ディープボンドがナイスネイチャを超える大記録!G1未勝利馬の獲得賞金ランキングで歴代1位になる

ディープボンドがナイスネイチャを超える大記録!G1未勝利馬の獲得賞金ランキングで歴代1位になる トップ画像

あなたはナイスネイチャをご存知ですか?

有馬記念を3年連続3着となり、
あと一歩というところまでいくも勝てない姿が多くのファンの心を掴んだ馬です。

そんなナイスネイチャなどのシルバーコレクター達を超える記録を
先日ある現役馬が達成しました。

今回はそんな記録についてと、その馬のこれまでについて見ていこうと思います。

G1をどうしても勝てないディープボンド

G1をどうしても勝てないディープボンド

ナイスネイチャらの記録を超えた馬、それはディープボンドです。

ディープボンドは2017年2月18日に新冠町の村田牧場で生まれました。

父キズナ、母ゼフィランサス、母父キングヘイローという血統です。

2019年10月にデビューをすると、翌年には未勝利勝ちのみの実績ながら皐月賞へ出走し
18番人気の10着に敗れます。

しかし続く5月の京都新聞杯で1着となり、6戦目で初重賞制覇を果たします。

その後は和田竜二騎手とともにダービー5着、菊花賞4着とクラシック戦線で善戦します。

翌年2021年は初戦の中山金杯こそ14着と大敗しますが、
続く阪神大賞典ではユーキャンスマイルに5馬身差をつけ快勝します。

菊花賞4着、阪神大賞典優勝という実績から長距離適正が評価され、
続く天皇賞(春)は一番人気で出走します。

しかしそこでは、最後ワールドプレミアに差され4分の3馬身差の2着となります。

この惜しい競馬を見せたことや、キズナ産駒がパワーのいる馬場で結果を残してきたことなどから
その後、凱旋門賞への挑戦が発表されます。

G1を勝利していない中での凱旋門賞挑戦には様々な声が聞かれましたが、
前哨戦となるフォワ賞を見事優勝し、その声を実力でかき消しました。

しかし続く凱旋門賞では重馬場発表のタフなレースがこたえ14着に敗れてしまいます。

それでも帰国後の有馬記念ではエフフォーリアの2着となり、
その実力が国内でトップクラスだということを示しました。

そして翌年2022年には阪神大賞典を単勝1.2倍に支持された中で連覇を果たし、
初のG1獲りへ天皇賞(春)へと挑みます。

しかしそこではタイトルホルダーが圧倒的な走りを見せ、7馬身離されての2着となりました。

その後は宝塚記念で4着となった後、再び凱旋門賞へと挑戦しました。

この年はディープボンドの他にドウデュースやタイトルホルダー、ステイフーリッシュも参戦しており
今度こそ日本競馬の悲願達成なるかと期待が高まっていました。

しかし当日突然の大雨が降ったことで、非常に重い馬場となってしまいました。

そのこともあり、日本馬はすべて大敗してしまいディープボンドも20頭中18着という結果に終わりました。

帰国した後は、前年と同じく有馬記念へと挑みますがここでは8着に敗れます。

さらに翌年2023年は初戦となった阪神大賞典では5着に敗れてしまい、
6歳となったディープボンドのピークは過ぎてしまったのではないかと囁かれるようになりました。

しかし4月30日に開催された天皇賞(春)では4コーナーから早めに先頭に立つと
最後まで粘りジャスティンパレスの2着となりました。

悲願のG1勝利こそなりませんでしたが、
これで天皇賞(春)を3年連続2着という偉業を成し遂げました。

ナイスネイチャが有馬記念を3年連続3着となったことは有名ですが、
同じ八大競走と呼ばれる大レースでそれを超える3年連続2着となったのは快挙と言えそうです。

そしてこの天皇賞(春)で2着となったことにより、もう1つ大きな記録を打ち立てました。

それはG1未勝利馬による獲得賞金額で歴代トップに立ったことです。

これまでG1未勝利馬で3番目に獲得賞金額が多かったのは、
バランスオブゲームで6億1769万5000円でした。

そして2番目がナイスネイチャで6億1918万8000円、
もっとも高額だったのがキョウトシチーの6億2870万1000円でした。

今回ディープボンドは、天皇賞(春)の2着賞金8,800万円を加算したことで
獲得賞金額は6億4591万3800円となり単独トップに躍り出ました。

今後ディープボンドがG1を勝利する可能性はまだまだあるため、この記録の対象外となる可能性はありますが
G1を勝たずともこれだけの賞金を稼いだというのはすごいの一言です。

また、キョウトシチーは当時G1への格付けがされていなかった東京大賞典を勝利してのものですから、
そうしたこともないディープボンドが獲得賞金額を超えるというのはいかに異常なのかが分かります。

そんなディープボンドは2018年のセレクションセールで税抜1650万円で取引されており
そこから考えると、既に40倍近い金額を稼いでいます。

当時落札したのは前田幸治氏で、馬主は弟の前田晋二氏です。

前田晋二氏は父のキズナの馬主でもあり、ディープボンドはそのキズナの初年度産駒でした。

そのため彼らはキズナ産駒を多くセールで購入しており、
その中の一頭にディープボンドが選ばれたという形でした。

そうした縁により前田氏の馬となったディープボンドは、
父の獲得賞金である約4億7000万円を大きく超える額を稼いでくれました。

ではそんなディープボンドは今後どうなっていくのでしょうか。

Expand All

ディープボンドの今後は?

ディープボンドの今後は?

ディープボンドも6歳となっているため、現役でいるのは長くてあと3年でしょうか。

そしてG1を勝つとなると今年がラストチャンスの可能性があります。

そんなディープボンドのこの後の路線としては、
素直に国内で中・長距離路線を使うか三度の凱旋門賞への挑戦、
もしくは凱旋門賞以外の海外長距離G1を戦っていくかの3択となります。

その中で、2年連続で結果が出なかった凱旋門賞への挑戦はせず、
今後は国内か別の海外レースに挑むのではないかと考えられます。

そして最も可能性が高いのは、
宝塚記念を使ってからの別の競馬場での海外遠征ではないでしょうか。

特に11月に行われるメルボルンカップへと挑戦することが可能性として挙げられます。

これは前田氏やその法人であるノースヒルズが、
できる限り種牡馬のオファーがあれば種牡馬にしていくという方針ということからの推測でもあります。

実際に過去にはG3を2勝したグレイトジャーニーをフランスで種牡馬入りさせ、
重賞未勝利のミスキャストを日本で種牡馬入りさせたことがあります。

そうした中、ディープボンドはキズナの後継種牡馬として日本国内で種牡馬入りすることも考えられますが、
最も高評価を得て成功しそうなのはオーストラリアでの種牡馬入りです。

近年オーストラリアでは日本の競走馬や種牡馬の人気が非常に高まってきています。

シャトル種牡馬のサトノアラジンやモーリスはオーストラリアやニュージーランドの地で
多くの活躍馬を出していますし、ネオリアリズムやブレイブスマッシュ、
そしてダイアトニックが現地で種牡馬入りをしています。

また、ロードカナロア産駒のタガロアという馬も現地で人気種牡馬となっています。

こうした流れを受け、ディープボンドもオーストラリアであれば高評価を受けての種牡馬入りができそうです。

そのためお披露目を兼ねてメルボルンカップへと向かうのではというのが想定です。

メルボルンカップは芝3200mで開催されているレースで、
その日はオーストラリアの祝日になるほど盛り上がりを見せる競走です。

2006年にはデルタブルースが優勝したことでも有名です。

このレースで日本の長距離馬の実力を見せればオファーは来るはずで、
そこに賭けて遠征しても不思議ではありません。

国内ではイクイノックスやソールオリエンスなどがおり、
ジャパンカップや有馬記念を勝つのは相当困難な道のりです。

また、長距離馬の種牡馬需要もそこまで高くありません。

だからこそ、凱旋門賞へ挑戦し種牡馬としての価値をつけようとしていたのだとも考えられます。

そうしたことを総合的に考えれば。
今年はメルボルンカップなどの凱旋門賞以外の海外遠征へ目を向けても不思議ではありません。

もしくは国内で勝負しつつ、年末の香港ヴァーズで走ることも考えられそうです。

そしてステイゴールドのように、引退レースで海外G1を制するといった快挙を達成できたらまさにドラマですね。

最強のシルバーコレクターが、最後に栄冠を手にすることができるのか注目したいと思います。

ディープボンドがナイスネイチャを超える大記録!G1未勝利馬の獲得賞金ランキングで歴代1位になるの関連記事