リバティアイランドに危機?あまりに太りすぎ問題が発生。馬体重増で秋華賞は大丈夫?

桜花賞、オークスと制し牝馬三冠を目指すリバティアイランドは、
9月12日に放牧先から栗東へ帰厩しました。
今後は10月15日に開催される秋華賞への調整がここで行われることになります。
それまでの間はノーザンファームしがらきで調整していたのですが
1つ問題が発生しました。
それが彼女の馬体重がかなり立派なものとなっていることです。
これで後1ヶ月もない秋華賞に間に合うのか心配になってきそうです。
今回はそんなリバティアイランドの体重増について見ていきたいと思います。
オークスの後、急増しているリバティアイランドの馬体重
リバティアイランドは5月21日のオークスを勝利すると
5日後の5月26日にはノーザンファームしがらきへと放牧に出ました。
このノーザンファームしがらきは、ノーザンファームの外厩施設として知られており
栗東トレーニングセンターから車で35分ほどの近い距離にあります。
そのため栗東に所属するノーザンファーム系の馬の多くはレースが終わると
この施設でトレーニングを積み、次のレースへと調整されていきます。
かつてはジェンティルドンナなどの名馬がいたり
最近では今年の鳴尾記念を制したボッケリーニなど多くの馬が
ノーザンファームしがらきで鍛錬を積んできました。
そんな施設にリバティアイランドがオークス後に移動すると
当初は疲れを癒やすためにウォーキングマシンでの運動でしたが
そこからトレッドミル、そして騎乗しての運動と順調に進んでいきます。
そしてその後9月12日に帰厩したのですが、
問題なのはその馬体重です。
オークスでリバティアイランドの馬体重は466キロでした。
デビュー時が464キロですから、
そこからほぼ変わらない馬体重で推移してきました。
しかし夏を越したリバティアイランドは、
調整を進めていってもその馬体重をどんどん増やしていきます。
そしてなんと帰厩前の9月上旬には522キロにまで増えたのです。
その差は実に56キロにも及びます。
3歳の夏を休養に充てている馬の場合大きく成長することはありますが、
それにしても牝馬で56キロもの馬体増となると少し心配になりますね。
陣営としてはこれは成長分であり問題ないとしていますが、
もし本当に成長しただけであれば、
秋には以前よりも更に進化したリバティアイランドを見ることができるかもしれません。
しかし本当にこれだけの馬体重増は問題がないのでしょうか。
振り返って見ると過去には同様に夏に急成長をして、
その後G1戦線で大活躍をした馬も多くいます。
リバティアイランドのような馬体重増で活躍した馬
例えばマンハッタンカフェです。
マンハッタンカフェは3歳の春に弥生賞に挑戦したものの
アグネスタキオンの4着に敗れてしまい春のクラシックに出走することができませんでした。
そして4月のアザレア賞で11着になった後で放牧となり、
8月に帰ってくると大きく成長していました。
8月4日の富良野特別に出走したマンハッタンカフェはなんと前走のアザレア賞からプラス46キロとなる
502キロで出走をしたのです。
さらにマンハッタンカフェはその馬体重でそのまま富良野特別を優勝し、
続く阿寒湖特別でも勝利したのです。
また、その後の活躍は多くの方がご存知の通りで
秋には菊花賞を制し、年末には有馬記念、翌年には天皇賞(春)を制しG1を3勝する大活躍を見せました。
ちなみに有馬記念での馬体重は510キロで、
富良野特別の時よりも馬体重を増やしています。
ということは、やはり500キロ近くにまで増えたのは決して調整不足だった訳ではなく
マンハッタンカフェにとって適性体重だったのだと言えます。
そして休養前は重賞で4着、500万下で11着という成績だったことを考えると
成長したことにより、馬の走りも大きく変わったと考えられます。
同じようにリバティアイランドのことを考えると、
もしかするとオークス前までの走りから、
さらに大きく成長した姿が秋華賞では見られるのかもしれません。
とはいえ、マンハッタンカフェとは異なる状況もあります。
実はマンハッタンカフェのデビュー時の馬体重は498キロありました。
この時は少し余裕残しの馬体ではありましたが、
弥生賞の時には前走からマイナス20キロ、続くアザレア賞ではさらにマイナス16キロと
走るごとに大幅に馬体を減らしていたのです。
そのため富良野特別でのプラス46キロというのは、
いわば減っていた馬体が戻ったものとも言えます。
一方でリバティアイランドについては、デビュー時からほとんど馬体重は変わっておらず
そこにいきなりプラス56キロですから、単に成長とだけでは説明がつかなさそうです。
実際にノーザンファームしがらきでの調教を見ると、
最後は坂路をハロン15秒ほどで走っているようですが、まだ臨戦態勢という状況ではありません。
つまり勝負は帰厩してからの残り1ヶ月となり、
この1ヶ月でどれだけ調教を積み、走れる馬体にしていくかというのが重要となりそうです。
そのため秋華賞前の追い切りでどれだけの動きを見せるのかが
馬券での取捨選択でも大事なポイントになります。
今年の3歳牝馬の中では実績がかなり抜けている存在ではあるため
多少重めでも勝つことはできるかもしれませんが、
あまりにも重苦しい場合には注意が必要そうです。
ただ、こうした世代トップの馬が秋華賞で大きく馬体重を増やして出走するというのは
これが初めてな訳ではありません。
今回のリバティアイランドに一番状況が似ている馬としてはデアリングタクトが挙げられます。
デアリングタクトもリバティアイランドと似ていた
デアリングタクトはデビュー時に464キロで、
その後2戦目のエルフィンステークスから4戦目のオークスまで
馬体重はすべて466キロと安定していました。
しかし、その後休養に入るとぐんぐんと成長していき
直行となった秋華賞ではプラス14キロと大きく増加していました。
そのためこれで大丈夫なのかと一部では心配の声もあがっていましたが、
結果を見ればマジックキャッスルに1と4分の1馬身差をつけて快勝しました。
オークスまでは馬体重がほぼ変わらず、秋華賞で大きく増やすというのは
おそらくリバティアイランドとほぼ同じ流れです。
こうしたことを考えれば、リバティアイランドがどの位まで増やしてくるか次第ではありますが
秋華賞も問題はないのかもしれませんね。
ちなみにデアリングタクトは秋華賞の後まだ勝ち星はありませんが、
ジャパンカップや宝塚記念で3着になるなど牡馬相手にも互角に走っています。
また、ジェンティルドンナも秋華賞への直行ではありませんでしたが
オークスで休養に入った後の復帰戦として選んだローズステークスではプラス12キロで出走し
さらに秋華賞ではそこからプラス2キロとなっていました。
それでも問題なく勝利し牝馬三冠を手に入れており、
こうした歴史に残るクラスの馬であれば、2ケタの馬体重増でも気にならないのかもしれませんね。
リバティアイランドも秋華賞の後は、牡馬のトップクラスと戦っていくことになるでしょうから、
そこも含めて秋華賞でどのような走りをするのか注目したいところですね。