打倒リバティアイランド!3歳牝馬たちが古馬と混じり重賞タイトルを狙う【クイーンS2023】

7月30日にG3クイーンステークスが開催されます。
ここには、打倒リバティアイランドに燃える
3歳牝馬たちが多数出走してきます。
リバティアイランドは夏休みに入っていますが、
この馬たちはそれをせず、古馬相手と戦うことを選択しました。
そこで今回はそんな彼女たちを中心に
クイーンステークスの見どころについて見ていきたいと思います。
打倒リバティアイランドなるか

まず今回人気になりそうな3歳牝馬はドゥーラです。
ドゥーラは父ドゥラメンテ、母イシス、母父キングヘイローという血統で
浦河町のグランデファームの生産馬です。
デビュー戦こそ4着に敗れたものの、続く2歳未勝利、札幌2歳ステークスと連勝し
重賞タイトルを掴みます。
年末の阪神ジュベナイルフィリーズからは3戦連続で着外となりましたが、
これは出遅れや直線でなかなか出せないなどと不利があってのものでした。
今年の5月に開催されたオークスでは、リバティアイランドに1秒離されたものの
後方14番手から鋭く伸び3着に入っています。
この1秒差をいかに埋めるのかが重要となってきますが、
今から古馬のオープン馬相手と戦いレベルアップを図ろうとしています。
古馬の方がペースが早くなることや、前走の2400mから1800mに変わることで
追い込みのドゥーラにとって厳しい条件となりますが
そこを克服できるかという点で今回のレースは試金石となりそうです。
ただ、レースに挑むにあたってのメリットもあります。
それはなんといってもその斤量で、
ドゥーラは今回51キロで戦うことができます。
最も重いイズジョーノキセキが57キロですから、実に6キロもの差があります。
このように軽い斤量だと乗ることができる騎手も限られてきてしまい
乗り替わりになることが多いのですが、
ドゥーラには斎藤新騎手が継続して騎乗できる点も強みです。
さらに札幌では2歳時に重賞を制していることから
その馬場も問題ありません。
追い込み脚質で、展開に左右される点がどうかですが
秋にリバティアイランドへのリベンジを誓うにはここを落とすことはできないはずです。
また、そうしたリベンジに燃える馬としては
ライトクオンタムもいます。
ライトクオンタムの逆襲

ライトクオンタムは父ディープインパクト、母イルナントという血統で
社台ファームの生産馬です。
ディープインパクト最後の世代の一頭で、
2戦目にはG3シンザン記念を勝利しました。
最後の世代ではオーギュストロダンがイギリスとアイルランドのダービーを制しましたが
国内ではライトクオンタムが現在最も活躍しています。
この実績から桜花賞ではリバティアイランドに次ぐ2番人気に支持されましたが
直線で伸びきれず8着に敗れました。
続くオークスでは果敢に逃げたものの12番人気の17着と厳しい結果となっており、
ここからの逆転を狙います。
馬体重が軽く、デビュー時には426キロしかありませんでした。
そのため比較的力のいる札幌競馬場がどうかという点はあるものの、
シンザン記念で見せた切れ味は一級品です。
その末脚を発揮できればここでも引けは取りません。
斤量はドゥーラより1キロ重い52キロで、
鞍上は武豊騎手を予定しています。
武豊騎手は2014年に52キロであれば減量は必要ないと述べていましたが
そこから9年の時が流れた今、なかなか調整は難しいはずです。
今回の騎乗はそれでもライトクオンタムに乗りたいという気持ちが現れているものと言えそうです。
なんとかここで復活の兆しを見せ、
秋に再びリバティアイランドに真っ向勝負を挑んでほしいですね。
こうしたクイーンステークスに挑戦する3歳馬はまだいます。
その1頭がキタウイングです。
重賞2勝のキタウイングも侮れない

キタウイングは父ダノンバラード、母キタノリツメイ、母父アイルハヴアナザーという血統で
浦河町のミルファームの生産馬です。
デビュー戦こそ4着に敗れたものの、
そこから2連勝でG3新潟2歳ステークスを勝利します。
さらに阪神ジュベナイルフィリーズでは14着に敗れますが、
続くフェアリーステークスでは11番人気と低評価も、インコースを通り
最後の直線でも内ラチ沿いから鋭く伸びて優勝します。
その後の桜花賞、オークスでは2ケタ着順になるも、
重賞2勝という実績は今回出走する3歳馬の中で最多となります。
ドゥーラと同様に追い込み脚質で、内から急襲するスタイルが持ち味です。
今回あまり人気はなさそうですが、
穴をよく開ける江田照男騎手に代わり、どのようなレースを見せるのか注目したいところです。
そして今回出走する3歳馬の最後の一頭はトーセンローリエです。

父サトノクラウン、母トーセンナチュラル、母父メイショウサムソンという血統で
日高町のエスティファームの生産馬です。
デビューから2戦連続で2着となった後、
3連勝でアネモネステークスを制しました。
その勢いで桜花賞へと挑みましたが、そこでは13番人気の18着に敗れています。
この大敗でオークスには向かわず休養に入り、
今回のクイーンステークスでの復帰となります。
これまでは最長で1600mの距離しか走っていませんが、
今回は1800mとなります。
トーセンローリエはサトノクラウンの初年度産駒となりますが、
同じ父のタスティエーラは今年のダービーを制しています。
また、母父がメイショウサムソンということも考えると
この距離延長はむしろプラス材料で、札幌の馬場も合いそうです。
こちらも今回51キロで出走することができるので、
古馬と比較するとかなり有利となります。
鞍上はこれまでの横山和生騎手が51キロで乗れないこともあり
吉田隼人騎手に変更となっています。
吉田隼人騎手はソダシを乗り替わりになるなど最近は悔しい思いが続いています。
その悔しさをこのクイーンステークスで晴らしてほしいですね。
このように、今回のクイーンステークスでは4頭の3歳牝馬が古馬相手に挑みます。

いずれの馬も過去にリバティアイランドと戦っており
そして敗れています。
最も迫ったのはドゥーラのオークスですが、
それでも今のままでは逆転することはなかなか難しいかもしれません。
そのためリバティアイランドよりも早く古馬たちと戦い切磋琢磨することで
少しでもレベルアップをして、秋華賞へと臨もうとしているようです。
今回出走する古馬は、決して簡単な相手ではありません。
例えばイズジョーノキセキはG2府中牝馬ステークスを制しており、
昨年の有馬記念ではイクイノックスから0.8秒差の4着に入っています。
また、今回人気になりそうなルビーカサブランカも
過去にG3愛知杯を制し前走の函館記念では牡馬相手に2着となっています。
このあたりの古馬相手にどう戦っていくのかが、
今後の3歳牝馬たちにとって1つの指標となりそうです。
ちなみに過去10年で見てみると、なかなか3歳馬は苦戦を強いられています。
勝利をしたのは、2017年のアエロリットのみで、
それ以外は3着以内にも入っていません。
やはりこの時期に古馬と戦うというのはかなり厳しいようです。
しかしここで大敗するようであればリバティアイランドに勝つことは望めませんし、
斤量の差を考えるとこれらの古馬を強い競馬でねじ伏せるようなレースを見せてほしいと思います。