【セブンカラーズ】8戦8勝!地方競馬の新星が名古屋から全国へ羽ばたくか

今年の地方競馬の3歳馬は、ケンタッキーダービーに挑戦したマンダリンヒーローや、
羽田盃で衝撃の強さを見せたミックファイアなど
中央でも勝負できる馬が揃っています。
そしてそれは南関東の馬だけに留まりません。
また一頭、これらの馬と同等、もしくはそれ以上の可能性を秘めた馬がいます。
今回はそんな地方のスターについて見ていこうと思います。
名古屋で8戦8勝の最強馬セブンカラーズ

もう一頭の地方の大物。それはセブンカラーズです。
セブンカラーズは父コパノリッキー、母ウイニフレッド、母父スペシャルウィークという血統です。
2020年2月12日に日高町のオリオンファームで産まれ、
2021年には北海道サマーセールで800万円にて落札されています。
落札したのは一口馬主クラブのグリーンファーム愛馬会で、
その後総額1000万円、一口あたり20万円で募集にかけられます。
所属は名古屋競馬の川西毅厩舎で
南関東以外で1000万円というのは、比較的高額の部類に入ります。
そんなセブンカラーズは育成の時から能力の高さが認められており、
名古屋競馬のクラシックを狙える存在と目されていました。
そしてその期待通りの成長を遂げたセブンカラーズは、
2022年7月22日に名古屋競馬のダート900mの新馬戦に出走します。
するとここでは実力が違い、スタートして先頭に立つと
直線で更に突き放して7馬身差の圧勝劇を見せました。
さらに続くダート1500mで開催された若駒盃では、2着に2秒1をつける大差で勝利します。
そして3戦目となったオープンクラスの弥富記念を4馬身差、
4戦目のゴールドウィング賞を3馬身差つけて勝利します。
特にゴールドウィング賞は、名古屋で60年以上の歴史がある重賞で
ここを勝ったことでセブンカラーズは東海地区における2歳チャンピオンとなりました。
そしてこの強さは3歳になって更にパワーアップします。
2023年初戦となった梅桜賞を、
セブンカラーズは2.5秒差もの大差をつけて勝利します。
さらに全国地方交流の重賞であるスプリングカップでは
高知からきたデステージョに6馬身差をつけて快勝し、
その実力が名古屋にとどまるものではないことを示しました。
そして4月には全国地方交流の東海クイーンカップに出走します。
このレースは主に東海地区の3歳牝馬チャンピオンを決めるレースとして知られており、
過去にはJRAのローズステークスや紫苑ステークスへの優先出走権も与えられるレースでした。
そんな東海クイーンカップでセブンカラーズは、
2着のナイトホークスに2秒8もの大差をつけて勝利します。
4コーナーを曲がる時にはぐんぐんと後続に差をつけて、
まさに圧倒的な実力の違いを見せました。
この勝利により陣営は、次走で東海ダービーを目指すこととしました。
東海ダービーはその名の通り、東海地区のダービーとして創設されたレースで、
この地区の3歳最強馬決定戦として知られています。
笠松競馬時代のオグリキャップを管理していた調教師の方が
どうしてもオグリキャップで東海ダービーを勝ちたいと、中央移籍を反対していたことでも有名です。
さらに優勝馬はジャパンダートダービーの指定馬となる競走で
まさに東海地区を代表する馬となります。
ただ、これまでセブンカラーズは最長でも1700mまでしか走ったことがなく、
今回の東海ダービーが2100mという距離であることや、
そこへ牡馬相手に挑むということが少し懸念されていました。
そのような不安が残るレースでも、セブンカラーズは躍動します。
スタートして先頭に立つと、そのまま誰にも抜かされず優勝したのです。
着差こそ3馬身でしたが、牡馬混合のダービーと考えれば快挙と言えます。

これでセブンカラーズは8戦8勝としており、
勝利したレースの格を考えても、まさに東海地区には敵なしという状態になりました。
順当に行けば次はジャパンダートダービーへと進むこととなりますが、
東海ダービーの2100mという距離は少し長かった印象がありました。
そしてジャパンダートダービーも2000mのレースなことから、
距離の面で回避しそうです。
そのため再び名古屋競馬でのレースが続くかもしれませんが、
もし全国区のレースに出走するとすれば、
7月のスパーキングレディーカップが考えられます。
このレースは川崎競馬場で開催され、ダート1600mという距離で競います。
セブンカラーズにとっては初の遠征となりますが、距離はベストなはずで
ここでどのような競馬を見せることができるかが試金石となりそうです。
そしてここで良い結果を出せば、11月のJBCレディスクラシックも見えてきます。
8戦8勝とまだ底を見せていないセブンカラーズが、
どこまでその連勝記録を伸ばせていけるのか注目したいですね。
過去の東海ダービー馬には、中央でも活躍したトミシノポルンガや
交流重賞で活躍したカツゲキキトキトなどがいます。
つまり東海から全国でも通用した馬はおり、
セブンカラーズもその仲間入りをすることを期待したいところです。
セブンカラーズのすごいところは、
これまですべて単勝1倍台に支持されてその期待に応えて来たことです。
単勝1倍台になると多くの馬からマークされ、スムーズにレースが進まないことがあります。
しかしセブンカラーズは基本的にレースでは前に行き、そのまま誰にも邪魔されることなく
圧倒的な力を見せてきました。
こうしたレースを見ていれば、どこまで強いのかと期待したくなるのも仕方がありませんね。
ちなみにこの8戦を単勝コロガシで賭けていった場合、当初の8.7倍になっています。
また、父のコパノリッキーにとってもこのセブンカラーズの活躍は非常に喜ばしいことだと言えます。
コパノリッキーは現役時代には最下位人気でフェブラリーステークスを勝利すると、
その後ダートのG1を11勝するという大活躍を見せました。
この活躍から初年度には194頭と種付けをしましたが、
その後は159頭、143頭、130頭と減少し
2022年には75頭まで減ってしまっています。
特に2022年の減少は初年度産駒の不振が理由です。
初年度産駒の2歳時の成績があまり良くなく、
勝ち上がった馬は中央で5頭、地方で21頭に留まりました。
また現在も代表産駒のコパノニコルソンが現状で3勝クラスどまりで、
古馬のオープンクラスで活躍する馬はまだいません。
そうした状況から、種付け頭数は当初の半分以下にまで落ち込んでしまっているのです。
このような中での希望が、セブンカラーズです。

まだ、全国区での走りこそ見せていませんが8戦8勝で東海ダービーを制したというのは
かなりインパクトのあることです。
ここから更に南関東やJRA勢と戦う姿を見せてくれたら
コパノリッキーの種牡馬としての評価も上がっていきそうです。
また、コパノリッキー産駒は他にも園田で
エコロクラージュという馬が活躍を見せています。
これまで12戦10勝という成績を残しており、
昨年には賞金2000万円という地方では破格の楠賞も制しています。
今後こちらも交流重賞に出走してくることが考えられ、
産駒が地方競馬のトップクラスで活躍してくれれば、再び種付け頭数が増えることも期待できます。
そうした期待も背負いながら、セブンカラーズは今後全国でも勝負をしていくはずです。
ひとまず目標だった東海ダービーが終わったことで休養に入りましたが、
次の走りを心待ちにしたいですね。