ママコチャが川田将雅騎手に乗り替わり!スプリンターズステークスで必勝体制に【スプリンターズS2023】

その血統ゆえに多くの競馬ファンから人気を集めています。
そんな彼女が今週、ついにG1スプリンターズステークスに挑戦することとなりました。
しかもその鞍上には、現在リーディングジョッキーをひた走る川田将雅騎手を予定しています。
このコンビは今回が初めてとなります。
では一体なぜママコチャは今回乗り替わりとなったのでしょうか。
その理由と、スプリンターズステークスでの期待度について見ていきたいと思います。
重賞でも好勝負をしているママコチャ

まずはママコチャのこれまでの経歴について簡単に見ていきましょう。
ママコチャは父クロフネ、母ブチコ、母父キングカメハメハという血統の4歳牝馬です。
冒頭でもご紹介しましたが、姉には桜花賞などを制したソダシがいます。
祖母のシラユキヒメから続く白毛馬一族なのですが、
ママコチャは白毛ではなく鹿毛となっています。
そんなママコチャはオルフェーヴルやサトノダイヤモンドなどを管理していた
名門池江泰寿厩舎に所属しています。
2歳となった2021年6月に阪神芝1400mでデビューをしますが、そこでは8着に敗れます。
しかし3戦目となった2歳未勝利戦において、同じ舞台で初勝利を収めます。
そして4戦目には1勝クラスではなくG3ファンタジーステークスへと進み、
先日引退を発表したウォーターナビレラの3着に健闘します。
さらに続く翌年2月のリステッド競走エルフィンステークスでも2着に入っており
世代の一線級とでも戦えることを示しました。
ただ、収得賞金が足らず3歳の牝馬クラシックには出走することができず、
条件戦へと回ります。
すると2022年6月の1勝クラスから9月の3勝クラスまで一気に3連勝を飾り、
オープン入りを飾ります。
降級制度がなくなってから比較的連勝する馬も多くなってはいますが、
こうして1勝クラスから一気にオープンまで駆け上がるところを見ると、
やはりトップクラスの実力を持っていることが分かります。
そしてオープン入り後は2戦して5着9着と敗れますが、
2023年5月にはリステッド競走の安土城ステークスを制し、
オープンクラスに入ってからの初勝利をあげます。
ここまでのママコチャの戦績で特徴的なのは、
すべて芝の1400mもしくは1600mを使ってきていることです。
これは陣営がママコチャをマイル前後の適正がある馬だと思っての使い方だったのでしょう。
しかし安土城ステークスで勝利した後の8月には
初めて芝1200mでの戦いとなるG3北九州記念に出走します。
初のスプリント戦ではありましたが、
前走勝利の勢いも評価されてここでは1番人気に支持されます。
レースではスタートするといつもより速いスピードに戸惑ったのか、
少し後ろの6番手付近で道中を進みます。
それでも最後の直線ではするどく伸びていき、
最後は逃げるジャスパークローネに2分の1馬身差まで詰め寄っての2着となりました。
初めての1200mということで対応に苦労していた面も見られましたが
それでもいきなり2着に入ったことは、ママコチャにとって可能性を広げるレースでした。
そして陣営はこの結果を受けて、ママコチャをG1スプリンターズに出走させることを決めたのです。
しかもその鞍上には、リーディングジョッキーである川田将雅騎手を迎えることとなりました。
Expand Allママコチャに川田騎手が乗る理由

ママコチャはたしかに競馬ファンに人気があり、
常に注目を集める存在です。
しかしまだ重賞を勝利したことはありません。
その状態でのG1挑戦ですから、普通に考えれば苦戦が予想されます。
そうした状況でなぜ川田将雅騎手が騎乗することとなったのでしょうか。
川田騎手は、アクシデントを防ぐためなるべく騎乗機会を減らしており、
勝つ可能性がある馬に乗ることが多くなっています。
そのため8月の複勝率は6割を超えており、
乗れば上位に絡んでくるという状況となっています。
そのようなジョッキーが乗るということは、
ママコチャにはある程度の勝算があると考えられます。
1つはやはり短距離の適正です。
前走の北九州記念は初の1200mでしたが2着と悪くない成績でした。
次はスプリント戦のスピードにも慣れるはずですから、
さらに良い競馬ができるはずです。
本来の先行策を取ることができれば、面白いことになりそうです。
前走でママコチャに勝利したジャスパークローネは
現在重賞を連勝中と今回のスプリンターズステークスのメンバーの中でも特に勢いに乗る一頭です。
その馬と今回は前回より0.5キロ斤量が縮まるということもあり
逆転は可能だと陣営は考えているものと思われます。
同じ父クロフネの牝馬で言えば、過去にスリープレスナイトが
芝1200m2戦目に北九州記念を走り、その次のスプリンターズステークスを制しました。
スリープレスナイトは北九州記念も制していたのでその点は少し異なりますが、
状況はある程度似ていると言えます。
そうしたママコチャのポテンシャルに期待した陣営が川田騎手に依頼したところ
快諾してくれたのでしょう。
ちょうど今回のスプリンターズステークスには川田騎手のお手馬が出ていないということも幸運でした。
名手が確実に乗るであろう馬がいなかったということは、
陣営にとってこの上ないチャンスだったのだと言えそうです。
また、もともと騎乗していた鮫島克駿騎手もトウシンマカオに騎乗する予定でした。
そのためママコチャの鞍上を新たに探さなければいけない状況だったという理由もあります。
結局トウシンマカオは熱発により回避することになりましたので
鮫島克駿騎手にとっては災難でしたが、
リーディングジョッキーの腕により、ママコチャがどのような競馬を見せるのか楽しみですね。
確かにママコチャは実績では見劣りしますが、陣営が川田騎手に託したこと
そして川田騎手がそれを受けたことを考えれば勝つチャンスはあるはずです。
川田騎手は過去にスプリンターズステークスに9回騎乗し
1勝2着2回、3着1回という成績を残しています。
その複勝率は44%にのぼり、
2010年のダッシャーゴーゴーによる2着から4着への降着も含めれば更にその率は上がります。
短距離の川田騎手ほど怖い存在はなく、
注目をしておくことに越したことはなさそうです。
スプリンターズステークスでの強力なライバル

今回のスプリンターズステークスでの強力なライバルとしては
ナムラクレアやアグリなどがいます。
特にナムラクレアは春の高松宮記念を2着に入っており、
前走のキーンランドカップでは外から一気の末脚を見せ快勝しています。
今回6度目のG1挑戦となりますが、状態はピークとも言え
最大のライバルとなってきそうです。
またアグリも前走のセントウルステークスでは
前残りの馬場で伏兵テイエムスパーダに敗れはしましたが、
休み明け初戦としては悪くないレースでした。
本番のスプリンターズステークスに向けてこちらも状態を上げてきており、
侮れない一頭です。
さらに同じシラユキヒメ一族のメイケイエールも
ここ最近は連続で2ケタ着順としていますが、重賞6勝の実績があり
いつ復活してもおかしくはありません。
他にも復活を誓うピクシーナイトや、前走ママコチャに勝利したジャスパークローネなど
G1にふさわしメンバーが揃いました。
果たしてこの強力なメンバーの中でママコチャはどう戦っていくのでしょうか。
今から楽しみになってきますね。