ドンフランキーが史上最高体重で重賞を勝利!今後G1の舞台で輝けるか

大物と呼ばれる競走馬は多くいますが、
先日の競馬では文字通りの大物が現れました。
これまでの記録を大きく更新する形で重賞を制し、
今後が非常に楽しみな存在です。
今回はそんな史上最高とも言える大物について
見ていこうと思います。
文字通り史上最大の大物ドンフランキー

史上最大の大物、それはドンフランキーです。
ドンフランキーは2023年7月9日のプロキオンステークスを制しました。
そんな彼が史上最高なのは、その馬体重です。
ドンフランキーは先日、JRAの重賞を史上最高体重で勝利したのです。
この時のドンフランキーの馬体重は594キロでした。
これまでの記録は2019年にマーチステークスを制したサトノティターンの572キロでしたから
そこから一気に22キロも記録を更新したことになります。
ではこのドンフランキー、なぜここまで大きく、そして強いのでしょうか。
その血統や経歴などからその理由や今後の将来性について見ていきましょう。
ドンフランキーは父ダイワメジャー、母ウィーミスフランキー、母父サンリバーという血統の4歳牡馬です。
父のダイワメジャーは筋肉質で馬体の大きな産駒を出す傾向にあります。
例えば阪神ジュベナイルフィリーズを制したレシステンシアは牝馬にもかかわらず最高体重516キロでしたし
同じく牝馬でキーンランドカップを制したナックビーナスが534キロとなっており、
牡馬で全日本2歳優駿を制したノーヴァレンダも最高体重は549キロでした。
これはダイワメジャー自身も
デビュー時に546キロもあった巨漢だったことが関係していそうです。
特にダート適性のあるダイワメジャー産駒はより大きい傾向にあり
ノーヴァレンダだけでなく、2019年にJBCスプリントを制したブルドッグボスも
最高543キロでレースを制しています。
また、母系も大型馬を出す傾向にあります。
母のウィーミスフランキーの当時の体重は分かりませんが、
米国のダート短距離路線でG1を2勝していることからかなりのスピードとパワーを兼ね備えているはずです。
そして初仔のザウォルドルフは父ディープインパクトで馬体重が500キロを超えており
ドンフランキーの弟にあたるマンオブグリットは父ロードカナロアで、前走550キロで出走をしています。
こうした産駒実績から、大きな馬を出す母であることが分かります。
このような大きな馬を出す父と母の子のため、
ドンフランキーがこれだけ大きくなったようです。
そんなドンフランキーは2019年2月15日に生まれると
その年のセレクトセールに上場され、税抜6800万円で落札されました。
上場された当時の写真を見ると、
非常に身が詰まっており骨格が太いことが分かります。
そしてその後、順調に育成が進められたドンフランキーは
2021年6月に阪神競馬場芝1400mで開催された2歳新馬戦でデビューを迎えます。
ダイワメジャーの子は仕上がりが早い傾向にあり、
ドンフランキーもそうした特徴を引き継いだようで、2歳の早期でのデビューとなりました。
この時体重はすでに576キロとなっており、
出走メンバーの中で2番目に大きかった馬が500キロでしたから、76キロも差がありました。
その新馬戦では100キロ近く軽い478キロのタガノフィナーレの2着に敗れますが、
3戦目で芝からダートに転向すると1400mの舞台で3と2分の1馬身差をつけて快勝します。
その後1勝クラスも制したドンフランキーは、
2022年4月に再び芝路線へと戻りG3アーリントンカップへと挑戦します。
しかしここでは6番人気に支持されるも、出遅れてしまったことも影響してか
馬体重458キロのダノンスコーピオンから1秒離された12着に敗れます。
この敗戦を受けて再びダートに戻ったドンフランキーは、
一度走ると数ヶ月空けるといった形で大事に扱われながら
2023年1月には3勝クラスを制してオープン入りを果たします。
そして3月にリステッド競走のコーラルステークスこそ4着に敗れましたが
4月の京都グランドオープンを制して見事オープンクラスでも初勝利をあげました。
この時すでに馬体重は598キロにまで成長していました。
ちなみにオープンクラスの勝利は
クリーンという馬が2010年に阿蘇ステークスを612キロで制しており、史上最高記録とまではいきませんでした。
しかしクリーンは佐賀記念で3着に入ったものの、重賞を勝利することはできずに引退しています。
そのためもしこの勢いで馬体を大きく減らさずに重賞を勝利できれば
史上最高記録が生まれるのではと、このころから一部で話題になっていきました。

そうして迎えたのが、7月のプロキオンステークスでした。
ここには前走かしわ記念で2着に入ったタガノビューティーや
昨年カペラステークスを制し、前走はドバイゴールデンシャヒーンで5着だったリメイクといった強敵が揃いました。
そうした中でリメイクに続く2番人気に支持されたドンフランキーは、
スタートしてすぐ先頭に立つとそのまま逃げの手に出ます。
そしてそのまま最後の直線に向くと、迫ってきたリメイクとの叩き合いが続きます。
後続はこの2頭にどんどん離されていき、
最後はドンフランキーがリメイクをクビ差しのぎ見事勝利しました。
3着のオメガレインボーは2着のリメイクと6馬身差だったことから、
いかにこの2頭が抜けていたかが分かります。
こうして見事重賞初挑戦で勝利をあげたドンフランキーは、
馬体重594キロというこれまでの記録を大幅に更新する、史上最高体重での重賞勝利を果たしました。
これにより賞金を積み重ねることができたドンフランキーは、
今後地方の交流競走にも顔を出していくはずです。
ダイワメジャー産駒のダート馬はその圧倒的なパワーから、むしろ地方競馬で好成績を上げる傾向があります。
そのため今年の東京盃やJBCスプリントが非常に楽しみな存在です。
特にJBCスプリントを勝てば、史上最高体重でのG1級競走制覇の記録を更新します。
これまでの記録はヒシアケボノが1995年にスプリンターズステークスを制した際の560キロでしたから、
もしドンフランキーが今の体重をキープすれば、それを40キロ近く更新することになります。
まさに前人未到の大記録と言えそうです。
また、レース後に池添謙一騎手は「まだ緩さもある」と語っており、
これからさらに成長していく可能性が残されています。
実際2021年のデビュー時から今回までで20キロ近く体重を増やしています。
また、夏競馬はその暑さから体重を減らしてしまう馬も多くいます。
そうしたことを考えれば、
秋以降には600キロ台で走ってくることになるかもしれませんね。
今回リメイクとは斤量1キロの差がありましたが、ここで勝てたことは非常に大きく
ダンシングプリンスやリュウノユキナといったダート短距離路線のトップ層とも
十分戦える実力があることを示しました。
今後G1の舞台を狙える存在であることは間違いありません。
文字通りの大物が、今後G1の舞台でも輝くことができるのかに注目したいですね。