競馬の斤量ってなに?負担重量の決め方を馬齢・別定・定量・ハンデ戦の場合別に解説

斤量

あなたは競馬の斤量についてどれだけ知っていますか?

重さのことだとは分かるものの、具体的に何の重さなのかなどは詳しく分からないという方も多いのではないでしょうか。

また、どうやってこの斤量が決められているのかも謎ですよね。

そこで今回はこの斤量についてできるだけ簡単に、そして詳しくご紹介していきたいと思います。

競馬の斤量ってそもそも何?

まずはそもそも斤量とは何かを見ていきましょう。

この斤量というのは、レースによって各馬に決められている負担重量のことです。

つまり斤量56kgとの表記がある場合、その馬は56kg分の重量を背負う必要があります。

その重量の中で一番大きな割合を占めるのが、騎手の体重です。

ここに勝負服、ブーツ、プロテクター、そして鞍などの馬具の重さなどを合計したものが負担重量となります。

ちなみにヘルメットやゼッケン、ムチの重さはこれに含まれていません。

ただこれらだけでは重さが足りないという場合もありますよね。

その場合は騎手もしくは鞍に鉛をつけて調整をします。

では逆に重さがオーバーしてしまった場合はどうなのでしょうか。

中央競馬の場合は、2kg以上超過してしまうと強制的に乗り替わりとなってしまいます。

超過が2kg以下の場合は裁決委員の許可が下りれば騎乗可能となりますが、過怠金等の罰則となります。

そして繰り返し超過してしまうと、最終的に騎乗停止となってしまいます。

そのため斤量の軽い馬に乗る騎手は、前日にサウナで汗取りをして体重を落として調整したりします。

検量により斤量をチェック

この斤量が正しい重量となっているかは、検量により行われます。

この検量はレース前後の2回行われていて、レース前の検量を前検量、レース後の検量を後検量と言います。

このうち後検量は基本的に7着以内の馬と、上位人気馬に対してのみ行われます。

そしてもし前検量と後検量の斤量が1kg以上減っていた場合は失格となります。

また、1kgに満たない場合でも過怠金となる場合があります。

逆に後検量が増えていたらどうなるのでしょうか。

あまりないことでしょうが、雨などの水分を衣類が吸収し、重くなってしまうことも稀にあります。

もし後検量が増えていた場合は、不利な条件下で達成された成績は尊重されるべきという観点から失格とはなりません。

負担重量の決め方

このようにある程度厳密にチェックされている斤量ですが、実際にはどのように決められているのでしょうか。

現在レースでの斤量の決め方には種類があります。

馬齢戦、定量戦、別定戦、ハンデキャップ戦の4つです。

まずは馬齢戦について見ていきましょう。

これは馬の性別、年齢で決められた負担重量で行うレースのことです。

2歳、3歳の1月から9月、3歳の10月から12月という3段階で基準の斤量が変化します。

例えば3月の9月であれば基準斤量は56kgとなり、ここから騎手による減量や性別による減量などがされます。

もし黒三角の減量騎手が乗る牝馬であれば、合計で5kgを基準斤量から引き51kgでの出走となります。

このような馬齢によって基準斤量が決まるレースは3歳までとなっています。

次に、定量戦を見てみましょう。

この定量戦は、ひとまず5歳以上57kgというのが基準斤量となります。

そしてそこから騎手、性別、年齢の3条件によって減量をしていきます。

性別については牝馬だと一律でマイナス2kgとなりますが、
年齢に関しては単に年齢だけでなく距離や時期、オープンか否かといった要素によって上下します。

例えば3歳9月に開催される1勝クラスのレースでの3歳であれば、年齢条件からマイナス2kgとなります。

別定戦は、重賞やオープン戦でよく適用されるもので騎手による減量がなく
勝利数もしくは収得賞金によって負担重量が増えていきます。

この条件はレースによって異なるのですが、
多くのオープン戦では収得賞金2800万円を基準としてそこから1200万円が加算されるごとに1kg増えていく様になっています。

リステッド競走を考慮しなければ、オープン戦の1着収得賞金は1200万円ですから
簡単に言えばオープンを1つ勝つごとに1kg増えていくという計算になります。

ちなみに牝馬はここでもマイナス2kgとなります。

最後はハンデ戦です。

これは、出走する馬全員が1着となれるように、ハンデキャッパーと呼ばれる人たちが
各馬の斤量を意図的に設定するレースのことです。

このハンディキャッパーはJRAでは「公正室ハンデキャップ役」という役職の方が務めており、
大きなプレッシャーの下、ハンデを決めています。

斤量は0.5kg刻みで設定され、下限は48kgですが最重量の上限は設定されていません。

過去の記録では1989年にアラブのアキヒロホマレが70kgという負担重量を設定され、見事勝利しています。

現代のハンデ競走では60kgまでというのは一般的で、それ以上に設定されたケースはほとんど見られません。

こうした暗黙の了解ができたのはテンポイントが66.5kgを背負い、骨折してしまったからだとも言われています。

ちなみに障害レースでは60kg以上の斤量が見られますが、これは斤量を重く設定することで
スピードが出過ぎないようにしているからです。

スピードを出しすぎると落馬事故につながりかねないため、障害レースでは負担重量が平地よりも重く設定される傾向にあります。

南半球産や見習い騎手などによる斤量の変化

このように、競馬ではレースの種類によって斤量の決め方が設定されており
そのルールに従って斤量が決定されます。

こうしたルールはかなり複雑なため、個別にレースを見ていかないとどうしてこのような負担重量なのか分からないといったケースも見られます。

他にも特殊な斤量の変化はいくつかあり、その1つ南半球馬かどうかというものです。

南半球馬というのはオーストラリアやニュージーランドなどで生まれた馬のことです。

南半球は季節が真逆なので誕生時期が約半年ズレます。

そのため2歳戦や3歳戦では成長が遅く不利なレースを強いられることとなります。

そうしたことから南半球で7月1日から12月31日までの間に出生した馬は、ハンデ戦を除く平地競走に出走した場合
4歳の8月まで斤量が減量されます。

具体的には馬齢と距離によって変わるのですが、2歳馬が2200m以上のレースに出た場合には4kgの減量措置がとられます。

実際に南半球で生まれたキンシャサノキセキという馬は、NHkgマイルカップに出た歳に他の馬より2kg軽い55kgで出走しています。

他にも免許の通算取得年数が5年未満で勝利度数が100回以下の騎手は、減量措置がとられています。

これは見習い騎手でも騎乗機会を得ることができるようにするための措置で、
特別戦やハンデキャップ戦以外だと最大4kgの減量となります。

また最近できた制度ですが女性騎手の場合は見習い騎手でなくとも2kgの減量が適用されます。

斤量の理解はレース予想にとっても重要

一般的に斤量1kgによって1馬身の差がつくと言われています。

ただこれはレースの距離や、その馬の体重にもよるところがあります。

400kg前後の馬にとっての負担重量1kgのマイナスと、500kgを超えるような馬の1kgマイナスでは意味合いも大きく変わってきます。

そうした面も含めて斤量が今回どのように設定されていて、それがどう影響していくかを考えるのも
レース予想にとって大事になってきます。

次に競馬予想をする際にはこうした斤量に着目してみると、新しい側面が見えてくるかもしれませんね。

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