ノーザンファーム今年の生産馬が全頭判明!2023年産はエピファネイアやキタサンブラックなどの産駒が多い

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先日胆振軽種牡馬農業組合が今年の生産者名簿を発行しました。

そしてそれを見てみると、ノーザンファームの今年生産した馬が全頭分掲載されていました。

今年ノーザンファームはどのような馬を生産したかが分かれば
現在どのような種牡馬に力を入れているのか、
そして3年後のクラシックではどの馬が活躍しそうなのかといったことがある程度見えてきます。

そこで今回は、この生産者名簿をもとに
ノーザンファームが生産した馬の傾向や特徴について見ていきたいと思います。

今年ノーザンファームで最も多い父となったのは?

まずは今年のノーザンファームの状況について見てみましょう。

今年ノーザンファームで生まれた馬は全部で647頭です。

昨年が625頭でしたので、そこから22頭増えている計算になります。

日本の競走馬の年間生産頭数は昨年で7782頭ですから、
全体の8%ほどがノーザンファームの生産となります。

1つの牧場でそれだけのシェアを占めているのはさすがですね。

しかもそのどれもが一流の血統馬なのですから、
毎年G1馬が出現するのも当然かもしれません。

そではその647頭のうち、どの種牡馬の子が最も多かったのでしょうか。

今年最も多かったのはエピファネイアで、46頭の産駒がいます。

具体的に見てみると、短距離女王グランアレグリアとの子や
有馬記念や宝塚記念などを制したクロノジェネシスとリスグラシュー、
ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフなどを制したラヴズオンリーユー
牝馬二冠馬ミッキークイーンなど
ノーザンファームの抱える繁殖牝馬の中でもトップクラスの競走成績を持つ馬たちとの子がいます。

他にも繁殖実績のある馬でいくと、
重賞馬を複数出しているレッドファンタジアとの子や
朝日杯フューチュリティステークスを制したサリオスの母であるサロニカ、
エフフォーリアを出したケイティーズハート、
リアルスティールやラヴズオンリーユーを出したラヴズオンリーミーの子などがいます。

まさに豪華絢爛といった繁殖牝馬たちと種付けをしていることから
どれだけノーザンファームがエピファネイアに期待しているかが分かります。

これは2021年にエフフォーリアやデアリングタクトが大活躍をしたことを受けて
2022年に有力牝馬を優先的に種付けをした結果と言えそうです。

ただ、ご存知のようにそこからエフフォーリアは2022年以降一度も勝てずに引退し、
デアリングタクトも善戦はするものの勝利がありません。

今年のクラシック戦線でも目立った馬はおらず、苦戦している印象です。

それでもこの2023年生まれの世代がこれだけ豪華なことを考えれば
3年後一気に逆襲をしてくるかもしれませんね。

そしてこのエピファネイアに続くのが、
ドレフォンとサートゥルナーリアの2頭です。

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ノーザンファームではドレフォンとサートゥルナーリアの子も多い

いずれも37頭の産駒が生まれています。

ドレフォンは初年度産駒であるジオグリフが2021年に札幌2歳ステークスを制しました。

また、他にも産駒が2歳時からかなり活躍していたので、
2022年の種付けシーズンに多くの有力牝馬と種付けをしたものと考えられます。

有望そうな馬を見てみると、ジオグリフの全弟となるアロマティコとの子や
自身が秋華賞を勝利し、子も3頭が重賞をしていたブラックエンブレムとの子などがいます。

ドレフォンはサンデーサイレンスの血が入っていないため、
ノーザンファームの抱えるサンデーサイレンス系の繁殖牝馬と種付けしやすいというメリットがあります。

そのためこうして頭数が増えたのだと言えそうです。

そして少し驚きなのはサートゥルナーリアの方です。

サートゥルナーリアはエピファネイアの弟で、その競走成績や血統面から大きな注目を集めてきましたが
まだ産駒が一頭もデビューしていません。

そうした馬は期待はしていても、
初年度産駒となる1つ上の世代がデビューするまでは様子見とすることがよくあります。

しかし全体の中でドレフォンと並ぶ2番目に多い産駒が生まれているというのは、
ノーザンファームがいかにサートゥルナーリアに期待しているのかが分かります。

種付けをしている相手を見ても、ブリーダーズカップ・フィリー&メアスプリントを制しているファイネストシティや
フィリーズレビューを制したアイムユアーズなど有力馬が多くいます。

また、見ていて特徴的だと感じたのは、特に短距離で活躍した繁殖牝馬とつけていることです。

これはサートゥルナーリアの父がロードカナロアということもあり、
産駒には比較的短距離向きの馬を期待しているということなのかもしれません。

ノーザンファームが実質的に運営しているサンデーサラブレッドクラブおよび馬主のサンデーレーシングは
JRAのG1完全制覇まで、残すところ高松宮記念のみとなっています。

そのためここで短距離馬を多く輩出して、この悲願を達成したいという気持ちなのかとも受け取れます。

そしてこのドレフォンとサートゥルナーリアに続くのがキズナとキタサンブラックです。

いずれも30頭の子が生まれています。

キズナとキタサンブラックも産駒が多い

キズナは現在のところディープインパクトの後継種牡馬として最も結果を出していますが、
ソングラインやアカイイトなどG1を勝利した馬は牝馬ばかりです。

そろそろキズナの後継となる種牡馬候補も出てきてほしいところで、
そうした意味でもここで多くの馬と種付けをしているのかもしれません。

また、同じく30頭のキタサンブラックは初年度の種付け頭数は130頭でしたが
2年目に110頭、3年目に90頭と徐々に減少していました。

しかし2021年に産駒がデビューするとイクイノックスらの活躍により
2022年には102頭、2023年には178頭と種付けをしています。

今回生まれた馬たちは2022年に種付けをしている馬ですから
102頭と種付けをした時の子です。

この年は最終的に72頭が生まれており、
その中の30頭がノーザンファーム産ということになります。

今やサンデーサイレンスの血をつなぐのはこのキタサンブラックだと言われているほどの活躍を産駒が見せていますが、
この2023年生まれの馬たちの中にも期待馬が多くいます。

一番の期待はイクイノックスの全妹にあたるシャトーブランシュとの子でしょう。

彼女が3年後、牝馬クラシックを席巻していたとしても何の不思議もありません。

また、海外のG1を制した馬やG1馬を出した母との子など
かなり良血の繁殖牝馬の子と種付けをしている印象です。

これはやはりイクイノックスの2歳時の走りを見て、
キタサンブラックの子は走るという手応えをノーザンファームが掴んだということでしょう。

こうして種付けをする繁殖牝馬の質が高くなっていくことで
より活躍馬を出す確率が上がっています。

3年後、4年後には今よりもキタサンブラックの勢力が増していくこととなりそうです。

このように、上位の種牡馬たちはいずれもノーザンファームからかなり期待をされている馬たちだと言えます。

他にも20頭以上が生まれた種牡馬としては
モーリス、レイデオロ、コントレイル、ロードカナロア、サトノダイヤモンド、クリソベリル、リアルスティールがいます。

当然ではありますが、いずれも社台スタリオンステーションに繋養されている種牡馬ですね。

種付けをしても生まれてこなかったというケースがあるため一概には言えませんが、
こうした上位の種牡馬たちをノーザンファームは今後推していきたいのだということが傾向として分かります。

特に注目はサートゥルナーリアとキタサンブラックでしょうか。

これから3年後、どの父の子がノーザンファームの代表としてクラシックへと挑むのでしょうか。

今から想像するだけでワクワクしますね。

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