JRA育成馬ってなんだ?JRAが自ら競走馬を生産・育成する意義とは

JRA育成馬とは

あなたはJRAが競走馬を自ら生産し、育成していることをご存知ですか?

JRAは中央競馬の主催者です。

その主催者が自ら馬を育てるというのは一体なぜなのでしょうか。
今回はそんなJRAが生産、育成をしている育成馬の仕組みや理由、
そしてそこから出た活躍馬などをご紹介したいと想います。

JRA育成馬とは

JRAが生産、育成した馬のことをJRA育成馬と言います。

このJRA育成馬とは、主にJRAが全国のサラブレッド1歳馬市場で購入し、
JRAの施設で育成された馬たちのことを指します。

これらは2002年までは抽せん馬と呼ばれていました。

これはJRAが育成した馬を、希望する抽選により販売していたことからでした。

現在は総務省が馬主が均等に馬を購入することができるようにと勧告したことから、
抽選ではなくJRA主催のトレーニングセールなどで販売されるようになっています。

また、2009年からはJRAが北海道の日高育成牧場で生産も行っており
生産から育成までを一環しておこなう体制まで作っています。

購買する馬は主に全国のセリに上場していた馬で、2022年には九州一歳市場でケイムホームの子を、
八戸市場ではシュヴァルグラン産駒や、宮城県産馬でバゴの子などを購買しています。

他にもセレクションセールやサマーセールなどでも購買し、半年から1年ほど育成して馬主へと販売しています。

このように競馬を主催しているJRAが、自ら生産牧場や育成牧場のライバルとなるような行為をしているのには
いくつかの理由があります。

JRA育成馬の意義

JRAが自ら生産・育成に乗り込んでいるのは、強い馬づくりに向けた研究に取り組むためです。

JRAが世界中の最新研究などをもとに、研究目的で生産そして育成をすることで
日本競馬のレベルをアップしていくことが目的です。

JRAは自ら生産し、育成した後にトレーニングセールで売却をした馬たちについて
その後の競走成績や故障状況などを見て育成方法の検証を行っています。

さらに海外の競馬関連施設や団体に職員を派遣ことで、そこでのノウハウを吸収し
日本に還元するということもおこなっています。

そしてそのノウハウが溜まってきたら、講習会を開催したり『JRA育成牧場管理指針』という冊子にまとめて配布をしているのです。

中小の生産牧場は体力がないため、最新の生産ノウハウや育成ノウハウを収集したり
実験的に試してみたりすることはあまりできません。

そうした実験や研究をJRAがすることで、日本の中小牧場の底上げを行っているのです。

実際生産、育成している馬の多くは高額になるような血統の馬ではなく
そうした血統の馬でも活躍できるような育成手段の確立に尽力しています。

そうした公開されている冊子では写真が豊富に使用されており、それぞれの方法について非常に詳しく記述されています。

さらに最近ではQRコードもついていて、そこにアクセスをすると動画で確認することができるようになっています。

このような活動によって、日本競馬の生産や育成現場は支えられているのです。

JRA育成馬はどう売られる?

JRAは現在北海道の日高町と宮崎県の宮崎市街地に育成牧場を持っています。

日高町では購買した約50頭と、そこで生産されたJRAホームブレッドと呼ばれる馬たちを育成しています。

非常に広い土地で、イギリスのニューマーケット、フランスのシャンティイ等に匹敵する施設や調教技術を誇ります。

また、宮崎では1歳8月まで日高で過ごしたJRAホームブレッドと、約20頭強のJRA育成馬を育成しています。

ちなみに宮崎の育成牧場は、過去に宮崎競馬場があった場所です。

ここからダービーをはじめ世界の舞台で活躍できる馬を輩出するということを目標に日々育成をしているそうです。

そして育成された馬が2歳の春を迎えるとJRAブリーズアップセールというセリが開催され、そこで馬主たちへと売却されていきます。

2022年には70頭が上場し、全頭が売却されるという盛況ぶりでした。

最高売却額は牡馬が3410万円で、牝馬が3520万円、平均売却価格は牡馬が1104.7万円、牝馬が1120.2万円という価格帯になっています。

日本で最も高額馬が取引されるセレクトセールの平均価格が2022年で5797万円ということを考えると
比較的手頃な価格帯の馬が揃っていることが分かります。

ただ、ここに上場される馬はJRAにより順調に育成が進んだ馬たちです。
そのため早期デビューをすることが多く、8月終了時点ですでに6頭が中央競馬で勝利をしています。

小倉2歳ステークスで3着となったシルフィードレーヴなどもブリーズアップ出身馬です。

このようにJRAが育成したという安心感と、比較的手頃な価格帯、さらに早期からデビューできるという点から
JRAブリーズアップセールは馬主の間でもかなりの人気となっています。

ちなみにこのブリーズアップセールで取引されなかった馬がいた場合には
JRAコンソレーションセールというセリが開催されることがあります。

2022年はブリーズアップセールですべてが売却されたため、コンソレーションセールは中止となっています。

こうしたJRAの育成ノウハウが詰まった育成馬の中には、これまで名馬が何頭も誕生しています。

JRA育成馬から出た名馬

JRA育成馬でブリーズアップセール出身の馬の代表格は、近年で言うと2008年に落札されたセイウンワンダーです。

セイウンワンダーは2007年にセレクションセールに上場し、JRAが800万円で落札しました。

その後JRA日高育成牧場で育成されると、2008年4月のJRAブリーズアップセールに上場されます。

そこでの調教供覧において、1ハロンを出場馬中2番目のタイムで走破したことから注目を集めました。

そして当時のセール最高価格を更新する2600万円で馬主の大谷氏が落札しました。

ちなみに馬名のセイウンワンダーは、父のグラスワンダー、母のセイウンワンダーから名付けられており
母親の競走馬時代の馬主でセイウンの冠名としても知られる西山茂行氏はとは関係がありません。

そんなセイウンワンダーは落札されて2ヶ月後の新馬戦でデビューし2戦目で勝ち上がります。
さらに9月の新潟2歳ステークスで重賞を勝利すると、12月の朝日杯フューチュリティステークスも勝ちG1馬の仲間入りを果たしました。

こうした活躍から引退後はJRA日高育成牧場へと戻り、馬事文化振興の普及場として働いています。

他にもフィリーズレビューなどを勝利したダイワパッションや、最近では京阪杯を勝利したエイティーンガール、
熊本県産馬として発のJRA重賞勝利や、九州産馬として初のG1での掲示板確保などの偉業を成し遂げた
ヨカヨカなどがブリーズアップセール出身馬となっています。

さらに抽選馬制度の時には1960年にオークスや有馬記念を制したスターロツチや、
2001年に阪神ジュベナイルフィリーズを制したタムロチェリーなどが出ています。

また、重賞こそ勝っていませんが中央競馬で5勝をしたタニノシスターは、繁殖牝馬となった後
牝馬ながら日本ダービーを制したウオッカを輩出しています。

このようにJRAの育成により超良血馬でないにも関わらず活躍馬を次々と出していることは、
最新のノウハウをしっかりと育成に活かしていることの証明にもなっています。

今後さらなる活躍馬を出し、そこで得たノウハウを他の生産牧場へと還元していってもらいたいところですね。

あなたはこうしたJRA育成馬についてどう思いますか?
ぜひ意見や感想をコメント欄にお寄せください。
最後までご視聴頂きありがとうございました。
またあなたとお会いできることを楽しみにしていますね。
 

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