キタサンミカヅキが新種牡馬の中から一歩抜け出す!?新種牡馬だけの新馬戦を制し、勢いに乗る

キタサンミカヅキが新種牡馬の中から一歩抜け出す!?新種牡馬だけの新馬戦を制し、勢いに乗る トップ画像

JRAでの2歳新馬戦がスタートしましたが、
それに先立つこと約1ヶ月半前の4月19日には地方競馬で新馬戦がスタートしています。

そして約1ヶ月前の5月3日には門別競馬場で
新馬戦に関する新たな取組みが行われました。

それは今年の新種牡馬産駒限定の2歳新馬戦です。

出走馬が全て新種牡馬の産駒というレースには
どのような馬の産駒が出走し、結果はどうなったのでしょうか。

今回はそんな今年の新種牡馬たちの将来を占うといっても良い
新種牡馬限定の2歳新馬戦について見ていこうと思います。

新種牡馬限定の新馬戦

新種牡馬限定の2歳新馬戦が開催されたのは、門別競馬場です。

この門別競馬場は2歳戦が日本一早く始まることでも有名で、
馬産地が近いことから、認定外厩施設が整っているということもあり
2歳馬のレベルが高い競馬場として知られています。

また、種牡馬の種付け権利を優勝賞品にしたレースが定着するなど、
生産者に寄り添ったレースが多く開催されてきました。

そうした中で2023年から始まったのが、
新種牡馬の産駒限定の2歳新馬戦です。

新種牡馬は早期から活躍馬を出すことが重要で、
産駒の2歳時の活躍が種牡馬としての将来を決めることがあります。

特に年間に100頭以上種付けをして中央競馬でデビューする産駒を多く送り込む
レイデオロやブリックスアンドモルタルといった種牡馬ではなく、
地方競馬を主戦場とする産駒を輩出する新種牡馬たちにとって
門別での2歳戦は産駒の質や仕上がりの早さをアピールする絶好の機会と言えます。

そのような新種牡馬限定の新馬戦「JRA認定フレッシュチャレンジ」に出走したのは、
全部で9頭でした。

そしてそれらの父を並べると、
アルアイン、カリフォルニアクローム、キタサンミカヅキ、
サトノアレス、シュヴァルグラン、モーニン、ロジャーバローズ、ユアーズトゥルーリ
この8頭でした。

モーニンの子が2頭いたためこの8頭の新種牡馬から9頭の産駒が出走しています。

こうして種牡馬となっている馬の多くは、現役時代の素晴らしい実績をあげています。
例えばアルアインは皐月賞と大阪杯、
サトノアレスは朝日杯フューチュリティステークス、
シュヴァルグランはジャパンカップ、
ロジャーバローズは日本ダービー、
モーニンはフェブラリーステークスを制した国内のG1馬です。

そしてカリフォルニアクロームは現役時代にはケンタッキーダービーや
ドバイワールドカップなどを制している米国の歴史的な名馬です。

そのようなG1馬の産駒に混じって出走したのは、
Jpn2東京盃とJpn3東京スプリントを制したキタサンミカヅキと、
現役時代に2戦し未勝利だったユアーズトゥルーリの産駒です。

キタサンミカヅキは中央競馬でオープンまでいき、地方へ移籍した後も交流重賞で頑張っていたので
知っている方も多いかと思いますが、
ユアーズトゥルーリに関してはほとんどの方が知らないのではないでしょうか。

ユアーズトゥルーリの父はロードカナロアで、
母は現役時代にフィリーズレビューなど重賞を4勝したアイムユアーズという血統です。

この血統の良さ、そして馬主がアイムユアーズと同じユアストーリーということから
種牡馬入りをしたものと思われます。

ロードカナロアにとって初の後継種牡馬ということもあり、
代替種牡馬としての価値も期待したと考えられます。

初年度となる2020年は種付け料10万円に設定され17頭と種付けをして15頭が生まれ、
2年目は同じく10万円で16頭と種付けをして10頭が生まれています。

しかしその後は種牡馬登録を抹消しており、
残ったのはそこから生まれた2世代25頭となっています。

そんなわずかな産駒の中から今回この新馬戦に出走してきたことで
もし活躍できれば注目を集めるきっかけとなるはずでした。

また現役時代にG1を勝っている種牡馬たちにとっても
2歳から活躍する産駒を出すことを証明するためにぜひ勝っておきたいレースでした。

そのような様々な思惑がある中で発走したJRA認定フレッシュチャレンジは、
中央や海外のG1馬の子を押さえて、キタサンミカヅキ産駒であるキタサンヒコボシが勝利しました。

6馬身差の圧勝で、ここでは力が違うといった様子を見せつけました。

管理する五十嵐冬樹調教師も今年が開業初年度でしたので、
フレッシュな父、調教師の両方ともが絶好のアピールをすることに成功しました。

Expand All

新種牡馬キタサンミカヅキ

キタサンミカヅキ

父のキタサンミカヅキは、父キングヘイロー、母キタサンジュエリー、母父サクラバクシンオーという血統で、
現役引退後は優駿スタリオンステーションで種牡馬入りをしていました。

種付け料は20万円で23頭に種付けをし、12頭の産駒が誕生しています。

種付け料や種付け頭数こそユアーズトゥルーリに勝っていますが、
生まれた産駒の数で言えば負けているという状況でした。

この受胎率の悪さが嫌われてか、2年目の種付け頭数は10頭に減ってしまい
3年目はなぜか種付け料を30万円に上げたこともあり8頭と1ケタ台が続く状態となっていました。

そうしたかなり厳しい状況に追い込まれていた中で、
この新種牡馬限定の2歳新馬戦を産駒が勝利したというのは非常に意義があることでした。

受胎率の悪さは2年目には10頭に種付けをして9頭が生まれたことから解消されており、
産駒が活躍を見せたことで、来年以降種付け頭数が増えることが期待されます。

同じJRA認定フレッシュチャレンジに産駒が出走していた
モーニンの初年度種付け頭数が167頭、カルフォルニアクロームが148頭と考えると
12頭しかいないキタサンミカヅキの初年度産駒であるキタサンヒコボシがいかに頑張ったかが分かります。

こうして種牡馬としてのキタサンミカヅキが注目されるようになったという点だけでも
今回の新種牡馬限定のレースが実施されたことは意味があったと言えそうです。

キタサンミカヅキの父キングヘイローは、代表産駒としてローレルゲレイロがいます。

ただローレルゲレイロらかは全日本二歳優駿で2着となったアイオライトが出てはいるものの
それ以外に重賞を勝ちそうな馬はいません。

そのためキングヘイローのサイアーラインは途切れる寸前まで来てしまっています。

そうしたことを考えると、
キタサンミカヅキがなんとかその血をつなげてもらいたいところとなっています。

現役時代のオーナー大野商事の代表である北島三郎さんも
馬主生活を終了させようとしていると言われています。

そうした中で、キタサンブラックに続く北島三郎さん所有馬による
成功種牡馬になれるかという点でも注目が集まります。

キタサンヒコボシはJRA認定フレッシュチャレンジを勝利したことで、
JRAの特別指定交流競走へ出走が可能となりました。

もしかすると今後JRAのオープン競走に出走してくるかもしれませんね。

また、ユアーズトゥルーリも中々厳しいところがありますが、
なんとか重賞で勝ち負けをするような活躍馬が出てきて、
種牡馬として復帰できるまでになってほしいところですね。

新種牡馬たちの活躍に期待

新種牡馬の活躍に期待

もちろん今回他に産駒が出走した新種牡馬たちも、
このレースだけで価値が確定する訳ではありません。

これからJRAの2歳新馬戦が本格的に始まっていきますから、
そこでどのような成果を出せるかが重要となってきます。

まずはキタサンミカヅキが目立った今年の新種牡馬戦線。
果たしてここから誰が抜け出すのでしょうか。

今年産駒がデビューする予定の新種牡馬は37頭います。

その中から10年後も種牡馬として活躍できるのは、10頭もいないかもしれません。

種牡馬も厳しい社会ではありますが、一頭でも多くの種牡馬が長く活躍してもらいたいところです。

そうした意味でも中央、地方それぞれのレースから目が離せませんね。

キタサンミカヅキが新種牡馬の中から一歩抜け出す!?新種牡馬だけの新馬戦を制し、勢いに乗るの関連記事