
2021年8月31日に9歳の若さで亡くなったドゥラメンテ。
その後、彼が残した産駒が大活躍を見せています。
彼がこの世を去ったのは間違いなく日本競馬界における損失でした。
今回はそんな種牡馬ドゥラメンテのすごさと、残された数世代から広がっていく未来について見ていきたいと思います。
ドゥラメンテ産駒の圧倒的な活躍

ドゥラメンテは現役時代に皐月賞と日本ダービーを制し、2017年に種牡馬としての生活をスタートしました。
初年度から284頭と種付けをしており、そこから生まれた191頭が初年度産駒となります。
この初年度産駒は2023年時点で5歳となっており、現在デビューを迎えているのは3世代です。
そしてドゥラメンテ産駒はその3世代で、それぞれG1を勝利しています。
まずは初年度産駒のタイトルホルダーです。
いわずとしれた現役トップクラスの馬で、菊花賞、天皇賞(春)、宝塚記念を制しています。
そして2世代目からは桜花賞、オークスを勝利したスターズオンアースや
JBCレディスクラシックを制したヴァレーデラルナが出ました。
さらに3世代目となる2歳世代では、リバティアイランドが阪神ジュベナイルフィリーズを
ドゥラエレーデがホープフルステークスを勝利しました。
これにより3世代連続でG1馬を出し、その距離もマイルから3200mと幅広く対応しています。
そしてまだ3世代のみでありながら、ドゥラメンテは2022年のリーディングサイアーで5位にランクインしました。
上位10位までのアーニングインデックスを見てもキングカメハメハ、ディープインパクトに次ぐ3位となっており
それぞれの馬がしっかりと賞金を稼いでいることが分かります。
まだ初年度産駒が5歳であることや、2023年の2歳世代からはディープインパクトの子がいないことを考えると
2023年、2024年にはリーディングサイアーになることも十分考えられる状況となっています。
ディープインパクト、キングカメハメハが亡くなった今、
もしドゥラメンテが存命であればしばらくはドゥラメンテの天下が続いていたかもしれないと思うと残念でなりませんね。
今後デビューの馬で期待できそうな馬は?

2023年、2024年にデビューをする馬の中で期待される馬たちについて見ていきましょう。
まずはセレクトセールで3億3000万円で落札されたジェイウォークの2021です。
母のジェイウォークは2018年にブリーダーズカップ ジュヴェナイルフィリーズを制した名牝で
この年の米国最優秀2歳牝馬に輝いています。
血統的にはダート色が強めですが、アンブライドルズソングの血が牝系に入っているのは
ジャックドールやコントレイルなど今のトレンドでもありますし、
スピニングワールドやブラッシンググルームなどの血が活きれば芝でも活躍が期待できそうです。
落札したのはツーワンレーシングで、
これはラウンドワンの社長である杉野公彦氏のグループだと言われています。
杉野氏はこれまで個人馬主として活動していましたが、
2021年からエムズレーシングという法人名で馬主活動をしています。
杉野氏はこれまで2億900万円で落札したフィデルや、1億8360万円で落札したサンデージャックなど高額馬を多く所有してきました。
まだG1を勝つような馬は所有できていませんが、今回のジェイウォークの2021がその夢を叶えてくれるかもしれませんね。
他にも現役時代にNHKマイルカップを制したアエロリットとの子や、
シャフリヤールの弟にあたるドバイマジェスティの2021、
リスグラシューの弟であるリリサイドの2022などといったG1馬の弟たちも
ドゥラメンテ産駒として今後デビューを予定しています。
特に2023年、2024年デビュー予定の馬は非常に質の高い繁殖牝馬の子たちなので
今まで以上に産駒から活躍馬が出てくることが予想されます。
この残された産駒たちから、さらにドゥラメンテの血は広がっていきそうですね。
では、今のところドゥラメンテの後継種牡馬は誰になりそうなのでしょうか。
サイアーラインを継ぐのは?

ドゥラメンテが亡くなってしまった今、期待されるのはドゥラメンテの後継種牡馬です。
現在ドゥラメンテ産駒でG1を制している牡馬は
タイトルホルダー、そしてドゥラエレーデの2頭です。
また、今後の活躍を考えるとバーデンヴァイラーやドゥラドーレスも種牡馬入りをする可能性が考えられます。
これらの馬と、まだデビューをしていない馬たちが後継種牡馬としてドゥラメンテの血を広げていくことになりそうです。
もともとドゥラメンテは父キングカメハメハ、母アドマイヤグルーヴという超良血です。
特に母のアドマイヤグルーヴは名牝エアグルーヴの娘で、自身もエリザベス女王杯を制しています。
そしてその血にはノーザンテースト、トニービン、サンデーサイレンスというまさに日本の競馬界を支えてきた種牡馬たちが入っています。
エアグルーヴの子であるルーラーシップも現在種牡馬として大成功を収めており、
このエアグルーヴが血統の根底にあることで、ドゥラメンテの後継種牡馬たちも活躍することが期待できます。
タイトルホルダーは、生産者が代表を務めるレックスタッドで種牡馬入りすることがほぼ決まっており、
将来的には日高地方から大物が出てくることも考えられます。
ドゥラメンテが早くに亡くなってしまったことで、そのサイアーラインが途切れることも心配されますが
海外に目を向けてみると、同じ様な状況でサイアーラインをつなげているケースは良く見られます。
例えばドバイミレニアムは現役時代にドバイワールドカップなどを制した歴史的名馬でしたが、
病気により1世代しか産駒を残すことができませんでした。
しかしそこからドバウィという名馬が出て種牡馬入りし、さらにドバウィ産駒からは
マクフィやモンテロッソといった馬たちが活躍を見せて種牡馬となりました。
同じ様にドゥラメンテもタイトルホルダーなどが、ドゥラメンテの血を広げていくことに期待したいですね。
ドゥラメンテは残念ながら早くに亡くなってしまいましたが、
その血はサイアーラインだけでなく、牝系も含めてこれからもずっと残っていくはずです。