マカヒキが種牡馬として大人気!もっと早く引退でも良かった説が浮上

昨年引退し種牡馬入りをしたマカヒキ。
その種付け頭数が公表されたのですが、
かなり人気で、これであればもっと早く引退しても良かったのではないかと言われています。
今回はそんなマカヒキの種牡馬としての人気ぶりや
どのような馬と種付けをしたのかといったことについて見ていきたいと思います。
ダービーを買ってもなかなか引退ができなかったマカヒキ

マカヒキは現役時代の2016年にダービーを制しました。
しかし続くフランスのニエル賞を制した後はなかなか勝利をあげることができず、
2021年10月にG2京都大賞典を勝利するまで、5年と28日もかかりました。
これはG1レースを勝利した競走馬の史上最長間隔の勝利記録で、
その後も9歳となった2022年まで現役を続けました。
一般的にダービーを勝ったような馬は5歳までに引退するケースがほとんどです。
例えばマカヒキの前年にダービーを制したドゥラメンテはケガもあり4歳で引退しましたし、
翌年のレイデオロも5歳で引退をしています。
そのため9歳まで現役を続けたダービー馬というのはかなり特殊でした。
このようになかなか現役を引退しなかったのは、
引退しても種牡馬として人気が集まらないからだと見られていました。
なぜならダービー、そしてニエル賞を制してからは長くスランプに陥り
最終的にはダービー以外にG1を制することができなかったからです。
ダービーは勝ったものの、古馬になってからは活躍できなかった
成長力のない馬というイメージができてしまったのです。
また、マカヒキは父がディープインパクトというのも災いしました。
ディープインパクト産駒の種牡馬は日本に非常に多く存在しており、
その中で激しい争いが起きています。
そうした中で、マカヒキの競走成績はダービーを勝っているとは言え
少し見劣りするものでした。
また母系を見ても母のウィキウィキは500万下止まりで
母父もフレンチデピュティと、素晴らしい良血という訳でもありません。
そのようなことから、種牡馬となっても仕方がないと見られていたのです。
実際、引退した後もかつて祖父サンデーサイレンスや父ディープインパクトといった馬がいた
日本一の種牡馬繋養施設である社台スタリオンステーションには入らず、
レックススタッドへと繋養されることとなりました。
しかし2022年に引退をして初の種付けシーズンを迎えた今年、
かなりの人気となっていたようなのです。
それを公に伝えたテレビ番組によると、
その種付け頭数は104頭とのことです。
これはレックススタッドにおける2022年度の種付け頭数と比較してみると、
スクリーンヒーローの74頭、スマートファルコンの85頭を超え、
トップとなる数字になります。
まだ2023年におけるレックススタッド全体の種付け頭数は公表されておらず
今年頭数を伸ばした馬がいるかもしれないことや、
オメガパフュームがスタッドインしてすぐに満口になっていることから
本当にトップかは分かりませんが、
レックススタッドの中でもトップクラスの種付け頭数を集めていることは間違いなさそうです。
ではどうしてこのように当初の予想に反して人気になったのでしょうか。
Expand Allなぜマカヒキは種牡馬として人気になった?

まず1つめの理由は、その種付け料の安さです。
マカヒキの初年度における種付け料は、受胎条件で50万円となっています。
ダービー馬でこの価格は格安と言えるものです。
例えばドゥラメンテは初年度400万円、レイデオロは600万円に設定されていました。
またダービー後勝利がなかった馬で見るとロジャーバローズが初年度120万円、
アグネスフライトが初年度200万円と設定されており、それらと比較するとかなりお得だと言えそうです。
ただ、この50万円という価格だけがこれだけの頭数を集めた理由ではありません。
なぜなら、同じ様にダービーを勝った馬の中では
ロジユニヴァースやワンアンドオンリーといった馬も初年度から50万円に設定されていましたが
ロジユニヴァースは初年度57頭、ワンアンドオンリーは初年度20頭にとどまっていたからです。
それらと比較するとマカヒキの104頭はかなり頑張っていると考えられます。
そうした理由としては、弥生賞やニエル賞、そして京都大賞典といった海外を含むG2を3勝していることが挙げられそうです。
また皐月賞でも2着に入っており、決してダービーがフロックではなかったということが
生産者にも伝わっていたようです。
そして2歳から活躍し9歳まで走り続けられたというのも評価することができます。
マカヒキは2歳の10月に新馬戦を勝利し、そのまま若駒ステークス、弥生賞を3連勝しました。
さらに海外遠征をしても勝利を挙げられる精神面の強さも備えています。
そうした早期から活躍ができ、さらに長く走り続けられるタフさというのは
馬主にとってかなり良い条件が揃っています。
ほとんどの馬は、成長しても重賞を勝つまでは至らないため、
馬主としては長く安定して活躍してくれる馬の方が良いというケースもあります。
そのような需要にマカヒキはマッチしており、
それを悟った生産者の方々がマカヒキと自前の繁殖牝馬を種付けしたものと考えられるのです。
他にも調べてみると金子真人オーナーのバックアップもあったようです。
金子真人オーナーは過去にディープインパクトやキングカメハメハなどを所有していた大物馬主で、
現在でもソダシが父、母、母父、母母までがオーナーの所有馬という
ゲームのようなことをされている方です。
そんなオーナーはかつて牝馬三冠を制したアパパネにマカヒキを種付けしました。
アパパネはこれまで7頭の子を出していますが、
すべてディープインパクトもしくはブラックタイドとの子でした。
そして2番仔のジナンボーが重賞で2度2着となり、
3番仔のラインベックがリステッド競走を勝利し
4番仔のアカイトリノムスメが秋華賞を制する活躍を見せています。
そのような名競走馬であり名繁殖牝馬であるアパパネを
マカヒキの相手として用意したというのはかなり大きな出来事です。
そしておそらく他にもオーナーの馬をマカヒキの相手として用意しているはずで、
これによりマカヒキが初年度から活躍馬を出せる可能性は高まりました。
こうした種付け料の安さやマカヒキ自身の特性、そしてオーナーのバックアップにより
マカヒキは初年度から多くの繁殖牝馬を集めることができました。
これであればもっと早くに引退をして種牡馬入りをしても良かったのではとも思ってしまいますが
9歳まで元気に走ったからこその人気とも言えます。
そのため、ぜひマカヒキにはこの期待に応えてもらい
重賞戦線で活躍するような産駒を競馬場へと送り込んでほしいですね。
早ければマカヒキの初年度産駒は、2026年に見られるはずです。
父のように頂点に立つ馬が出てくるのか注目したいところです。
ディープインパクト系種牡馬の争いは過酷ではありますが、
現在完全に抜け出した馬というのは見当たりません。
今のところキズナが一歩リードし、
そこにコントレイルがどこまで活躍馬を出して追いつけるかといったところですが
もしかするとそこに割って入るのがマカヒキかもしれませんね。