2023年まだ一度も騎乗がない騎手たち。一体なぜレースに騎乗できない?

今年もダービーや宝塚記念も終わり夏競馬に突入しています。
リーディング争いではルメール騎手と川田将雅騎手が競っており
そこに若手の岩田望来騎手や横山武史騎手などが割ってこられるかという展開になっています。
そんなトップジョッキーたちが順調に勝ち星を積み重ねている一方、
中には未だに騎乗が一度もない騎手もいます。
2023年も半分以上が終わった中で、なぜ彼らはレースに騎乗することができないのでしょうか。
今回はそんなまだJRA所属騎手の中で、
今年の騎乗が叶っていない騎手たちについて見ていこうと思います。
高田潤騎手
高田潤騎手は1980年11月3日生まれの42歳です。
同期には北村宏司騎手などがいます。
1999年に騎手デビューをすると、平地と障害の両方で活躍し
2006年には同一週に平地と障害のG1に両方騎乗した初めてのジョッキーとなりました。
2013年には最多勝利障害騎手としても表彰されており
競馬界の中でも目立つ存在です。
そんな高田潤騎手は、2022年12月3日の障害競走でメイショウアルトに騎乗したところ
障害着地時に落馬しケガをしてしまいました。
当初の診断は「頭部全身打撲、脳震盪」というものでしたが、
その後の診断で第二頸椎を骨折していることが判明します。
高田騎手はTwitterで
「折れた骨が大きくズレており、これ以上あとちょっとでもズレていれば命は無かった」
「手術が終わるまで頭をネジでとめて首を固定している」
と投稿しており、非常に危ないケガだったことが分かります。
こうした大怪我を負ったことで高田潤騎手は現在も復帰することができておらず
今年の騎乗がないという状況になっています。
やはり騎手はケガとの戦いなのだと思わされますね。
同様にケガによる休養となっている騎手は他にもいます。
Expand All藤井勘一郎騎手
藤井勘一郎騎手は1983年12月31日生まれの39歳です。
同い年には吉田隼人騎手やモレイラ騎手などがいます。
15歳で単身オーストラリアへ渡ると、現地の競馬学校に入学しそこで騎手となります。
そしてシンガポール、マレーシア、韓国と渡り歩き
2019年にはJRAの騎手免許試験に合格しJRA所属の騎手となります。
そんな苦労人の藤井勘一郎騎手ですが、2022年4月16日に落馬した際
第4胸椎脱臼骨折の大怪我を負ってしまいます。
そこから1年以上が経過していますが、まだ復帰することはできていません。
それでも今年の2月には10ヶ月ぶりにトレセンへと訪問しており、
気力は十分なようです。
また、リハビリの様子などもTwitter上に投稿しており
復帰に向けて一歩ずつ前へ進んでいることが分かります。
ただ6月28日にTwitter上にアップされていた画像では
まだ車椅子に座っている姿が写っており、レースに復帰するにはもう少し時間がかかりそうです。
それでもいつの日か競馬場に戻ってくる日を心待ちにしたいですね。
白浜雄造騎手
白浜雄造騎手は1979年9月25日生まれの43歳です。
同期には池添謙一騎手などがいます。
1998年にデビューすると、初年度から障害レースに騎乗しており
2年目には障害重賞を制します。
さらに2009年には障害重賞の史上最多勝利記録を更新し
その後も障害レースで活躍を続けます。
そうした中、2022年8月27日の小倉サマージャンプではマイネルプロンプトに騎乗し落馬してしまいます。
一時は意識不明の状態が続いたほどでしたが、その後退院し
現在は復帰に向けてリハビリに取り組んでいます。
こちらも復帰時期はまだ分かりませんが、
特に障害重賞で抜群の成績を残す白浜雄造騎手ですから
復帰した後に大レースを勝利する姿を見てみたいですね。
このように基本的にはケガによる休養というのが、
今年騎乗していない理由としては多いのですが、
中にはそうではなく騎乗をしていない騎手もいます。
高野和馬騎手
高野和馬騎手は1984年9月20日生まれの38歳です。
同期には川田将雅騎手や藤岡佑介騎手などがいますが、
その中でも一番早く勝利をあげました。
デビュー3年目となる2006年までは減量もあり年に100回以上の騎乗をしていましたが、
減量が外れると徐々に騎乗機会が減っていきます。
そしてフリーになると同時に障害レースへの騎乗も開始し、
2007年からは障害レースをメインに乗るようになります。
ただ、なかなかそこから結果は出ず
2020年には12年ぶりに平地で馬券圏内に入るといった状況でした。
またデビューから毎年1勝はしていたものの
2017年には未勝利に終わります。
そして2021年は平地と障害を合わせて26回の騎乗に留まり、
2022年にはついに騎乗依頼が0となりました。
この状況は現在までも続いており、2021年7月17日が最後の騎乗でしたので
そろそろ丸2年騎乗がないという状況になります。
それでも騎手免許の更新は続けているので、
本人は騎乗をしたいと考えているはずです。
大怪我をしたという情報もないため、なぜここまで騎乗がないのかは分かりませんが
なんとか騎乗を確保してほしいところですね。
大塚海渡騎手
大塚海渡騎手は2000年10月25日生まれの22歳です。
同期には岩田望来騎手や団野大成騎手などがいます。
2019年にデビューして今年で4年目を迎えますが、
今年は現在のところ騎乗することができていません。
これは主にケガなどによる影響と見られています。
大塚海渡騎手は2020年1月に落馬してしまい
脳挫傷により長期の休養に入りました。
その休養中には、所属していた木村哲也調教師から
過去にパワハラを受けたとして被害届を提出し訴訟を起こすといったこともありました。
そうした騒動もあり2021年1月21日からはフリー騎手となっています。
そして現在は復帰をして2022年7月10日にはレースでも騎乗をしています。
ただ、フリーになったことなどもあり
その後はレースには騎乗することができていません。
それでも調教には騎乗している姿は確認できており、
7月から始まるヤングジョッキーズシリーズにも登録されていることから、
再び実戦で騎乗する機会がやってきそうです。
まだ若いのでここから騎乗回数が徐々に増えていくことを期待したいところです。
JRAにおいて2023年7月時点で今年の騎乗が1度もないのはこの5名です。
3名はケガによるもので2名はそれ以外という内訳です。
騎手は馬に乗ることが仕事なので、それができないということは非常につらいはずです。
それでも諦めずに努力を続ける姿は応援したくなりますね。
特にケガをしている方たちはそのリハビリも非常にきついかと思います。
そうした困難を乗り越えて彼らが復帰する時を心待ちにしています。
再び元気に騎乗する姿を見せてくれることを期待したいですね。