オークスを勝つはずが…今年のクラシック世代の高額牝馬は今どうしてる?3歳世代の1億円を超える牝馬の現状

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今年もクラシック本番を迎えていますが、
この世代で高額取引された馬たちはどうなったのでしょうか。

取引当時は大いに期待されていたはずの良血馬たちは
その期待に応えられているのでしょうか。

今回はそんな現3歳世代のセールで最も高額だった馬たちについて
現状を見ていこうと思います。

なお、落札価格は全て税抜で記載しています。

それでは見ていきましょう。

取引額第5位

セレスタの2020

この世代で5番目の高値で取引された馬は、当時8600万円で落札された
セレスタの2020と、スターアイルの2020の2頭です。

いずれも2020年のセレクトセールで落札されています。

セレスタの2020は父ハーツクライ、母セレスタ、母父ジャンプスタートという血統で
2020年1月18日にノーザンファームで生まれました。

1つ上の父ドゥラメンテの姉がJBCレディスクラシックを制したヴァレーデラルナという良血です。

セールではエフレーシングが落札しており、現在の馬主はエムズレーシングとなっています。

これはいずれもラウンドワンの社長で馬主の杉野公彦氏の会社です。

そんな杉野氏が購買したセレスタの2020は、
後にハーパーと名付けられ栗東の友道康夫厩舎に入厩します。

そしてデビュー戦で2着の後、2連勝でG3クイーンカップを制します。

さらに続く桜花賞でも4着となり、獲得賞金は既に6657万円となっています。

高額取引馬の中でも屈指の活躍を見せており、今後G1制覇に期待がかかります。

そしてもう一頭のスターアイルの2020についても見ていきましょう。

スターアイルの2020

スターアイルの2020は2020年2月28日にノーザンファームで生まれました。

父ロードカナロア、母スターアイル、母父ロックオブジブラルタルという血統で
兄にG1を2勝したミッキーアイル、同じ一族にはNHKマイルカップを勝ったアエロリットがいます。

そんな良血馬はセレクトセールで株式会社ヴェルが落札し、
同じ系列の有限会社桑田牧場が馬主として所有しています。

そんなスターアイルの2020は、後にマヴォロンテという競走馬名をつけられ、
栗東の松永幹夫厩舎に入ります。

デビューから2戦は芝を使ったものの6着、5着と敗れたため
ダートへ矛先を向けると、6戦目で勝ち上がりを見せます。

その後の1勝クラスでも3着が1度ありますが、現在のところそこから抜け出すことはできていません。

現状を見ると8戦1勝で、兄のミッキーアイルのような活躍を見込んでいたとすると
かなり厳しい状況となっています。

それでも牧場所有ということで将来の繁殖牝馬としての価値も考えての
落札だったものと考えられます。

今後繁殖入りをした際に、活躍馬を出すことに期待したいですね。

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取引額第4位

ヴェルザンディの2020

 

第4位は、2021年のセレクトセールで9600万円という価格で落札された、
ヴェルザンディの2020です。

ヴェルザンディの2020は2020年4月5日にノーザンファームで生まれました。

父エピファネイア、母ヴェルザンディ、母父アグネスタキオンという血統です。

母のヴェルザンディはディープインパクトの半妹にあたる良血で、
そこに当時エフフォーリアが皐月賞を制し波に乗っていたエピファネイア産駒ということで
大いに注目が集まっていました。

そして最終的に9600万円でキーファーズが落札し、所有することとなりました。

ヴェルザンディの2020は後に競走馬名をコチョウランと名付けられ、
美浦の蛯名正義厩舎へと入ります。

ただ、その後なかなか順調にはいかずデビューを迎えたのは
新馬戦も終了した2023年3月18日でした。

そこで9番人気の5着に敗れると、続く4月の未勝利戦でも2番人気の8着と敗れています。

現状は残念ながら勝ち上がることはできておらず、厳しい状況となっています。

特にエピファネイア産駒は3歳の今の時期がもっとも花開く時期とも言え、
正念場を迎えています。

取引額第3位

サマーハの2020

第3位は、2020年のセレクトセールで1億円の価格がついたサマーハの2020です。

サマーハの2020は2020年2月26日にノーザンファームで生まれました。

父サトノダイヤモンド、母サマーハ、母父シングスピールという血統です。

半兄にはG2を3勝したシャケトラがいます。

そんなサマーハの2020はセールで大物馬主である金子真人ホールディングスに落札されます。

そしてその後サマーハの2020はトラミナーという競走馬名を付けられ、
栗東の藤原英昭厩舎に入厩します。

デビュー戦は2022年10月8日で、阪神芝1600mの2歳新馬戦でした。

単勝2.9倍の1番人気に支持されますが、先に抜け出したレッドヒルシューズを捉えきれず
クビ差の2着となります。

それでも惜しい2着だったため、勝ち上がりはすぐだと見られていました。

しかし2戦目となった12月の未勝利戦では5着、翌年2023年の3月の未勝利戦では4着と
現時点で勝ち上がれていません。

成績を見れば未勝利はいずれ勝ち上がれそうですが、1億円という価格を考えると
春のクラシックに乗ることができなかったのは残念ですね。

取引額第2位

ワッツダチャンセズの2020

第2位はワッツダチャンセズの2020です。

こちらは2020年2月10日に追分ファームで生まれました。

2021年のセレクトセールにおいて、1億2000万円で落札されています。

落札したのは廣崎利洋ホールディングスです。

オーナーの廣崎利洋さんは1987年から馬主として活動しており
これまでにレッツゴードンキやアスクビクターモアなどを所有しています。

ワッツダチャンセズ自身は現役時代に米国のG1ビヴァリーディステークスを制した馬で、
ブリーダーズカップ・ジュベナイルで2着という実績があります。

また、父はディープインパクトで、このワッツダチャンセズの2020は
日本にいるラストクロップ6頭のうちの1頭としてセール前から大きな注目を集めていました。

そんなワッツダチャンセズの2020は競走馬名をチャンスドゥアスクを名付けられ
栗東の梅田智之厩舎への入厩します。

ただ、調整が遅れデビューしたのは2023年4月15日のことでした。

すでに新馬戦や桜花賞も終了した日にデビューしたチャンスドゥアスクは
10番人気の12着という成績に終わります。

まだ成長が伴っていない状況で、
このままいくと3歳の未勝利戦が終わるまでに勝ち上がるのは厳しいかもしれません。

とはいえ血統は素晴らしいものがあるので、将来的には繁殖にあがるものと見られます。

取引額第1位

ホットチャチャの2020

2020年産の牝馬でもっとも高額で取引されたのは、
ホットチャチャの2020です。

2020年3月24日にノーザンファームで生まれています。

2021年のセレクトセールで1億6000万円で落札されました。

落札したのは長谷川祐司さんという方です。

長谷川祐司さんはIT機器を取扱う会社の社長をしており、
所有馬のJRA初出走が2019年と比較的新しい馬主です。

母のホットチャチャは米国のG1クイーンエリザベス2世チャレンジカップステークスを制しており
産駒には菊花賞2着のエタリオウなどがいます。

父はロードカナロアで、母のスタミナと父のスピードをかけ合わせた
アーモンドアイのような馬として期待されていました。

そんなホットチャチャの2020は、競走馬名をリアリーホットと名付けられ
栗東の斉藤崇史厩舎に入ります。

順調に調教が進められ、2歳の6月にデビューをしますが2番人気の4着に敗れます。

そしてその後は2戦しましたが、現在のところ勝ち上がれていません。

1億6000万円した馬がJRAで未勝利のまま終わってしまう可能性も出てきており
なんとか勝ち上がりを期待したいところです。

繁殖牝馬としても期待

繁殖としても期待

 

こうして見てみると、牝馬で高額だった馬は現状あまり活躍をすることができていません。

ハーパーがなんとか期待通りの活躍を見せていますが、その他は厳しい結果となっています。

ただ、牝馬の場合繁殖へと上がることができるので、
子どもにも期待することができます。

たとえ競走馬としては結果を残せなかったとしても、産駒でリベンジを果たしてもらいたいところですね。

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