
あなたはアポロサラブレッドクラブという馬主をご存知ですか?
「アポロ」を冠名とした馬主で、これまで多くの馬を所有してきました。
しかしそんなアポロサラブレッドクラブが解散し所有馬を手放すこととなったようです。
今回はそんなアポロサラブレッドクラブ解散が発覚した理由から、
これまでの所有馬たち、このクラブの母体、
そして解散して売却される馬たちまでを見ていこうと思います。
アポロサラブレッドクラブが解散することをひっそりと発表

まず、アポロサラブレッドクラブが解散することを公にしたのは
楽天競馬で開催されているサラブレッドオークションでのことです。
ここは現役の競走馬などをオークション形式で売買する場所なのですが、
2022年9月16日に開催された同オークションで、アポロサラブレッドクラブの馬が突如4頭出品されました。
そしてその商品ページに記載されている「本馬について」という欄で次のような記載があったのです。
「アポロサラブレッドクラブは、解散を見据え、全ての所有馬を手放す事となった事から、
今回のオークションに上場する運びとなりました。
新オーナーを楽しませてくれる活躍を祈念しております。」
このことから、アポロサラブレッドクラブが解散をするということが判明したのです。
ではこのアポロサラブレッドクラブとはどのような馬主だったのでしょうか。
過去の名馬と、運営母体についてご紹介していきます。
Expand All種牡馬として活躍したアポロキングダム

まずはアポロサラブレッドクラブが所有していた名馬たちについて見ていきましょう。
アポロの冠がついた馬の中で一番有名なのが、このアポロキングダムかもしれません。
正確にはこの馬はアポロサラブレッドクラブではなく、
以前アポロサラブレッドクラブの代表だった菅原太陽氏の名義となっています。
競走成績は11戦2勝で500万下を勝っただけなのですが、
レモンドロップキッド産駒という血統背景から種牡馬入りをします。
すると初年度に種付けをして生まれた11頭の中から
2013年の中山大障害や2014年の中山グランドジャンプなどを制したアポロマーベリックが出てきます。
アポロマーベリックは残念ながら6歳で競走中に予後不良となってしまいましたが、
少ない産駒からこうした活躍馬を出したことでアポロキングダムは一躍注目の的となりました。
現在も中央競馬で103頭が出走し40頭が勝ち上がるなど、
比較的高い勝ち上がり率をみせています。
現役馬ではアポロビビがオープンのジャニュアリーステークスを勝利しており、
今後重賞を勝てるかに注目が集まります。
ダービー3着馬アポロソニック

アポロサラブレッドクラブではもう一頭種牡馬入りをした馬がいます。
それがアポロソニックです。
アポロソニックは2013年の日本ダービーでキズナ、エピファネイアに続く3着となりました。
その後はケガにより復帰することができず、2016年シーズンから種牡馬入りをしました。
アポロソニックの父は米国でクラシック二冠を制したビッグブラウンで、
その血統的背景からも期待されていました。
ただ、種牡馬としてはほとんど繁殖牝馬を集めることができず
もっとも多い年で12頭の種付けにとどまりました。
こうした状況から2021年に用途変更となり現在は北海道の乗馬クラブに繋養されています。
それでも2022年にはスーパーバンタムが牝馬ながら金沢競馬の三冠を制しており、種牡馬としての力を見せました。
このスーパーバンタムは母親もアポロサラブレッドクラブの馬で、
将来は繁殖入りをし、このクラブの血を残していくことと考えられます。
G1を制したアポロケンタッキー

アポロサラブレッドクラブで一番活躍した馬は、このアポロケンタッキーでしょう。
4歳でオープン入りを果たすと11月の、みやこステークスで初重賞制覇を果たします。
さらに年末の東京大賞典は5番人気ながらアウォーディーなどG1馬6頭をくだしG1初勝利を成し遂げました。
これがアポロサラブレッドクラブにとって初めての平地でのG1勝利となりました。
その後ドバイワールドカップにも出走するなどダートの一線級で活躍をし
2020年から種牡馬入りをしました。
しかし2022年6月に盲腸破裂により10歳の若さで亡くなっています。
このように、アポロサラブレッドクラブは何頭もの活躍馬を所有しており、
その多くが海外から購入してきた馬、もしくは自馬の子供たちでした。
ではそんなアポロサラブレッドクラブはどのようなところがやっているのでしょうか。
そして解散した後、馬たちはどうなるのでしょうか。
アポロサラブレッドクラブの母体は?

アポロサラブレッドクラブはクラブと言いますが、一口馬主クラブではありません。
母体は東京、神奈川、千葉、埼玉といった首都圏を中心に墓地の開発や墓石の販売を手掛けている「五稜グループ」です。
昭和57年に創業された株式会社五稜計画から始まっており、
今では146以上の寺院と提携し、12,600基以上の販売実績がある会社です。
東京都目黒区に本社があり、解散するとのことで今は分かりませんが、
過去にはそこのビルにアポロサラブレッドクラブの事務所がありました。
そんな五稜グループを母体にしていたアポロサラブレッドクラブは
確認できる限りでは2003年から馬主としてのキャリアをスタートさせています。
以前は「株式会社五稜ファーム」や「株式会社五稜墓苑開発」といった法人名義でも
競走馬を購入していたことがありました。
また、以前は公式ホームページも開設しており所属馬の近況などを伝えていました。
残念ながら昨年に閉鎖されてしまっていたのですが、今考えればこの時から解散に向けて動いていたのかもしれません。
そんなアポロサラブレッドクラブが解散することとなった理由は明確にはされていません。
ただ、グループの方針として競馬事業は辞めていくこととしたようです。
では、現在所有している馬たちはどうなってしまうのでしょうか。
続々と手放していく所有馬たち

現在所有していた馬たちを順次手放しており、
9月16日に開催されたサラブレッドオークションでも、4頭が出品されました。
その中でも特に3歳馬のアポロリヤムは中央競馬で勝ち、1勝クラスでも2回2着になるなど
今後の活躍が見込まれる馬でした。
そのためこのオークションとしてはかなり高額の部類に入る、税込998万8,000円で落札されました。
その他のアポロルタは607万2,000円、アポロファントムが206万8,000円、
そしてアポロミラクルが440万円で落札されています。
このオークション前まででアポロサラブレッドクラブ名義の中央現役馬は12頭いますから残る8頭となります。
今後これらの馬たちもオークションに出るのか、それとも個人間で取引されるのかは分かりませんが
解散するということなのでいずれすべてを手放すこととなりそうです。
さきほどご紹介したアポロビビなどは重賞にも手が届きそうな位置にまできているので、
もし売却するとなるとかなりの高額取引となりそうです。
ちなみに所有馬12頭のうち5頭がアポロキングダム産駒、1頭がアポロソニック産駒で
残りのうちの4頭も母親がアポロジャスミン、アポロノカンザシとなっており、
自馬を大切にしているようでした。
こうした自馬を大切にする馬主が解散してしまうのは残念ですが、
その決断は尊重したいところですね。
アポロの名前は血統の中に入り続ける

こうした名物馬主の解散は悲しいですが、冠名がついていることで血統表の中にいればその痕跡を発見することができます。
今後恐らく牝系にはアポロの血も残るはずですから、
もしかすると10年、20年後のチャンピオン級の馬の中にその名前を見つけることができるかもしれませんね。
あなたはこうしたアポロサラブレッドクラブの解散についてどう思いますか?
ぜひ意見や感想をコメント欄にお寄せください。
最後までご視聴頂きありがとうございました。
またあなたとお会いできることを楽しみにしていますね。