
三冠馬オルフェーヴルは種牡馬としても一定の活躍を見せており、
2022年のリーディングサイアーで総合7位と上位に位置しています。
ただ、それ以上にすごくなりそうなのが母父としての存在です。
オルフェーヴルの初年度産駒は8歳ということもあり、
早くに繁殖入りした馬からは、母父オルフェーヴルという血統の馬が生まれています。
そしてその母父オルフェーヴルがかなり良い成績を残していると注目を集めているのです。
今回はそんな母父オルフェーヴルのすごさや、
ステイゴールド系種牡馬の母父としてのポテンシャルについて見ていこうと思います。
わずか10頭でG1を制する母父オルフェーヴル

現在母父オルフェーヴルでJRAでデビューした馬は10頭います。
内訳としては2019年産が2頭、2020年産が8頭となります。
初出走はリトルウイナーで2021年6月にデビューを迎えましたが、残念ながら未勝利で競走馬登録を抹消しています。
そして初勝利となったのは、2022年8月のドゥラエレーデでした。
このドゥラエレーデはその後2022年12月28日のホープフルステークスで勝利し、
G1制覇を成し遂げます。
わずか10頭のデビューでG1を制したというのは、母父オルフェーヴルの活躍を大いに期待させるものでした。
他にもエコロレジーナが11月に未勝利戦を勝利しており、ドゥラエレーデだけが突然変異という訳でもありません。
こうなると楽しみなのが、2021年産以降の馬たちです。
なぜなら競走馬として活躍してきたオルフェーヴル産駒の牝馬たちが繁殖に入り、
子を産んだ時期となるからです。
今後は活躍したオルフェーヴル産駒牝馬の子が続々と登場する

これまでのオルフェーヴル産駒の繁殖牝馬は、ケガをしたり競走成績が悪く
早くから繁殖に入ることとなった馬たちでした。
ドゥラエレーデの母マルケッサも、兄にサトノダイヤモンドがいる良血ではありますが
現役時代は5戦して未勝利で引退しています。
しかしこれからは、現役時代にも長く活躍を見せてきたオルフェーヴル産駒の牝馬たちが続々と子を産んでいきます。
現在オルフェーヴル産駒でG1を制した牝馬の中で引退して繁殖入りしているのは
ラッキーライラックとマルシュロレーヌです。
G1を4勝したラッキーライラックは、2022年にレイデオロとの牝馬を産んでおり、
日本馬初となる米国のダートG1を制したマルシュロレーヌは、2022年にドレフォンと種付けをしています。
また、札幌2歳ステークスを制したロックディスタウンの初仔は残念ながらデビュー前に引退してしまいましたが、
2022年にイスラボニータとの子が産まれています。
他にも桜花賞やエリザベス女王杯に出走したエスポワールは、
ドゥラエレーデと同じ父であるドゥラメンテの牡馬を2022年に産んでいます。
ドゥラメンテは2021年に亡くなってしまったため、貴重な産駒の一頭となりそうです。
このようにオルフェーヴルが母父として開花しようとしている状況ですが、
同じ様にステイゴールド産駒の種牡馬たちの母父としての実績はどのようになっているのでしょうか。
ステイゴールド系種牡馬の母父成績は?

オルフェーヴルがこのような活躍を見せているということで、
同じ様なステイゴールド産駒の種牡馬たちも母父に入って活躍しているのかを調べてみました。
まずは分かりやすく、全兄であるドリームジャーニーを見ていきましょう。
母父ドリームジャーニーという競走馬は、オルフェーヴルよりも2年早い2017年産からいます。
2017年産は2頭、2018年産は1頭おり
2018年産のメイショウオニユリ(父ジャスタウェイ)は中央で2勝しておりG2のローズステークスにも挑戦しています。
また2019年産は5頭おり、その中からフルム(父シニスターミニスター)が中央で3勝クラスで活躍しています。
このように8頭で3勝クラス1頭、2勝クラスとまずまずの成績をあげています。
特に母父ドリームジャーニーの馬たちは、リーディング上位の種牡馬の子ではなく、
それを考えるとかなり良いと言えるのかもしれません。
また、さらに地味な母父ナカヤマフェスタの場合現在2020年産までで7頭がいますが、
残念ながらまだ中央競馬で勝利をあげた馬はいませんでした。
さらに多くのファンを持つゴールドシップも、母父として1頭の産駒が今の所確認されています。
それはサンマルサクラコの2021で、父はビッグアーサーとなっています。
母のサンマルサクラコは出走をしないまま繁殖にあがっており、サンマルサクラコの2021は母が4歳の時の子となります。
母父オルフェーヴルのように、母父ゴールドシップが活躍することを祈りたいですね。
このように見ていくと、ドリームジャーニーはある程度の結果を出していることが分かります。
このことから、母父オルフェーヴルもドゥラエレーデだけでなくさらに活躍馬を輩出していくことが期待できそうです。
ただ、一抹の不安は母父ステイゴールドの馬があまり走っていないことです。
2023年1月時点で最も賞金を稼いでいるのがアイビス サマーダッシュを勝利したライオンボスで、
G1勝利となると全日本二歳優駿を制したアランバローズしかいません。
もちろん今後さらに活躍する馬が出てくる可能性はありますし、
母父オルフェーヴルはこうしたステイゴールドの血が薄まっているとも考えられるので、そこまで心配する必要はないのかもしれません。
それよりもまずは少ない頭数からG1馬が出たことを喜びたいですね。
サイアーラインとともに血がつながることを期待したい

このように母父として活躍が見込めそうなオルフェーヴルですが、
そのサイアーラインはどうなっているのでしょうか。
現状オルフェーヴル産駒の後継種牡馬は
皐月賞を勝利したエポカドーロのみとなっています。
このエポカドーロは初年度の2021年が52頭、2022年が39頭と苦しい状況が続いており
今後産駒が爆発的に活躍を見せなければ将来は暗いものとなっています。
今後種牡馬となりそうなオーソリティや、ウシュバテソーロが頑張らない限りサイアーラインはつながらなさそうです。
そうしたことを考えると期待されるのはラッキーライラックやショウナンナデシコ、マルシュロレールなどの
牝系から血が広がっていくことです。
それを考えれば、まだ数が少ない母父オルフェーヴルからドゥラエレーデが出たのは僥倖と言えそうです。
また、オルフェーヴルはまだ現役の種牡馬としても活躍しています。
2019年には種付け頭数を52頭と激減させてしまいましたが、
その後は産駒の活躍もあり、再び種付け頭数を3ケタに戻しています。
そのためこれからも後継種牡馬や、有力な繁殖牝馬が誕生してくる可能性も十分考えられます。
どのような形であれ、三冠馬オルフェーヴルの血が競馬界に残っていくことを期待したいですね。