ディープインパクトの後継種牡馬はダノンバラード!?その大逆転劇がすごい

ダノンバラードがディープインパクトの後継種牡馬?

ディープインパクトは種牡馬としても大成功し、多くの後継種牡馬を残しました。

しかしまだ決定的な後継種牡馬は出ておらず、競争が激化しています。

そうした中、実は一番期待ができるのはダノンバラードなのではないかと言われています。

競走成績だけを見ると、コントレイルキズナなどと比べて大きく劣るダノンバラードが
なぜ後継種牡馬の本命と見られているのでしょうか。

今回はそんなダノンバラードの繁殖成績や、大逆転馬生について見ていきたいと思います。

海外に都落ちも日本へ復帰

ダノンバラードは、現役時代にG1を勝利していません。

ラジオNIKKEI杯とAJCCの重賞2勝に留まり、
G1ではオルフェーヴルが勝利した皐月賞の3着や宝塚記念の2着が最高でした。

血統面などの評価から種牡馬入りはしたものの
多くのディープインパクト系種牡馬がいる日本では、あまり需要を見込めませんでした。

実際に初年度の2015年こそ41頭を種付けをし25頭が生まれたものの、翌年は12頭に留まっています。

このことからダノンバラードは2016年8月にトルコの馬主に購買され、イタリアへと移動しました。

この時トルコの情勢が不安定だったため、安定するまで待つ予定だったのです。

そのような理由でイタリアで1年過ごしたダノンバラードは、2017年に61頭と種付けをし
ディープインパクトの血を世界が欲しがっていることを証明しました。

その後結局トルコへは行かなくなり、ダノンバラードは最終的にイギリスのバッツフォードスタッドへと移動することになります。

これによりダノンバラードは、ディープインパクト産駒として初めてのイギリスで繋養される種牡馬という記録を作っています。

こうしてイギリスで種牡馬生活を送ることとなったダノンバラードですが、
2018年に入り、日本に残して来た初年度産駒がデビューすると続々と活躍しだします。

まずナイママが同じく5月31日に2着に2.2秒差をつけて圧勝すると
ウィンターフェルが6月28日に門別の栄冠賞で13番人気で2着になります。

さらに7月1日にはガイセンが中央競馬の新馬戦で6番人気ながら1着となります。

こうした2歳夏からかなりの活躍を見せたことにより、ナイママを所有しているビッグレッドファームが動きました。

当時のオーナーに対して、日本への買い戻しを申し入れたのです。

実はビッグレッドファームは、2017年の頃からダノンバラード産駒のデキが良いと感じ、買い戻しのオファーを出していました。

先代の岡田繁幸総帥が、ダノンバラード産駒
ディープインパクトの直仔のようなバネを感じていたことが、購入のきっかけだったそうです。

しかしちょうどその頃ヨーロッパでディープインパクト産駒であるサクソンウォリアーがG1を制するなどの活躍を見せていたため
かなりふっかけられてしまい購入を断念していました。

それでも諦めなかったビッグレードファームが2018年になり、再度オファーをかけてようやく契約となったようです。

7月に契約をしたのは、イギリスの種付けシーズンが終わったことと、これ以上産駒が活躍すると再びふっかけられてしまうと考えたからでしょう。

この判断は正しく、8月にはナイママが地方所属ながら中央競馬のコスモス賞を制し、
後に先程のウィンターフェルもジャパンダートダービー4着や東京ダービー3着となり
さらには同じく初年度産駒のロードブレスが日本テレビ盃を制すといった活躍を見せました。

こうした経緯によりビッグレッドファームで繋養されることとなったダノンバラードは
2019年に108頭に種付けをし、66頭が血統登録をしています。

そして買い戻しされたダノンバラードの、改めての産駒となる馬たちが今の2歳世代となるのですが早速活躍馬が出だしています。

2歳世代が早速重賞を勝つ

 

仕切り直しとなる2歳世代では、8月28日にキタウイングが新潟2歳ステークスを勝利し重賞制覇を成し遂げました。

次走は阪神ジュヴェナイルフィリーズを予定していますので、もしかするとダノンバラード産駒初のG1制覇を成し遂げるかもしれませんね。

また世代全体でみても、2022年10月16日の競馬終了時点で
血統登録された66頭のうち28頭が中央競馬に出走し6頭が勝ち上がっています。

この6頭の勝ち上がりは、全体の中では15位です出走頭数が30頭未満の種牡馬としてはもっとも多い数となっています。

また、2歳世代のリーディングで見ると現在エピファネイアルーラーシップハーツクライに次ぐ4位となっています。

つまりディープインパクト産駒の種牡馬の中では最も良い順位をキープしているのです。

次のディープインパクト産駒の種牡馬は10位のシルバーステート、11位のキズナですから、ダノンバラードがディープインパクトの後継種牡馬としていかに優れているかが分かります。

特にCPIとAEIを見ればその優秀さが分かります。

CPIとは種付けをした繁殖牝馬の質を示す指標で、数値が高ければ繁殖実績のある牝馬と多く種付けをしていることになります。

そしてAEIは、1頭あたりの収得賞金額を示すもので、一定以上の産駒がいる種牡馬でこれが高いと活躍馬が多く出ているということが分かります。

まず同じディープインパクト産駒のCPIを見てみると、
シルバーステートのCPIは1.00、キズナのCPIは1.59となっています。

一方ダノンバラードのCPIは0.79となっており、繁殖牝馬の質という面で見るとダノンバラードが劣っていることが分かります。

しかしAEIで見てみると、シルバーステートの2020年産は1.59、キズナの2020年産は1.35、
そしてダノンバラードの2020年産は2.21ともっとも優秀な数値を出しています。

これはキタウイングが重賞を勝ったからという面もありますが、ダノンバラードの種牡馬としての可能性を十分感じさせる数値と言えます。

そうした中で馬主にとって嬉しいのが、ダノンバラード産駒の価格がまだ安いことです。

2022年で見ても、もっとも高額だったのはサマーセールに上場されたトップジョーンズの2021の1210万円です。

他は200万円台や300万円台の馬も複数おり、現在の活躍を考えると非常に安価で落札されています。

来年以降は、ダノンバラード産駒の活躍がよりはっきりすると価格が上がる可能性もありますが、
現状コストパフォーマンスの面で非常に優れている種牡馬と言えそうです。

また、血統面で言えば母のレディバラードはダート重賞を2勝しており
母父のアンブライドルドがパワーを産駒に伝えていると考えられます。

さらに3代母は世界的名牝バラッドで、その産駒からはタイキシャトルの父であるデヴィルズバッグやセイントバラッドが出ており
それらの姉であるグローリアスソングからはラーチ、シングスピール、グランドオペラといった種牡馬で成功している馬が多数出ています。

こうした種牡馬として成功する牝系を持つダノンバラードだからこそ、ディープインパクトの後継種牡馬として大逆転を見せることとなっているのかもしれません。

それでは今後のダノンバラードは本当にディープインパクトの後継種牡馬としてその血を広げていくのでしょうか。

実はいくつかの懸念点もあります。

ダノンバラードの懸念点と今後

優秀な産駒を出すダノンバラードですが、懸念点もあります。

それは受胎率の低さです。

ダノンバラードは2019年こそ108頭と種付けをして66頭が血統登録をしていますが、
2020年は104頭と種付けをして、わずか34頭しか血統登録をされていません。

つまり種付けをしても、そこから繁殖牝馬が受胎し子どもが産まれるのが3割程度という状況です。

これと比較してシルバーステートは2020年に165頭と種付けをし106頭が生まれ、104頭が血統登録をしておりその割合は63%となっています。

また同じビッグレッドファームで繋養されているゴールドシップは
2020年に種付けした馬は95頭中73頭が生まれ、71頭が血統登録をしています。

つまりその割合は74%となっており、ダノンバラードと大きく差がついています。

このように種付けをしても受胎しない種牡馬であると、今後生産者の中でもダノンバラードを敬遠するケースが増えていきそうな点が懸念材料となります。

実際2022年の種付け頭数は71頭にまで減少しており、活躍馬を出しているにも関わらず厳しい状況となりつつあります。

それでも今後さらに重賞、G1を勝つ馬が現れれば、受胎率が低くても種付けをしたいという生産者の方は現れるでしょうから産駒の活躍に期待したいところです。

また、先程ご紹介したセリでの落札価格の低さも懸念点です。

受胎率が悪いのに、ようやく生まれた産駒が高く売れないのであればこれもやはり生産者の方は敬遠したくなります。

この辺りをどう乗り越えていくのかとなりますが、恐らく来年以降は産駒実績を残してきた高い質の繁殖牝馬が多くなるはずですので
そこで少数精鋭ながら良い馬を出していくというのが一番素直に考えた時にとる道でしょう。

産駒が生まれれば活躍する可能性は高いため、なんとかこうした方法で一定以上の繁殖牝馬を集め、その血を次の世代へとつないでほしいところですね。

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