芝の大物オーソリティがついにダートに挑戦!血統的にかなり期待できそう【エルムステークス2023】

最近日本でもダート競馬が盛り上がりを見せています。
賞金が上がり、競走体系も明確になってきたことで強い馬がダートに揃ってきています。
そうした中、一頭の芝で実績を積み上げてきた大物がついにダートを試すことになりました。
血統面からもかなり期待することができ、
もしうまくハマれば一気に頂点にまでいきそうです。
今回はそうしたダート界にやってくる大物について見ていきたいと思います。
オーソリティがダートへ挑戦

今回ダートを挑戦することとなったのは、オーソリティです。
オーソリティは2017年2月12日生まれの6歳牡馬で、
父オルフェーヴル、母ロザリンド、母父シンボリクリスエスという血統です。
母方の祖母はあのシーザリオで、
ロザリンドはエピファネイアの全妹にあたります。
そんな良血のオーソリティは1歳の時にシルクホースクラブで
総額4000万円、1口8万円で募集され、2019年7月にデビューしました。
そこから2連勝で年末のG1ホープフルステークスに参戦しましたが
そこではコントレイルの5着に敗れます。
続く弥生賞ディープインパクト記念でサトノフラッグの3着に敗れたものの
そこから青葉賞、アルゼンチン共和国杯と2つのG2を連勝します。
翌年のアルゼンチン共和国杯も制し連覇を達成すると、
続くジャパンカップでは三度コントレイルに敗れたものの2着に入ります。
さらに翌年の2022年には海外遠征を敢行し
G3ネオムターフカップを勝利すると、続くG1ドバイシーマクラシックでも3着に入ります。
このように芝の重賞を4勝し、
ジャパンカップでも2着に入る活躍を見せているオーソリティは
いずれG1にも手が届く馬として期待されていました。
しかし2022年の宝塚記念を競走除外となると、
その後に右第3中手骨の骨折が判明し長期休養となりました。
そこから約1年が経過し、当初は6月のエプソムカップで復帰することを目指していましたが、
状態面が上向かないことから回避し現在に至ります。
こうした競走馬としてのキャリアを築いてきた中で
次戦に挑むのが、デビュー戦以来初めてとなるダート戦です。
8月6日に開催されるG3エルムステークスへの参戦が発表されたのです。
芝での成績がおもわしくなくダートに転向する馬は多くいますが
後少しで芝のG1にも手が届くといった状況でダートを試すケースはあまり多くありません。
そうした中でなぜオーソリティはダートに挑戦することになったのでしょうか。
Expand Allオーソリティの勝算は?

オーソリティ陣営がダートへの転向を目指す理由はいくつか考えられます。
その1つが脚元の問題です。
オーソリティは昨年の宝塚記念を除外となった後、骨折が判明しました。
そしてそこから約1年が経過してようやくの復帰となります。
そのため復帰戦でいきなり堅い芝を走るよりは、
脚元の負担の少ないダートでまず走らせてみるということのようです。
これは脚元の弱い馬の場合よくあるケースで、
ダートで実戦を走ってみて、問題がないかを確認するといった目的があります。
これは少し消極的な考えではありますが、
6歳という年齢ですし、ここで再び大きなケガでもしたら引退となる可能性が高まるため
慎重に復帰させたいという陣営の考えも納得できます。
また、ポジティブな理由ももちろんあります。
その1つは血統面です。
オーソリティの父はオルフェーヴルです。
近年オルフェーヴル産駒はダートで大きな活躍を見せています。
例えばドバイワールドカップを制したウシュバテソーロや
ブリーダーズカップ・ディスタフを制したマルシュロレーヌらはオルフェーヴル産駒で
芝からダートに転向して大きな成功を手にしました。
ウシュバテソーロはデビューから22戦すべて芝を走ってきましたが
3勝クラスで頭打ちとなっていました。
しかしダートに転向すると初戦で勝利し、次戦のオープンこそ3着だったものの
そこから5連勝でG1・3勝を含むドバイワールドカップ制覇まで成し遂げました。
また、マルシュロレーヌも芝でデビューし12戦走りましたが
3勝クラスで足踏みをしていました。
そこでダートに転向すると一気に重賞戦線へと駆け上がり、
ブリーダーズカップ・ディスタフを制覇するまでになりました。
これらの事例を見れば
すでにG1戦線で勝ち負けとなっているオーソリティがダートに転向すれば
さらなる活躍が期待できます。
こうした芝の活躍馬がダートに挑戦するという最近のケースでは
皐月賞馬のジオグリフが挙げられます。
ジオグリフは皐月賞を制した後、なかなかG1で掲示板に入ることができないでいました。
そこで2月にはサウジカップでダートを試したところ4着と惜しい競馬を見せました。
このジオグリフを管理する調教師こそオーソリティと同じ木村哲也師ですので、
ダートに転向するにあたっての調教や管理方法などについては
すでにノウハウが培われているはずです。
そういった面を考えてもオーソリティのダート転向というのは
もちろん長期休養明けということもあり、叩きである可能性はありますが、
もしかするとここで大化けする可能性も考えられます。
かつてクロフネが初ダートの武蔵野ステークスで衝撃的なレースを見せたように、
オーソリティがここで覚醒する姿を見たいところですね。
では、このエルムステークスには現在どのようなライバルが出走を予定しているのでしょうか。
エルムステークスでライバルになりそうな馬たち

エルムステークスは8月に開催されるため
まだ完全には出走馬は固まっていません。
そうした中で、参戦すると見られている有力馬としては
ウィリアムバローズが挙げられます。
ウィリアムバローズは前走のマーチステークスでハヤブサナンデクンとハナ差の2着となっており
後少しで重賞に手が届くという馬です。
また、ラジオ日本賞ではウシュバテソーロに先着しており、その実力は重賞級です。
現在は9月に韓国で開催されるコリアカップと両睨みという状況のため
まだ確定ではありませんが出走してきたら手強い存在となりそうです。
他には名古屋グランプリを制したペイシャエスや、
日本テレビ盃を制したロードブレス、
前走アハルテケステークスを制したタイセイサムソンといった強敵もいます。
ダートのトップクラスは経験が必要とも言われており
こうしたダートのベテランたち相手に初戦から勝利をもぎとるというのはなかなかハードルが高いものですが、
オーソリティの覚醒に期待したいですね。
実績から言えばオーソリティが断然なはずですので、
あとはダートへの適正と、長期休み明けでどの程度実戦への勘が戻っているかとなります。
7月1日に入厩してからは状態も上がってきており、
動きも良くなっている様子を見せています。
このまま順調に調整が進めばエルムステークスで力は発揮することができるはずです。
恐らく陣営としてはまずエルムステークスを使ってから
再び芝へと戻していくことも視野に入れているかと思いますが、
もしこのエルムステークスで良い結果を出せれば、今後はダート路線も選択肢となるはずです。
もしダート路線で戦っていくことになれば、
また一頭ダート界に面白い存在が現れることとなります。
同じオルフェーヴル産駒としてウシュバテソーロに並ぶことができるのか、
エルムステークスでの走りに注目ですね。