宝塚記念で史上初の記録達成なるか。今年はドゥラエレーデとイクイノックスら歴史を変える一戦になりそう

上半期を締めるグランプリレース宝塚記念。
今年もイクイノックスを始めとする豪華なメンバーが揃いました。
そして今年はこのイクイノックスや、3歳馬ドゥラエレーデなどによる
史上初の記録達成が期待されています。
今回はそうした歴史を変える一戦になるかもしれない
宝塚記念について「史上初」をキーワードに見ていこうと思います。
3歳馬による宝塚記念勝利なるか
まずはドゥラエレーデによる史上初の記録達成が記録されている、
3歳馬による宝塚記念制覇です。
これまで宝塚記念には、3歳馬が27頭挑戦してきました。
しかしそのいずれもが勝利を得ることができませんでした。
決してこれまでの出走馬が弱かったわけではありません。
2冠馬ネオユニヴァースや、
直前にダービーを制したウオッカなどもその勢いに乗って挑戦してきました。
しかしネオユニヴァースはヒシミラクルの4着、
ウオッカはアドマイヤムーンの8着に敗れています。
最高着順は1963年のコウライオー、2002年のローエングリンによる3着で、
未だに連対すらしたことがないというのが過去の歴史です。
特にダービーで好走した馬たちの惨敗が目立つ傾向にあり、
これはダービーで激走したことによる疲労や、
ダービーと宝塚記念とで求められる適正が違うといったことが理由としてあげられそうです。
そうした中、今年宝塚記念に挑むのが3歳馬ドゥラエレーデです。
ドゥラエレーデは父ドゥラメンテ、母マルケッサ、母父オルフェーヴルという血統です。
2歳の時にホープフルステークスを14番人気で勝利した後
翌年の3月にはUAEダービーに出走し2着と健闘しました。
その後、予定していた米国遠征を取りやめ挑んだ日本ダービーでは
スタート直後に落馬し競走中止となりました。
このように3歳夏の時点で波乱万丈なキャリアを築いてきたドゥラエレーデは、
新たな歴史を作るため、今度は宝塚記念へと挑むこととなりました。
ネオユニヴァースやウオッカらと比較すると実績では劣るように見えますが、
この挑戦は決して無謀なものではありません。
まず父のドゥラメンテは宝塚記念を4歳の時に2着に入っており、
母父のオルフェーヴルは同じく4歳の時に勝利していますから血統的にこの舞台への適正はあるはずです。
さらに元々芝でもダートでも海外でも結果を出してきた器用さがあるので、
馬自身初めて距離でも戸惑うことはないと考えられます。
また、ダービーでは残念なことになりましたが、
結果的にスタート直後に落馬したことにより全力で走り切っていません。
そのため体力は十分に残されています。
まだ余力があるはずで、実力を発揮できれば宝塚記念でも良い勝負ができるはずなのです。
さらに宝塚記念では、古馬と比較して5kgものアドバンテージがあります。
古馬は一線級が揃ってはいますが、この5kgの斤量差を活かすことができれば
良い結果を期待できます。
そしてドゥラエレーデ自身の状態も万全です。
最終追い切りでは、これまでの自己ベストを2秒以上更新しており
体調の良さを感じさせます。
ダービーでの落馬の影響は感じさせず、G1を勝利していることから実力も証明済みです。
そして鞍上に新しく幸英明騎手を迎えたのも今回は大きなプラス材料です。
幸英明騎手は現在全国リーディングで14位に位置しているトップジョッキーの一人ですが、
特に阪神芝2200mでは抜群の成績を誇ります。
阪神芝2200mにおける過去5年の勝率は17.1%で、
単勝回収率で見るとジョッキーの中でダントツの500%超えとなっています。
つまり阪神芝2200mの舞台では穴馬でもしっかりと勝たせることができるジョッキーで
今回の宝塚記念では非常に心強い存在と言えます。
これらのことを考えると、ドゥラエレーデの宝塚記念制覇は決して夢物語ではありません。
今回は現役最強馬のイクイノックスも出走してきますが、
このイクイノックスに勝てる可能性のある馬としては最も期待できそうな存在です。
ホープフルステークスを14番人気で勝利したように、この宝塚記念でも一発を狙っているはずです。
3歳馬による宝塚記念制覇は、ドゥラエレーデにより達成されるかもしれませんね。
また、宝塚記念史上初の出来事になりそうなことは他にもあります。
Expand All青鹿毛による宝塚記念初制覇
実はこれまで宝塚記念では青鹿毛による勝利は一度もありません。
青鹿毛というのは前進のほとんどが黒い毛で覆われている馬を指し、
鼻や目の周りなどが若干褐色になっています。
名前的には黒鹿毛の方が黒い気がしますが、
青鹿毛の方がより黒い馬に分類されます。
黒鹿毛の代表馬はナリタブライアンやエルコンドルパサー、シンボリクリスエスなどで
青鹿毛の代表馬はサンデーサイレンスやマンハッタンカフェ、ソウルスターリングなどと言えばわかりやすいでしょうか。
黒鹿毛との違いはわずかなのですが、より黒いと判断されれば青鹿毛になります。
そんな青鹿毛の馬はこれまでグレード制導入以降25頭が挑みましたが、
最高がゴールドアクターとヒシイグアスの2着が最高でした。
サンデーサイレンス産駒には青鹿毛が比較的多かったのですが、
なぜかそうした青鹿毛の産駒は宝塚記念と縁がありませんでした。
こうした青鹿毛の馬が宝塚記念を勝てない理由としては
色々と都市伝説レベルの話もあり、
その1つに夏の暑い時期に黒い馬は熱を吸収するため疲労がたまってしまうというものがあります。
逆に芦毛や白毛は熱を反射するためこの時期に強く成績が向上するというものです。
これについて調べてみると、確かに黒鹿毛の場合夏の成績が若干下がる傾向が見えたのですが
より黒いはずの青鹿毛はそのような傾向になく、
芦毛の成績が上がるといったこともなかったため信ぴょう性は薄そうです。
いずれにせよ、そうした青鹿毛は勝てないというジンクスがある中で挑む青鹿毛の馬が、イクイノックスです。
イクイノックスは父キタサンブラックも母シャトーブランシュも鹿毛なのですが、
自身は青鹿毛に生まれました。
少なくとも母系は5代前まで青鹿毛の馬がいないため、
父キタサンブラックの祖父であるサンデーサイレンスの青鹿毛の遺伝子を継いだものと考えられます。
そんなサンデーサイレンスの血を比較的強く受け継いだと考えられるイクイノックスは
果たして宝塚記念を制して青鹿毛初の栄冠を手にすることができるのでしょうか。
そうした面からも、イクイノックスのパフォーマンスには注目が集まります。
ちなみに今年青鹿毛の出走馬は他にも、ジャスティンパレスとディープボンドがいます。
初の青鹿毛による勝利がイクイノックスではなくこの2頭のいずれかという展開も有り得そうですね。
こうした史上初の出来事というのは歴史を重ねるにつれ達成されていくものです。
例えば最近まで宝塚記念を連覇した馬はいませんでしたが、
2014年にゴールドシップが初の連覇を達成しました。
この時は前走の天皇賞(春)で大きく出遅れて7着に敗れたことから
レース前には不安の声も多く聞かれました。
しかし結果的に1番人気に支持されると、
その期待に応えるようにカレンミロティックを3馬身突き放して勝利しました。
また、同じように天皇賞(秋)も過去には3歳馬は勝てないと言われていましたが、
1996年にバブルガムフェローが勝利して以降、シンボリクリスエス、エフフォーリアと勝利を重ねています。
このようにジンクスはいずれ破られるものとして考えた方が
精神衛生的にも良いかもしれませんね。
今年の宝塚記念は6月25日、15時40分に発走予定です。
豪華なメンバーの揃ったグランプリレースを全力で楽しみたいですね。