菊花賞へ名乗り!古馬相手に完勝の上がり馬が最後の一冠に挑む

夏競馬も終わりに近づき、
そろそろ気になるのが菊花賞です。
例年夏の上がり馬が菊花賞で好走をする傾向にありますが、
今年は一体どのような馬がいるのでしょうか。
今回はそんな菊花賞で期待したい夏の上がり馬について見ていきたいと思います。
古馬相手のレースを完勝しオープン入り
まず見ていきたいのは、
8月19日に新潟競馬場で行われた日本海ステークスを制したドゥレッツァです。
ドゥレッツァは父ドゥラメンテ、母モアザンセイクリッドという血統の3歳牡馬で、
馬主キャロットファーム、生産ノーザンファームとなっています。
キャロットクラブでは総額4000万円、一口10万円で募集にかけられ満口となりました。
そんなドゥレッツァのデビューは2歳の9月と比較的早い方でした。
そして勝ち上がりは2戦目となる11月の2歳未勝利で、
このままいけば春のクラシック戦線も目指せるものと考えられていました。
しかし春先には爪を痛めてしまい、さらに傷が腫れてしまったため
2度も予定していたレースを回避するというトラブルが起きてしまいました。
それにより春のクラシックには縁がありませんでした。
それでも持っている能力は非常に高く、
3歳の4月に3戦目となる1勝クラスを走ると、
そこから一気の4連勝で3勝クラスの日本海ステークスまで制しました。
デビューからすべて1番人気という期待の高さに応える強さで、
特に前走の日本海ステークスでは古馬相手に横綱相撲を見せました。
走破タイムの2分11秒4は、このレースの過去15年において最速となる数字で
上がり3ハロンもメンバー中最速なのですからそれだけでレベルの高さが分かります。
鞍上の戸崎圭太騎手も勝利後に「馬に力があるのだと思います」と語っており
その強さを高く評価しました。
春のクラシックこそ出られなかったものの、
こうして3勝クラスを勝ったことで、ドゥレッツァは収得賞金額を積み重ねることができ
菊花賞にもほぼ出走できるラインになりました。
また、血統面でもドゥレッツァはかなり菊花賞に向いていると言えます。
父のドゥラメンテこそ3000mを超えるようなレースに出走していませんが、
産駒のタイトルホルダーは菊花賞と天皇賞(春)という2つの長距離G1を制しています。
また、母のモアザンセイクリッドも現役時代にニュージーランドオークスを制し、
芝3000mのオークランドカップでも3着に入っており、長距離を得意としていました。
こうした父と母を見れば、長距離の適性は高いと考えられ
菊花賞でもかなり期待できる存在だと言えます。
菊花賞の前になにかステップレースを走ることになるのかはまだ分かりませんが、
菊花賞に出走してきたら狙いたい1頭と言えそうです。
キャロットファームはこの世代にダービー馬タスティエーラを抱えていますが
新たな新星がそのタスティエーラに最大のライバルとして挑むこととなりそうです。
そしてこの日本海ステークスにはもう1頭、菊花賞を狙う馬が出走していました。
それがビキニボーイです。
先日このチャンネルでもご紹介しましたが、ビキニボーイは
父ビーチパトロール、母エヴァーアンドエバーという血統の3歳牡馬です。
2歳未勝利を制した後は頭打ちとなり、3歳の2月に地方へ転籍したものの
そこから7月に再び中央へ戻り、3勝クラスを連続で5着に入っています。
この馬の収得賞金だと菊花賞に出走できるか微妙なところのため
もう一度3勝クラスを走って賞金を積むか、
トライアルレースを走り、優先出走権を得ることが重要となります。
前走の日本海ステークスでは1枠ながら4コーナーではかなり外に出しており
そのロスがなければドゥレッツァにもう少し詰め寄れたはずです。
芝適性が高いことは間違いなく、古馬相手の3勝クラスでも勝負になっていることから
決してあなどれない存在です。
父ビーチパトロールの初年度産駒として、
待望のグレードレース勝利はこの馬になるかもしれません。
そしてこの日本海ステークス組以外でも
この夏、期待ができそうなレースを見せた馬がいます。
長距離の鬼が菊花賞出走なるか
長距離適性が抜群に高いと注目を集める上がり馬、それがサヴォーナです。
サヴォーナは父キズナ、母テイケイラピッドという血統で、
2020年のセレクトセールで税抜1500万円で落札されています。
デビュー3戦目となる2歳の11月に初勝利をあげると、
3歳の1月には芝2000mの京成杯に出走をするも、そこでは4着に敗れます。
そしてこのレースの後からは徹底して長距離を使われるようになり
2400mのレースを4戦し1勝2着2回と安定した成績を残します。
前々走の青葉賞ではスキルヴィングの6着に敗れダービーへの出走は叶いませんでしたが、
そこから休養を挟み夏に成長した姿を見せました。
7月に福島芝2600mで開催された信夫山特別に出走すると、
スタートはやや遅かったものの先頭に立ち、そのまま後続に並ばれることなく3馬身差をつけて快勝しました。
元々長距離適性を買われて2400mを使ってきましたが、そこから更に距離を伸ばしたことで
パフォーマンスがぐっと向上しました。
これまでは後方からの競馬をするケースが多かったのですが、
逃げたことでその能力をいかんなく発揮できたことも大きかったかもしれません。
こうした長距離適性の高さはこの世代の中でもトップクラスと言え、
菊花賞の3000mではどれほどの走りを見せてくれるのかとワクワクさせてくれる存在です。
ただ、この馬も現状では賞金的に出走ができるか微妙なところなので
もう一戦どこかを使ってくるはずです。
この長距離適性はかなり魅力的なため、
なんとか菊花賞への出走にこぎつけてほしいところですね。
2歳G1・3着馬の逆転なるか
最後にご紹介するのは、キングズレインです。
キングズレインは父ルーラーシップ、母タッチングスピーチという血統の3歳牡馬です。
デビュー2戦目で初勝利をあげると、続く百日草特別も制し
年末にはホープフルステークスに出走します。
そこでは6番人気だったものの、後方から鋭い脚を見せ3着に入りました。
この結果から翌年のクラシックも期待されていましたが、
3月の毎日杯で1番人気の12着と大敗したことで休養に入ります。
この毎日杯は熱発明けということもあり、体調が万全ではなかったようです。
そして復帰初戦となった6月の町田特別では単勝1.3倍の人気に応え
見事勝利を収めました。
この勝利が6月のため夏の上がり馬かというと微妙なところですが
2歳G1で3着に入った馬が、ようやく調子を立て直し秋に向かうこととなりました。
次走は菊花賞トライアルであるセントライト記念を予定しており、
同じくそこに出走する予定となっている皐月賞馬ソールオリエンス相手に
どのような競馬を見せることができるのか注目です。
このように、今年も期待できそうな上がり馬が出てきました。
今年の菊花賞は皐月賞、ダービーの上位組が勢ぞろいしそうですが、
そんな強敵相手にどのような競馬を見せることができるのか注目したいですね。