プロミストウォリア帝王賞で初G1タイトルなるか。ダート界の遅れてきた大物と古豪との戦い

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2023年6月28日に大井競馬場で帝王賞が開催されます。

ここには、米国遠征を計画しているウシュバテソーロを除く
ダート界の現役最強クラスの馬が集結しました。

つまり、ここを勝った馬こそがウシュバテソーロと並び
現在の日本ダート界のトップになると言っても過言ではありません。

今回はそんな豪華メンバーが揃った帝王賞について
レース展望と有力馬について見ていきたいと思います。

ダート界の新星が帝王賞でG1奪取へ

今回の帝王賞で最も注目したいのが、プロミストウォリアです。

プロミストウォリアは
父マジェスティックウォリアー、母プロミストスパーク、母父フジキセキという血統の6歳牡馬です。

3歳の3月にデビューし新馬勝ちを果たしたものの
その後は走れば骨折をするという状況で、5歳となった2022年10月までで3戦しかできませんでした。

しかし5歳になり身体が成熟してきたことで
プロミストウォリアはレースを使ってもケガをしなくなります。

そして2022年10月の1勝クラスから2023年4月のアンタレスステークスまで、
重賞2勝を含む5連勝で一気にトップクラスへと駆け上がりました。

今回のメンバーの中でも最も勢いに乗っている馬と言え、
このままG1タイトルの奪取を狙います。

調教を見ても体調は万全で、どのようなレースを見せるのか期待が高まります。

初の2000mという距離や、大井のナイター競馬に適応できるかといった点は不安として残りますが、
そのポテンシャルの高さは疑いようがなく6連勝でのG1制覇も現実味を帯びています。

また、鞍上の鮫島克駿騎手にとっても初めてのG1タイトルのチャンスで、
相当気合が入っているようです。

こうしたダート界の遅れてきた大物が歴戦の猛者を飲み込むのかという点が
帝王賞の一番の見どころとなりそうです。

そして、そんなプロミストウォリアに対抗する
歴戦の猛者の筆頭がテーオーケインズです。

テーオーケインズはプロミストウォリアと同じ6歳牡馬ですが、
これまで歩んできたキャリアが違います。

すでにG1を3勝しており、前走のドバイワールドカップでも4着に健闘しています。

今回の帝王賞ではG1・4勝目を狙います。

常に好位から競馬を進めるレースセンスを持ち合わせており、
2021年から現在までで掲示板を外したのがサウジカップでの1回のみという安定性も特徴です。

実績で言えばこの中でナンバーワンであることは間違いなく、
オメガパフュームやチュウワウィザードといったダート界のトップ層がいなくなった今年、
2年前に続く帝王賞制覇の確率は高そうです。

またこのテーオーケインズに続くのがメイショウハリオです。

メイショウハリオもプロミストウォリアやテーオーケインズと同じ6歳牡馬で、
昨年の帝王賞の覇者です。

昨年末の東京大賞典でもウシュバテソーロの3着に入っており、
大井競馬のダート2000mとの相性は抜群です。

また、前々走のフェブラリーステークスで3着、前走のかしわ記念で1着と
1600mにも対応できるスピードがある点も魅力です。

今年の帝王賞は前に行く有力馬が多いので、
ペースが早くなれば、この馬が直線すべてを飲み込んでもおかしくありません。

そして大井ダート2000mとの相性で言えば、ノットゥルノも外せません。

ノットゥルノはハーツクライ産駒の4歳牡馬で、
昨年はジャパンダートダービーを制し、
年末の東京大賞典ではメイショウハリオに先着する2着に入っています。

他の競馬場で開催されたG1ではすべて掲示板を外していることから、
大井ダート2000mという舞台が最も適していることがわかります。

ここ最近は体重が大きく増えており、余裕残しだったことも大敗の理由として挙げられます。

近走の成績から人気は落とすかもしれませんが、決して侮れない一頭です。

また、同じ4歳牡馬で言えばドバイワールドカップで5着だったクラウンプライドも見逃せません。

これまでの重賞勝利はUAEダービーのみですが、
JBCクラシック、チャンピオンズカップと2着に入っています。

サウジカップ、ドバイワールドカップでも5着と実力を見せており、
今回初めてのG1タイトルを目指します。

まだ4歳と若いことから成長力にも期待ができますし、
大井の重いダートが合えば逆転しても不思議ではありません。

また、脚質的に前に行く可能性が高く、
同じく前に行きたいプロミストウォリアとの先行争いにも注目する必要があります。

他にも昨年のチャンピオンズカップを制したジュンライトボルトや
今年名古屋大賞典を制したハギノアレグリアスが中央所属馬として選出されています。

ジュンライトボルトはチャンピオンズカップを制した後は
サウジカップ、ドバイワールドカップと連戦し大敗していますが、
これは海外遠征が向かなかっただけとも言えます。

国内に戻ることで精神面が戻ればテーオーケインズやクラウンプライドなどに先着した
チャンピオンズカップの再現を果たすこともできるはずです。

またハギノアレグリアスは東海ステークスでプロミストウォリアに敗れていますが、
これは直線でカラ馬が絡んできたことによる不利が大きかった印象です。

まともであればもっと迫ることができるはずで、
こちらもノーチャンスではないはずです。

このように帝王賞に出走するメンバーはどの馬も実績十分で、
誰が勝っても不思議ではありません。

現役のダート馬の中ではウシュバテソーロ以外のトップ層が全員揃ったという印象です。

ではこれらの馬に対抗する地方馬はどうなのでしょうか。

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帝王賞に出走する地方馬は?

結論から言うと、今回参戦する地方馬は
中央馬の豪華さと比較すると実績面では見劣ってしまいます。

大将格となるのは、ライトウォーリアでしょうか。

2022年の夏まで中央競馬でオープンクラスを戦い、
その後南関東へ移籍してきた馬です。

移籍後は南関東の重賞を2勝し、東京大賞典と川崎記念でいずれも5着に入っています。

ただ東京大賞典ではノットゥルノとメイショウハリオに先着され、
川崎記念ではテーオーケインズに先着されています。

今回は更に強力な中央馬が多く、勝つまでは難しいかもしれません。

他にも中央時代に平安ステークスを制したオーヴェルニュや、
ダイオライト記念を制したアナザートゥルース、
全日本2歳優駿で2着の過去があるランリョウオーなどがいますが
今回の中央馬に対抗する存在かと言うと疑問です。

そのため基本的には中央馬7頭の争いと見て良さそうです。

勝てずともこれら7頭に割って入ることができれば、
今回の挑戦は成功だと言えるかもしれません。

それほど今回の帝王賞のメンバーには強力な中央馬たちが揃いました。

今回ここを勝利した馬は、秋にウシュバテソーロと同じくブリーダーズカップへと挑戦をすることも考えられます。

今年のブリーダーズカップは西海岸のサンタアニタパーク競馬場で行われるため、
日本馬にとっては輸送が比較的楽に済みます。

ラヴズオンリーユーやマルシュロレーヌが勝利した際も西海岸のデルマー競馬場だったことを考えれば
今年はウシュバテソーロ以外のダート馬も参戦してもおかしくありません。

そうなれば帝王賞を制した馬とウシュバテソーロによる
ブリーダーズカップ・クラシックでの頂上決戦が行われることとなり
もしそこにパンサラッサまで加わればより面白くなりそうです。

そんな期待も膨らむ帝王賞は、果たしてどの馬が勝利するのでしょうか。

今からレースが楽しみですね。

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