【目黒記念2023】サリエラ必勝だ!ここから凱旋門賞を目指すために負けられない一戦

ダービーの直後に開催されることがすっかり定着した目黒記念。
今年はそこに、ダービーと同じくらい注目すべき理由があります。
なぜならここをステップに凱旋門賞へと挑戦しようとしている馬がいるからです。
今回はそんな凱旋門賞に挑戦する馬と、目黒記念の展望について見ていこうと思います。
目黒記念から凱旋門賞を目指すサリエラ

今回目黒記念から凱旋門賞へと挑戦しようとしている馬は、サリエラです。
サリエラは2019年1月28日にノーザーンファームで生まれました。
父ディープインパクト、母サロミナという血統です。
父のディープインパクトは言わずと知れた歴史的名馬で
母のサロミナは2012年にドイツオークスを制した名牝です。
母からはエルフィンステークスを制したサロニカ、
エリザベス女王杯と有馬記念で2着に入ったサラキア、
そして朝日杯フューチュリティステークスを制したサリオスが出ており
サリエラも当初から大いに期待されていた馬でした。
そんなサリエラは1歳の時にシルク・ホースクラブで
総額7000万円、一口14万円で募集にかけられます。
そして2021年11月の2歳新馬戦でデビューをすると、
スタートから先頭に立ち直線で突き放すという競馬で実力の違いを見せつけました。
鞍上のルメール騎手も「すごい馬です」と称賛しており、
その実力はすでにトップクラスのものがあると評判でした。
この勝利により一躍牝馬クラシックの有力馬として目される様になり、
次走はフラワーカップを予定していましたが、
直前に左前脚の骨瘤により回避となりました。
これにより春のクラシックは出走することができなくなり、
陣営が2戦目に選んだのは6月の1勝クラスでした。
そこでは出遅れが響き、後方からレースを進めると
直線では馬場の中央から徐々に脚を伸ばし、最後は2着のテイエムオードリーをギリギリで差し切りました。
辛勝ではありましたが、初めての古馬との対戦、そしてスローペースの中で後方から進んだこと
ケガ明けの復帰戦など様々な不安要素があった中での勝利は、
改めてサリエラのポテンシャルの高さを示しました。
この勝利を受けて、陣営は次のレースを9月のG2ローズステークスに定めます。
そのローズステークスでは後方4番手で道中を進むと、直線では前走と同じ様に伸びて来たものの
好位から競馬を進めたアートハウスにはわずかに届かず2着となりました。
3戦目で初めての敗戦となったサリエラでしたが、この負けは位置取りの差とも言え
決して悲観するものではありませんでした。
そしてここで秋華賞の優先出走権を得たたため、秋華賞への出走も検討されましたが
疲れが抜けず回避することとなりました。
能力は一級品であることは間違いありませんが、
馬体重が420kg前後と小さいこともありなかなかコンスタントに使えないという点が
サリエラのもどかしい部分でした。
このローズステークスの後も疲労の回復や調整に時間がかかり
次のレースは2023年1月の白富士ステークスまで待つこととなります。
4歳で4戦目となるこのレースでは、
直線で前が壁になり中々出られない状態が続きましたが外に進路をとると
脚を伸ばし、2着のドーブネに1と4分の1馬身差をつけて快勝しました。
そしてこの勝利を受けて、陣営は凱旋門賞に登録することを発表しました。
まだリステッド競走を勝ったばかりの馬が凱旋門賞に登録するというのは珍しいですが、
陣営にとっては勝算があるようです。
まず過去に凱旋門賞で好走した馬は、中型サイズの馬が多いということです。
3着入線で後に失格となってしまったディープインパクトは牡馬で440kg前後でしたし、
2着に入ったナカヤマフェスタやオルフェーヴルは460kg前後と
決して大型馬ではありませんでした。
サリエラは小型に近い馬ですし、挑戦した場合58kgの斤量を背負うことになりますが、
2012年の凱旋門賞でオルフェーヴルを破ったソレミアは430kg前後でした。
そうしたことを考えれば、ある程度軽量の方がフランスの重い馬場を攻略できるのではないかという
推測を立てても決しておかしい話ではありません。
また、サリエラがドイツ血統ということもポイントです。
近年凱旋門賞ではドイツ血統の活躍が目立っています。
2021年にはドイツ調教馬のトルカータータッソが勝利し、
2022年のアルピニスタもイギリス調教馬ですがドイツゆかりの血統でした。
そしてサリエラの母はドイツオークスを勝っている生粋のドイツ血統の馬です。
こうした馬体や血統面から凱旋門賞に向くタイプだと判断され、
そして何より凱旋門賞を勝つだけの実力がある馬だということから、凱旋門賞への登録が行われました。
ただ、これは遠征が確定した訳ではなく、あくまでも次走以降の結果を見て判断するということでした。
つまり次の目黒記念で良い結果を出すことが、サリエラには求められているということになります。
陣営としてもここで結果を出して凱旋門賞へ向かうため、しっかりと仕上げてくるはずです。
また、目黒記念の東京芝2500mという舞台もサリエラに味方しそうです。
これまでのレースを見ると、サリエラは2000mではスピードが足りず後方を進むこととなり
直線で追い込みジワジワと脚を伸ばしていくという競馬になっています。
そのため2500mという距離延長は歓迎すべきで
この距離でサリエラの真価が発揮されそうです。
アーモンドアイを管理していた国枝栄調教師が当初から高い素質を評価していた馬ですから
ここで初の重賞勝利、そして凱旋門賞へと進んでもらいたいですね。
そんなサリエラが挑む目黒記念ですが、ライバルにはどのような馬がいるのでしょうか。
Expand All目黒記念の強力なライバル

現在目黒記念の1番人気予想はサリエラです。
そして2番人気以降は2頭が拮抗しています。
まず1頭目はプラダリアです。
父ディープインパクト、母シャッセロールという血統で昨年はG2青葉賞を制し、ダービーでも5着に入っています。
今年に入ってからは日経新春杯、京都記念とG2を連続して3着に入っており
今が充実期と言える状態です。
ここで再びG2を制し、秋にはG1戦線へと進んでいきたいと考えているはずで
得意の東京コースでの走りに注目が集まります。
2頭目はライラックです。
父オルフェーヴル、母ヴィーヴァブーケ、半兄に札幌2歳ステークスを制したブラックホールがいる血統です。
サリエラと同じ4歳牝馬で、昨年のエリザベス女王杯では12番人気で2着に入りファンを驚かせました。
続く日経賞でも4着に入っており、エリザベス女王杯がフロックではないことを証明しました。
この目黒記念で初のG2制覇を目指します。
他にも長距離で結果を残してきたディアスティマや
ダート路線から挑戦するバーデンヴァイラーといった馬たちが目黒記念での勝利を虎視眈々と狙っています。
このような強力なライバルが揃う中、サリエラは勝利し
秋の凱旋門賞へと進むことはできるのでしょうか。
日本競馬の夢を叶えるためにも、サリエラの奮闘に期待したいと思います。