
有馬記念で復活を誓うエフフォーリア。
ファン投票でタイトルホルダーに次ぐ2位に支持されていることからも
ファンの多い馬であることが分かります。
しかし2021年の有馬記念を制してから、2022年の大阪杯、宝塚記念と連続して着外に沈んでしまっています。
果たして2022年の有馬記念でエフフォーリアが復活することは可能なのでしょうか。
今回は、そんなエフフォーリアの敗戦の理由と復活の可能性について見ていこうと思います。
急激に失速してしまったエフフォーリア
エフフォーリアは2021年までほぼ完璧な成績を残していました。
2020年8月にデビューをして、2021年のクラシックでは皐月賞でタイトルホルダーを退け勝利。
さらに日本ダービーこそシャフリヤールに惜しいハナ差で敗れてしまったものの、
天皇賞(秋)、そして有馬記念と古馬相手に連勝し、見事この年の年度代表馬に選出されました。
しかし、さらなる活躍が期待された2022年、彼に苦難が襲います。
復帰戦となった2022年4月の大阪杯では単勝オッズ1.5倍に支持されたものの、直線で伸びず9着に敗れます。
さらに6月の宝塚記念でも1番人気に支持されたものの、6着に敗れてしまいました。
この連続しての大敗により、エフフォーリアは状態を立て直すため長期休養に入ります。
そして年末の有馬記念でいよいよ復帰戦を迎えようとしているのです。
心配なのは、一体なぜ2戦連続で大敗してしまったのか、そして今の状態はどうなのかという2点です。
次からはこの2点について見ていきましょう。
Expand Allなぜエフフォーリアは大敗した?
エフフォーリアが大敗した理由の1つは、遠征に弱い可能性があることです。
エフフォーリアは美浦の鹿戸雄一厩舎に所属しています。
そのため、関東以外で走る場合には直前に現地まで輸送することになります。
これまでエフフォーリアは関東以外の地で3戦したことがありますが、
その3戦のうち2戦が、今年の大敗をしたレースとなっています。
唯一勝利をした1戦も、デビュー戦の札幌競馬場でのことで
この時は7月16日に函館競馬場へと到着し、そこから7月23日に札幌競馬場へ移動。
さらにそこで約1ヶ月ほど滞在して8月23日に出走しました。
つまりレースの直前に輸送をして挑んだのは、今回連続して大敗した2レースのみとなのです。
大阪杯で9着となってしまった後の鹿戸調教師のコメントでも「敗因をひとつだけに絞ることはできない」としながらも
「輸送など改善の余地があるのも確か」と輸送面でも不安があった旨を発しています。
また、宝塚記念の後には「精神的なものがもうひとつだったのかもしれません」と語っています。
これまでの戦績から考えると決して能力で劣っていることはなく、精神面での問題なのであれば
長距離遠征というのも敗因の1つであると推測することができます。
復帰予定となっている有馬記念は地元関東での開催ですし、昨年勝った舞台でもあります。
そのため長期遠征や、その他の開催地によるデメリットはありません。
もしここでも大敗するようであれば非常に厳しくなってしまいますが、
長期遠征が苦手なだけであれば、有馬記念での復活劇は十分考えることができます。
また、もう1つエフフォーリアが大敗してしまった理由の1つとして考えられるのは、父エピファネイアの成長力の問題です。
エピファネイア産駒は、3歳のクラシック戦線で活躍する馬が多いものの
古馬になってからは成績がいまいちといったケースが目立っています。
2022年にはエピファネイア産駒による重賞連敗数が57となった時期もあり、成長力のなさが指摘されています。
無敗の牝馬三冠馬となったデアリングタクトも、古馬になってから善戦はするものの勝利をしておらず
3歳時がピークだったのではないかとも思えてしまいます。
もし同様にエフフォーリアも3歳時がピークであった場合、復帰した後での活躍というのは難しい可能性があります。
では、有馬記念で復帰するエフフォーリアの最新状態はどうなのでしょうか?
エフフォーリアの現在の状態は?
遠征と年齢。
2つの懸念点があるエフフォーリアですが、2022年11月30日にノーザンファーム天栄から鹿戸厩舎へと帰厩してきました。
鹿戸調教師は「フレッシュさが見てとれた」と語っており、状態はかなり良さそうです。
半年ほど休んだことにより、精神面は大分よくなったと考えられます。
後は約1ヶ月ほど厩舎で調整していくことで、完全に仕上がっていくはずです。
エフフォーリアは過去にも日本ダービーから天皇賞(秋)まで約5ヶ月の間隔が空いた中で完勝しており、
休み明けだからといった理由で走れなくはならないはずです。
精神面でリフレッシュし、遠征がないという状態であれば有馬記念を連覇しても不思議ではありません。
まさに今回の有馬記念は勝負のレースと言えそうです。
過去に有馬記念を連覇した馬は4頭います。
スピードシンボリ、シンボリルドルフ、グラスワンダー、そしてシンボリクリスエスです。
また、連覇でなく2勝であれば、オグリキャップとオルフェーヴルの2頭が該当します。
いずれも日本競馬の歴史を作った名馬で、ここにエフフォーリアも並ぶことができるかに注目したいところですね。
今年の有馬記念は豪華メンバーが揃う
今年の有馬記念はジャパンカップ以上に豪華なメンバーが出走を予定しています。
凱旋門賞からの復帰戦となるタイトルホルダーとディープボンド、今年の天皇賞(秋)を制した3歳馬イクイノックス、
さらにはジャパンカップを制したヴェラアズールに、エリザベス女王杯を制したジェラルディーナと
3歳馬からも古馬からも一線級の馬が揃う予定です。
これだけのメンバーの中でエフフォーリアがどのようなレースを見せるのか、今から期待したいと思います。