
牝馬クラシック二冠を制したスターズオンアース。
9月13日に帰厩し、いよいよ三冠目となる秋華賞に挑みます。
しかし中にはその三冠達成について不安視をする声も聞かれます。
その理由は、オークス後に骨折しぶっつけ本番でのレースだからです。
ではその骨折はどのくらい影響があるものなのでしょうか。
今回はそんなスターズオンアースの三冠獲得の可能性と
様々な人の声についてご紹介します。
骨折明けで調子はどう?
スターズオンアースはオークスに勝利した後、右前肢第1指骨の剥離骨折が発覚しました。
さらに詳しく調べたところ右だけでなく左脚も同じ箇所を剥離骨折していることが判明します。
これはオークスのレース中に故障してしまった可能性が高く、全力で走った結果だと考えられます。
これにより6月2日に美浦トレセンで骨片の摘出手術が行われ、全治3ヶ月の診断が下りました。
そこからしばらく休養をした後、徐々にトレーニングが進められ
9月13日に美浦トレセンへと帰厩しています。
丁度獣医師の見立て通り3ヶ月で帰ってきた訳ですが、
心配なのはこの骨折の影響がどこまであるかです。
もともとオークスの後は秋華賞へと直行することも考えていたはずですが、
骨折明けとなると話は別です。
順調に調整ができたのか、そして骨折の影響はないのかなどが心配になります。
実はこうした骨折の箇所による、競走能力の低下についてはJRAが過去に研究していたことがあります。
Expand All第1指骨骨折の影響はある?
JRAでは2011年に「競走馬における疾病の予後調査について」と題して
屈腱炎や骨折、鼻出血、心房細動などをおこした馬の追跡調査をおこなっています。
1998年~2008年にかけてのべ1万1336症例を追跡し、
その後の競走復帰率、平均休養期間、復帰後の獲得賞金水準、複勝率について調べています。
その中で、今回のスターズオンアースの第1指骨骨折については647頭が追跡調査を行っています。
それによると、第1指骨の骨折における競走復帰率は59%、平均休養期間は265日で
復帰後の獲得賞金水準および複勝率については有意な差は認められませんでした。
つまり、競走に復帰さえできればその後の競走成績に影響を与えないケガであることがJRAの研究により分かっています。
そのためスターズオンアースがこのままレースに復帰することができれば
問題なく実力を発揮することができるのだろうと考えられるのです。
そうしたことを考えると、スターズオンアースが骨折により競走能力が落ちるということはなさそうです。
後は状態がどこまで上向いているかということになりますが、
陣営によると、まだ重めではあるものの順調に進められているとのことで
本番までにはある程度の状態には仕上がるはずです。