グレーターロンドンがディープインパクト後継に名乗り!初年度産駒の活躍がすごい

グレーターロンドンがディープインパクトの後継に

ディープインパクトの後継種牡馬争いが激しくなっている中、ある種牡馬の勢いがすごいと話題になっています。

その種牡馬はグレーターロンドンです。

競走成績では地味な彼の産駒が、今、どんどん活躍を見せています。

今回はそんな、ディープインパクトの後継の本命になるかもしれないグレーターロンドンについて見ていきたいと思います。

年々種付け頭数が減っていたグレーターロンドン

グレーターロンドンは、2019年に種牡馬入りをし2022年に産駒がデビューしたばかりの新種牡馬です。

父ディープインパクト、母ロンドンブリッジ、母父ドクターデヴィアスという血統で2012年に生まれました。

オークスを勝ったダイワエルシエーロや、アーリントンカップを勝ったビッグプラネットらの弟にあたり
甥にキセキがいる良血です。

生まれの同期にはドゥラメンテキタサンブラックらがいますが、グレーターロンドンはクラシックとは縁がありませんでした。

グレーターロンドンは3歳の2月にデビューし2戦目となる4月の山吹賞で2着になると、
そこで爪を痛めてしまい半年間の休養に入りました。

しかし10月に復帰すると500万下からオープンの東風ステークスまで5連勝を果たします。

そしてそのままの勢いで2017年6月の安田記念に挑み4着と健闘します。

そこからは勝ち星をあげることができませんでしたが、約1年後となる2018年7月の中京記念で久しぶりの勝利そして初重賞制覇を成し遂げます。

ただ、ケガによりこのレースが最後の競走となり、グレーターロンドンは引退して種牡馬となりました。

生涯成績は15戦7勝、内重賞1勝と種牡馬としては寂しい成績となりました。

しかし良血であることや、出生条件80万円、受胎条件50万円という
ディープインパクト系種牡馬としては安い種付料から、初年度は65頭の繁殖牝馬を集めました。

それでも2年目の2020年は48頭、3年目の2021年は43頭、2022年は33頭と年々減少してしまっており、厳しい状況に追い込まれていきます。

そうした中、2022年に産駒がデビューすると流れが大きく変わっていきました。

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初年度産駒が大活躍

グレーターロンドンの初年度産駒で血統登録がされているのは、44頭います。

そしてその中ですでに30頭がデビューしています。

まだ2歳の11月ということを考えると、68%のデビュー率というのはかなり高いと言えます。

また、その中ですでに12頭が勝ち上がっており、その勝ち上がり率は40%となっています。

特に中央競馬では15頭がデビューして8頭が勝っており、その勝ち上がり率は53%となります。

このペースでいけばデビューした馬の6割以上が勝つ可能性があり、
これはディープインパクト産駒の勝ち上がり率と同等のレベルに当たります。

さらに特筆すべきは、すでに産駒のロンドンプランがG3小倉2歳ステークスを勝利しており
トップクラスのレースでも結果を出していることです。

単に勝ち上がり率が高いだけでなく、重賞を勝つ馬を出すという点で非常に今後が楽しみな種牡馬と言えそうです。

現在ファーストシーズンサイアーで見ても7位に位置しており、
出走頭数が30頭未満の種牡馬に絞ると1位となっています。

そして産駒一頭あたりの収得賞金額から導き出されるアーニングインデックスは1.63で、
ファーストシーズンサイアートップ20の種牡馬の中で1位となっています。

この1.63という数字は非常に優秀で、ファーストシーズンサイアートップ20の中で1.5を超えているのは
グレーターロンドン以外には1位のマインドユアビスケッツと2位のリアルスティールのみです。

さらに今年のリーディングサイアーの上位で見るとモーリスが1.60で、それとほぼ同等の水準にあります。

ただ、決してグレーターロンドンと種付けをした繁殖牝馬の質が高かった訳ではありません。

グレーターロンドンと配合した繁殖牝馬の質を示すCPIという指標では、1が平均のところ0.69と平均を大きく下回っています。

マインドユアビスケッツのCPIが1.31、リアルスティールが1.36、そしてモーリスが1.92ということを考えると
いかにグレーターロンドンが繁殖牝馬の質が低い中で頑張っているかが分かります。

先程ご紹介したロンドンプランも兄弟はハーツクライやステイゴールドなどを父に持つも2勝クラスが最高で、活躍馬は出ていませんでした。

つまり今回の初年度産駒の活躍により繁殖牝馬の質が上がれば、さらなる活躍馬を出すことが期待できるのです。

以前、ダノンバラードが同じようにCPIが低いながらもアーニングインデックスが高いとご紹介したことがありましたが
グレーターロンドンはそれを上回っています。

ダノンバラードのCPIは0.74で、アーニングインデックスは2022年度で0.96となっています。

そう考えるとグレーターロンドンのCPI0.69、アーニングインデックス1.63という数値がいかにすごいかが分かります。

残念なのは重賞を勝ったロンドンプランが骨折により長期休養に入ってしまったことでしょうか。

現状まだ2勝以上した馬が他にいないため、トップクラスで戦える馬が他に出てくるかどうかが
来年以降どれだけ種付け頭数が増えるかを左右しそうです。

では、来年以降の種付け頭数はどれくらいになっていくのでしょうか。

来年の種付け頭数はどれくらいになる?

基準となるのは、シルバーステートです。

シルバーステートもディープインパクト産駒の種牡馬で、
現役時代はケガに泣かされて1600万下条件を勝利するのみに留まりました。

そして社台スタリオンステーションではなく、優駿スタリオンステーションで繋養されています。

それでも初年度から191頭と種付けをし、その後は種付け頭数を138頭まで減らしていましたが
2021年デビューの初年度産駒が活躍したことから2022年は200頭と増やしました。

現在のグレーターロンドンの初年度産駒の活躍はシルバーステート以上で、
同じディープインパクト産駒であり、血統面でも大きく負けていません。

さらには種付料もシルバーステートが600万円ということを考えると、
2023年はシルバーステート以上に人気となる可能性があります。

2022年は33頭だった種付け頭数ですが、初年度の65頭を超えることは間違いなく
100頭、200頭以上になっても不思議ではありません。

懸念点としては、産駒の落札価格が低いことでしょうか。

現在グレーターロンドン産駒で最も高く落札されたのは、北海道サマーセールでの1155万円です。

この馬は後にロードプレイヤーと名付けられ、新馬戦を勝利して2戦目の百日草特別で2着となりました。

すでに2歳馬ながら1115万円を稼いでおり、馬主としては非常にお得だったのですが
生産者としては高額で落札されないのであれば種付けを躊躇することとなります。

シルバーステート産駒は最高額がなんと2億8600万円となっており、
こうした高額馬が現れるかが、種付け頭数を増やすキーポイントとなりそうです。

とはいえ、産駒が今の勢いのまま活躍していけばグレーターロンドン産駒を欲しい馬主も増えていくため価格は高騰していくはずです。

現在ディープインパクト産駒種牡馬の本命は、ソングラインなどを輩出したキズナや、
ブリーダーズカップジュベナイルターフを制したヴィクトリアロードを輩出した、海外のサクソンウォリアーと言われています。

しかし今の状況を見れば、まだ確固たる後継種牡馬はいないと言えます。

もしチャンピオン級の馬が出てくれば、グレーターロンドンがその枠に収まっても何ら不思議はありません。

ディープインパクト産駒種牡馬の後継として、ぜひ大物を出してもらいたいと思います。

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