【安田記念2023】ソダシの川田将雅騎手への乗り替わりはなぜ起きた?吉田隼人騎手からレーン騎手、そして川田騎手へと替わった理由とは

ソダシが再び乗り替わり!その真相は?
ソダシが安田記念に川田将雅騎手で挑むことが発表されました。
前走のヴィクトリアマイルに続いての乗り替わりは一体なぜ起きたのでしょうか。
今回はそんな安田記念におけるソダシの乗り替わりについて見ていこうと思います。
前走でソダシから吉田隼人騎手が降りる

これまでソダシはデビューから14戦、常に吉田隼人騎手が騎乗してきました。
そしてこのコンビで阪神ジュベナイルフィリーズや桜花賞など、G1を3勝してきました。
そんな一心同体とも言えるコンビに異変が起きたのは、前走のヴィクトリアマイルでのことです。
このレースで吉田隼人騎手は、
短期免許で来日しているダミアン・レーン騎手へと乗り替わりとなったのです。
このニュースには様々な憶測が流れましたが、
それでもレーン騎手が短期免許でやってきたことを考えれば、
いずれは再び吉田隼人騎手に戻ると考えられていました。
しかし、続く安田記念で発表されたのは、
ソダシの鞍上に川田将雅騎手を迎えるというニュースでした。
これにより、ソダシは再び吉田隼人騎手の手を離れることとなりました。
ではこの乗り替わりは一体なぜ起きたのでしょうか。
そこには仕方がない理由がありました。
Expand Allソダシが安田記念で再び乗り替わりとなった理由

安田記念で再び乗り替わりとなった理由はいくつかあります。
まずは前走騎乗したレーン騎手の事情です。
レーン騎手は安田記念でセリフォスに騎乗すると以前から決まっていました。
そのため、ソダシが安田記念に参戦することが決定したことで
今回は乗り替わりとなることが決まっていました。
となると吉田隼人騎手に戻っても良さそうですが、
今度は川田将雅騎手が騎乗することとなりました。
ではなぜ川田将雅騎手はソダシに乗ることとなったのでしょうか。

今回の安田記念出走予定馬の中で、
前走もしくはこれまでに川田将雅騎手が乗ってきた馬は複数います。
特にダノンスコーピオンはこれまでの10戦の中で8戦を川田将雅騎手と走っており、
その中にはNHKマイルカップでの勝利も含まれます。
ただ、ここ3走は11着・6着・11着と良い成績を残しておらず
安田記念で勝ち負けまでいけるかは微妙なところです。
また、レッドモンレーヴは前走の京王杯スプリングカップこそ横山和生騎手が騎乗したものの、
これまでの9戦のうち4戦を川田将雅騎手が騎乗しています。
そのためこちらに川田将雅騎手が騎乗しても良さそうではありますが、
陣営は前走の勢いを買って横山和生騎手に再び騎乗を依頼しました。
このように安田記念に出走するお手馬がいる状況ではありますが、
人気上位になるほどではありませんし、他に鞍上が決まっている馬もいました。
そうした中、マイルG1を3勝しており今回も3番人気以上には入りそうなソダシ陣営から騎乗依頼を受けたとなれば
川田将雅騎手側は騎乗を断る理由はありません。
そして陣営側としても、ソダシに川田将雅騎手というトップジョッキーを迎える理由がありました。
陣営が川田将雅騎手に依頼した背景

まずは至極当たり前のことではありますが、
G1という舞台でリーディングトップの騎手が騎乗をしてくれるとなれば
そちらに騎乗を依頼するというのが勝負の世界です。
そして須貝調教師はこれまでもこの当然と言えるものの
中々難しい決断をこれまでにもしてきた過去があります。
その代表的なものが、ゴールドシップでの乗り替わりです。
ゴールドシップは2013年のジャパンカップまで基本的に内田博幸騎手が主戦として騎乗してきました。
しかしこのジャパンカップで15着となると、
続く有馬記念では内田博幸騎手からムーア騎手へと鞍上を変更しました。
その有馬記念で3着となったゴールドシップは、
次のレースでは内田博幸騎手に戻ると見られていましたが、
そこで岩田康誠騎手に乗り替わりとなりました。
このように成績が落ち込んだ時、
新たな一面を引き出してもらうため新たなトップジョッキーに乗ってもらうということを
過去にもしてきたのが須貝厩舎です。
ソダシの場合も昨年の札幌記念以降、5着・2着・3着と勝利するまでには至りませんでした。
そのような状況だったため、一旦吉田隼人騎手を降ろし、新たな騎手でG1戦線に挑む決断をしたのでしょう。
そして前走のヴィクトリアマイルでは負けこそはしたものの惜しい2着になったことから
再び別のトップジョッキーを迎えて勝利へ挑戦する決断をしたのだと考えられます。
あくまでG1勝利という栄冠をつかむためのものだというのが
今回の川田将雅騎手への交代の理由だと言えそうです。
一見すると非情に見える決断をしているように感じられますが、
須貝師は騎手とのつながりを大事にする調教師でもあります。
例えば先程のゴールドシップの例でいくと、
引退レースとなった2015年の有馬記念では
2年前のジャパンカップ以来となる騎乗を内田博幸騎手に依頼しました。
また、吉田隼人騎手に関してもヴィクトリアマイルで乗り替わりとなった後
日本ダービーではレーン騎手から乗り替わる形でフリームファクシに騎乗してもらいました。
このように人情味を感じられる騎乗依頼もする点が須貝調教師の魅力でもあり、
一概に今回の乗り替わりが悪いとは言えません。
あくまでもソダシに最高の結果を出してもらうための決断だと考えられるのです。
ではなぜこのタイミングで絶対に最高の結果が必要なのでしょうか。
そこには、ソダシを担当している厩務員の方の事情もありました。

現在ソダシを担当している今浪厩務員は、6月末での引退を控えています。
本来は9月に定年を迎える年齢なのですが、体調を考慮して6月末で引退することとなっています。
今浪厩務員は過去にゴールドシップも担当していた方で、
個性的な馬の扱いには定評があります。
そんな今浪厩務員は、ソダシが入厩してからの3年間、
担当として常に彼女と向き合ってきました。
ソダシに対する愛情は相当に深いものがあります。
そんな今浪厩務員にとって、今回の安田記念はソダシと挑む最後のレースとなります。
そのため今回の安田記念は必勝体制で臨む必要がありました。
こうしたことを考えた時、
陣営として最善の方法がトップジョッキーの川田将雅騎手を鞍上に迎えることでした。
吉田隼人騎手が決して悪いという訳ではなく、
悔いなく万全の状態で安田記念へと向かうための決断と言えそうです。
ソダシはその能力はもちろんのこと、
白毛馬ということからも非常に人気の高い馬です。
その馬の騎手を替えるというのは陣営、そして乗り替わる騎手にとっても相当なプレッシャーになります。
そうした中で騎乗依頼をした陣営、そして依頼を受けたジョッキーには全力で応援をしたいですね。

川田将雅騎手は5月31日の共同会見で、次のように語っています。
「これだけ素晴らしい実績を積んできている馬ですし、
これだけ素晴らしいメンバーが集まったG1の中でどれだけの走りをしながら、
どれだけの結果を得られるかというところだと思いますので、
順調にここまで来られていますので、
精いっぱいの走りでみなさんに喜んでいただけたらと思います」
今回はG1馬が10頭いるという豪華メンバーで争われる安田記念ですが、
その中でもトップクラスの実績を持つのがソダシです。
その白い馬体が川田将雅騎手を背に東京競馬場で躍動する姿を想像すると
それだけでワクワクしてきます。
そもそもJRAにおいて白毛馬を初めて勝利に導いたのは、
ホワイトベッセルに騎乗した川田将雅騎手でした。
その手腕でソダシを安田記念制覇に導き、
今浪厩務員の競馬人生に大きな華を添えることを期待したいですね。