません。
まずは若手として減量が効く舞台で結果を出していき、
徐々にステップアップをしていくものと考えられます。
また、エージェント契約は永遠に続くものではないため
結果を出せないと契約終了となる可能性もあります。
そのため西塚騎手の成功が約束された訳ではなく、
まさに今年が彼にとって正念場となっていきそうです。
特に小原氏は今村聖奈騎手と岩田望来騎手という2名の有望な若手騎手をすでに抱えています。
今村聖奈騎手は非常に人気も高いですし、
女性騎手ということもあり減量が今後も永久的に続いていくというメリットがあります。
また岩田望来騎手は昨年4年目で103勝と100勝の大台を突破しており、今乗りに乗っているジョッキーです。
そうした騎手たちと騎乗依頼を分け合うのですから、小原氏の軍団の中でも激しい争いが予想されます。
さらに藤原英昭調教師のもとには西塚騎手と同期の鷲頭虎太騎手も出入りしており
しっかりと信頼を掴むことができるかが重要になります。
果たして西塚騎手は、この人生最大とも言えるビッグチャンスをモノにすることができるのでしょうか。
その動向に注目が集まります。
もともと、福永騎手の後継としてもっとも注目されていたのが川田将雅騎手でした。
川田騎手と福永騎手との結びつきは非常に強く、
福永騎手も、川田騎手が日本で一番うまい騎手だと絶賛しています。
さらに川田騎手は以前小原氏とエージェント契約を結んでいた過去があり、
福永騎手の引退に伴い、川田騎手が小原氏と再びエージェント契約を結ぶのではと囁かれていました。
しかし実際はそのようなことはなく、川田騎手のエージェントは以前と変わらず
競馬ブックの井上政行氏です。
そうなると、福永騎手がこれまで騎乗していたG1に進んでいくような素質馬は誰に回っていくのでしょうか。
現状の流れでいくと、岩田望来騎手と岩田康誠騎手の親子にそれらが回ってくるものと考えられます。

例えばアスクドゥラメンテはデビュー戦に福永騎手が騎乗していましたが
福永騎手の引退後は岩田望来騎手に乗り替わり、4月に勝利をあげています。
こうした流れを裏付けるように、岩田望来騎手は最近絶好調です。
既に今年は40勝しておりこのペースでいけば、年間で140勝前後してきそうです。
そして昨年の川田騎手がリーディングを獲得した時の勝利数は143勝で、2位の戸崎圭太騎手が136勝でした。
つまり今年岩田望来騎手は、リーディング争いをしてきそうな状況となっているのです。
現時点でも4位となっており、2位のルメール騎手とはわずか2勝差です。
こういったことを考えると福永騎手の引退によってもっとも恩恵を受けているのは、
岩田望来騎手なのかもしれませんね。
西塚洸二騎手と岩田望来騎手、この2人については今後目を離すことはできなさそうです。