ダート競走が大きく変わる!JRAとNARの共同発表で来年から一気に大改革が始まる

ダート競馬が大きく変わる

2022年11月28日、JRAとNARらはダート競走に関する大改革を発表しました。

これにより2023年以降ダート競走が大きく変わっていくこととなります。

今回はそんなダート競走の主な変更点と今後の見通しについて見ていこうと思います。

ダート三冠の詳細が決まる

ダート三冠の変更点

まずは、先日より発表されていたダート三冠の創設について、詳細が決まってきましたのでそこについて見ていきましょう。

ダート三冠は、中央競馬と地方競馬の枠を超えて実施されるもので
皐月賞、日本ダービー、菊花賞という三冠競走のダート版です。

これまで大井競馬で開催されていた羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービーを三冠競走とします。

それぞれの競走を全てJpnⅠとし、1着賞金を大幅に増額させることでまさに3歳ダートの頂点を決める戦いとします。

前回までの発表ではここまでが決まっていました。

そして今回、レース名やこれらの開催時期の変更、さらに前哨戦の整備といったことが決まってきました。

具体的に見ていきましょう。

まずは名称変更についてです。

羽田盃、東京ダービーは変わりませんが、ジャパンダートダービーがジャパンダートクラシックへと変更になります。

これは三冠競走でダービーの名のつくレースが2つあるのはおかしいという事からだと推測されます。

また、ジャパンダートクラシックを勝利した馬にはJBCクラシックの優先出走権が与えられます。

そして開催時期は羽田盃を4月下旬、東京ダービーを6月上旬、そしてジャパンダートクラシックを10月上旬とします。

これによりダート三冠を芝の三冠とほぼ同じ時期に開催することとなります。

さらに前哨戦もかなり整備されるようになります。

これまで3歳ダート路線は、1月から4月までグレード競走が存在しない空白期間でした。

そのため中央競馬のダートオープン馬は休養するか、地方への移籍、もしくは芝のレースに出走するといったケースが目立ちました。

しかし今回ダート三冠が設置されたことに伴い、この空白期間に複数のダートグレード競走を設置することとなりました。

まずは1月中旬に船橋競馬場で開催されるブルーバードカップ、
2月中旬に大井競馬場で開催される雲取賞がJpnⅢに、
そして3月中旬に大井競馬場で開催される京浜盃をJpnⅡに昇格します。

さらにG3のユニコーンステークスを東京ダービーの前哨戦として位置づけて、
開催時期や開催場所、さらには距離も含めて変更する予定となっています。

他にもジャパンダートクラシックの前哨戦として、9月上旬に盛岡で開催される不来方賞をJpnⅡに昇格させます。

このように、一気に4つのレースを3歳限定のグレード競走とすることでダート競馬を盛り上げようとしています。

このダート三冠の開催は2024年からとなるため、今の2021年産の馬達からが対象となります。

一体どのようなレースとなるのか、今からワクワクしてきますね。

また、このダート三冠以外にも今回かなり大きな変更が発表されています。

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3歳ダート短距離路線も整備される

3歳ダート短距離路線も整備される

今回、ダート三冠だけでなく、2歳・3歳ダート短距離路線の整備も発表されました。

これまで3歳ダート短距離路線は、目指すレースがほとんどありませんでした。

そこで今回、ダート短距離路線も整備することとなりました。

具体的には兵庫チャンピオンシップを現在の1870mから1400mへと短縮させ、3歳春のダート短距離における頂点競走として位置づけます。

さらにこの兵庫チャンピオンシップに向けて、各地方の代表を決めるレースとしてネクストスターという重賞級認定競走を新設します。

2歳の10月から11月に地方競馬8場でネクストスター競走を開催し、優勝馬には兵庫チャンピオンシップへの優先出走権が付与されます。

さらに3歳の3月から4月にかけては、北日本、東日本、中日本、西日本の4つに分けてネクストスター競走が実施され
そこで優勝した馬にも兵庫チャンピオンシップへの優先出走権が付与されます。

こうして合計12箇所で兵庫チャンピオンシップへ出走する地方代表馬を決めて、そこに中央馬を含めて戦うというのが
今回整備された3歳ダート短距離路線となります。

さらにこれまで3歳以上としていた北海道スプリントカップを3歳限定競走として、従来の6月から8月中旬へと移動させることで
兵庫チャンピオンシップに続く目標レースとして設定されました。

このように、3歳ダートは短距離、中距離ともに整備をされることとなり、
今後この路線を目指す馬が多く現れてくることになりそうです。

そしてこうした変更は3歳ダートだけではなく、古馬のダート路線にまで及んでいます。

古馬ダート路線の整備

今回、古馬も大きな変更が加わります。

まずはダート短距離路線です。

これまで古馬短距離路線は、下半期にJBCスプリントがある一方で上半期には目標となるレースがありませんでした。

そのためこれまでJpnⅡとして開催されていた、さきたま杯を上半期の頂点競走としてJpnⅠへと格上げします。

さらに古馬中距離路線もいくつか変更があります。

その中で大きいのは、川崎記念の開催時期変更です。

ダートの古馬中距離路線では11月から1月まで大きなレースが続いていることもあり、川崎記念をこれまでの1月下旬から4月上旬へと変更することになりました。

さらに名古屋グランプリが12月上旬から5月上旬に、名古屋大賞典を3月上旬から12月下旬へと変更します。

これにより各路線のダート馬が目標とするレースを見失うことなく、調整をしていくことができるようになりそうです。

他にも牝馬路線でもいくつか変更があります。

古馬牝馬路線では、これまでTCK女王盃として開催されていたレースが兵庫女王盃となり、
大井競馬場から園田競馬場で開催されるようになります。

また3歳牝馬路線では下半期の頂点競走として、マリーンカップをこれまでの4歳以上から3歳限定戦へと変更します。

このように、ダートグレード競走において開催時期や格上げなどが大量に行われることとなりました。

それぞれ2歳馬による競走は2023年から、それ以外は2024年からの変更となります。

これだけでも十分お腹いっぱいなのですが、長期的な計画としても更にいくつかの方針が発表されました。

1つ目はダートグレード競走における中央馬と地方馬との格差問題の解消です。

ダートグレード競走の格差問題を解消

これまで地方競馬のダートグレード競走では多くの場合、中央競馬からやってきた馬が上位を独占してきました。

しかしそれでは地方競馬で開催する意義が問われることとなります。

そのため、この格差を解消するべく動き出そうとしています。

具体的には、ダートグレード競走における地方最先着馬に対する報奨金や、
地区重賞の競走体系整備などをすることにより、地方競馬代表として走らせた方がお得である様にするようです。

JRAは所属馬を減らし、中央競馬におけるレースの除外馬を減らしたいという方針があるため、
こうして地方へと在籍する馬を増やすことはお互いにメリットがある方策と言えます。

また、もう1つの方針は国際化に向けた取り組みです。

現在地方競馬におけるダートグレード競走は、東京大賞典を除き、全て「Jpn」を使用しています。

これは簡単に言えば、日本のみで通用するグレード競走で、国際的に認められたグレード競走ではありません。

だからこそ自分たちの裁量でJpnⅡのレースをJpnⅠにするといったこともできるのですが
国際的に見ると、ただのリステッド競走としての扱いとなります。

こうした状況をなんとかするため、2028年以降このJpn表記をやめて全てのダートグレード競走を国際競走としていきます。

ただ国際格付けを得るには、適切な賞金額やレースのレーティング、さらには海外馬の受け入れ体制の整備など様々な課題があります。

そのためすぐにとはいかないものの、長期的な方針としては目指していくということを発表したのです。

このように、今回ダート競走において多くの変更が発表されました。

特にこれまで長年の課題と言われていた3歳春のグレードレースがない問題は、今回の発表でほぼ解消されることとなりそうです。

こうした大きな変更をしていくということは、それだけ日本競馬としても本気でダート競走に取り組んでいくということの現れでもあります。

そして中央競馬は芝レース、地方競馬はダート競馬という棲み分けを今後さらに加速していくことになりそうです。

今回の変更により、ダート競馬がどのようになっていくのか今から楽しみに待ちたいと思います。

あなたはこうしたダート競走における様々な変更についてどう思いますか?
ぜひ意見や感想をコメント欄にお寄せください。
最後までご視聴頂きありがとうございました。
またあなたとお会いできることを楽しみにしていますね。
 

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