オナーコードが米国から日本に導入される。血統と種牡馬実績からかなり期待ができそう

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ダート競馬が盛り上がりを見せる中、
新たなダート向きの種牡馬が海外からやってきました。

しかもその種牡馬は既に米国でGⅠ馬を複数輩出しており
即戦力となる可能性がかなり高い馬となっています。

今回はそんな新種牡馬オナーコードについて
経歴は期待したい理由を見ていこうと思います。

米国で種牡馬実績を積み重ねてきたオナーコード

新種牡馬オナーコードが導入される

今回日本への輸入が決まったのはオナーコードという馬で、
彼は2011年生まれの米国産馬です。

父はエーピーインディ、母はセリーナズキャット、母父がストームキャットという血統です。

現役だった2015年にはホイットニーステークスとメトロポリタンハンデキャップという
2つのGⅠを制しており、ブリーダーズカップ・クラシックでも3着に入っています。

そしてこの年の最優秀古牡馬にも選出されており、
まさに米国を代表する競走馬として活躍しました。

その後2016年に種牡馬入りをすると、
早速ジョッキークラブゴールドカップ招待を制したマックスプレイヤーや
サンタアニタダービーを制したオナーエーピー、CCAオークスを制したマラクジャといったGⅠ馬を輩出します。

このように米国で成功している同馬を日本に導入するのは大変だったでしょうが、
優駿スタリオンステーションが交渉の末、購入をすることができたようです。

これは産駒のオナーエーピーがオナーコードのいたレーンズエンドファームで種牡馬入りをしたことも影響していそうで、
タイミングが良かったことで得たチャンスとも言えます。

種付け価格はどの程度になるか未定ですが、
米国では2022年に2万ドル(約280万円)だったため、おそらく200万円か300万円となるはずです。

2023年の優駿スタリオンステーションにおける種付け料で見てみると
トップがシルバーステートの600万円、2番目がヘニーヒューズの500万円、
3番目がホッコータルマエの300万円ですので、このホッコータルマエに並ぶか4番目くらいになるかといったところでしょうか。

優駿スタリオンステーションはここ最近ダート系種牡馬に力を入れている印象で、
ヘニーヒューズやホッコータルマエといった人気種牡馬の他に、
2023年から繋養された新種牡馬だけでもチュウワウィザード、インティ、
アルクトス、ケイティブレイブといったダートのJPNⅠ馬がいます。

ここに更に米国のダートで実績を挙げているオナーコードの導入ですから、
いかにダートに注力しているかがわかります。

ではこのオナーコード、日本に導入されてどの程度人気が出てきそうなのでしょうか。

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オナーコードは日本で成功する?

オナーコードは日本で成功する?

まず、血統面から見ていきましょう。

オナーコードの父はエーピーインディです。

エーピーインディは現役時代にブリーダーズカップ・クラシックなどを制し年度代表馬となった後
種牡馬としても大成功を収めました。

2003年と2006年に米国のリーディングサイアーにも輝いており、
多くの後継種牡馬も残しています。

このエーピーインディ系は日本との相性も良いことで知られており、
シニスターミニスターや、パイロ、マジェスティックウォリアー、カジノドライヴといった馬が
日本で種牡馬として成功しています。

特にシニスターミニスターとパイロは現在地方競馬のリーディング上位常連で、
今年も8月末終了時点でシニスターミニスターが1位、パイロが3位、マジェスティックウォリアーが7位となっています。

このように地方のダートとエーピーインディ系種牡馬は非常に相性が良く、
来年からダート三冠が開催され、更に盛り上がりを見せる地方競馬においては非常に期待ができます。

またシニスターミニスターはアロースタッド、パイロはダーレー、
マジェスティックウォリアーはイーストスタッドということもあり
優駿スタリオンステーションとしてもエーピーインディ系の優秀な種牡馬を導入したいという気持ちがあったのでしょう。

シニスターミニスターやパイロはエーピーインディの孫ですが、
オナーコードはエーピーインディの子です。

そのためよりエーピーインディの影響が強いはずで、
その点も生産者が魅力を感じるところかもしれません。

また、母父がストームキャットというのも魅力です。

ストームキャットはディープインパクト系種牡馬との相性が良いことで知られています。

例えばキズナやリアルスティール、ラヴズオンリーユー、
エイシンヒカリ、ダノンキングリー、サトノアラジンなどはすべて
父ディープインパクト、母父ストームキャットという血統で、ニックス配合と言われています。

オナーコードにはサンデーサイレンスの血も入っておらず、
現在急増しているディープインパクト系の父を持つ繁殖牝馬とも種付けをしやすいというメリットがあります。

さらに牝系も非常に優秀で、3代母のセレナーズソングは
現役時代にGⅠを11勝した歴史的名牝で、その産駒からもGⅠ馬が出ています。

こうした点から、比較的良血の繁殖牝馬が集まってくるものと考えられ、
米国での実績からも失敗が少ない種牡馬と考えられます。

このように見てみると、購買額は分かりませんが
現在まだ12歳で、後8年ほどは種牡馬を続けるとして
種付け料200万円で毎年100頭集まれば、16億円は稼ぐことができます。

そう考えるとオナーコードを導入できたのはかなり良い選択だったのではないでしょうか。

ではなぜ米国はこの競走成績、血統面、そして繁殖実績も良い種牡馬を手放すことにしたのでしょうか。

なぜオナーコードは日本にやってきた?

なぜオナーコードは日本にやってきた?

オナーコードがこれほど優秀な馬にも関わらず、なぜ米国は手放したのでしょうか。

あくまで推測でしかありませんが、
その1つは、産駒から大物は出るものの走らない馬も多く出すということです。

確かにオナーコードはこれまで3頭のGⅠ馬を輩出してきました。

しかし重賞級の馬の数は全体で見ると少なく、
それによりサイアーランキングも低迷していました。

2022年の米国サイアーランキングでは43位となっています。

生産規模やレース体系も違うため一概には比較できませんが、
日本のサイアーランキング43位というと、ノヴェリストがそれに当たります。

何頭かの活躍馬は出すものの、大成功とまでは言えないというポジションは
共通するところがあります。

また、先程少しご紹介しましたが息子のオナーエーピーが種牡馬入りしたことや、
同じ牧場にエーピーインディ系の歴史的名馬であるフライトラインが繋養されたこともあり、
牧場内では絶対に手放せない存在とは言えなくなったことも大きいと考えられます。

さらに輩出したGⅠ馬3頭もGⅠを1勝しただけで引退しており、
何勝もするようなチャンピオン級の馬は出てきていません。

ただそれでも良血で実績のある種牡馬であることは変わりませんし、
日本でも活躍馬を出してくれる可能性は高いはずです。

そのため来年の種付けシーズンにはかなり人気を集めてくると考えられます。

今後ダート戦線のリーディングを争う存在になれるか注目したいですね。

こうしてダート三冠の開催や地方競馬の盛り上がりに伴い
ダート系種牡馬の競争もますます激しくなっていきそうです。

果たしてかつてのサンデーサイレンスやディープインパクトのように
ダートの覇者となるような種牡馬が出てくるのでしょうか。

それはもしかするとオナーコードなのかもしれません。

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