
モーリス産駒が最近活躍を見せています。
もともとモーリス自身が遅咲きであったこともあり、
産駒も晩成傾向の馬が多いと言われてきました。
そして実際にモーリス産駒の初年度が5歳となった2023年、
次々と活躍を見せ始めているのです。
今回はそんな2023年にG1戦線で期待できそうなモーリス産駒の状況について見ていこうと思います。
大阪杯で4頭のモーリス産駒が勝利を争う

2023年の重賞競走は、1月24日時点で9レースありましたが
その内の2つモーリス産駒が制しています。
他の種牡馬は1勝止まりですから、現状モーリスが最もJRAの重賞を勝っている種牡馬となります。
まず2023年最初の重賞であるG3中山金杯を制したのがラーグルフです。
2世代目にあたる4歳で、前走の3勝クラスから連勝での重賞制覇となりました。
父モーリスが4歳1月時点では1000万下条件だったことを考えると、今のところ父を超える活躍を見せています。
ここから父の様に連勝を重ねてG1制覇を成し遂げることができるかに注目したいところです。
次走は中山記念を予定しており、そこでどのような走りができるかが試金石となりそうです。
また、1月22日にG2 AJCCを制したのが初年度産駒であるノースブリッジです。
2022年は6月にエプソムカップを制した後、毎日王冠、天皇賞(秋)と挑みましたが
残念ながらイクイノックスらに跳ね返されてしまいました。
しかしAJCCでは2200mという距離への不安も囁かれながら、見事内を突いて勝利しました。
岩田康誠騎手の好騎乗も目立ちましたが、
それ以上に最後の直線の脚は父モーリスを彷彿とさせるものがありました。
このままいけば、大阪杯での有力候補の1頭となるのは間違いありません。
今年は多くの有力馬がサウジアラビアやドバイへ遠征を予定していることも
この馬にとっては追い風になりそうです。
こうして早速2頭の古馬が重賞を制したモーリス産駒は、やはり年を重ねてからの成長力がありそうに見えます。
そうなると今年G1制覇を期待できそうなのが、同じ中距離路線のジャックドールです。
ジャックドールは2022年に5連勝でG2金鯱賞を制した後、G1の大阪杯5着、天皇賞(秋)4着と惜しい所まで来ています。
今のところは直行で大阪杯へと行く予定とのことで、初G1をここで獲得することも十分考えられます。
さらにこの大阪杯には、2022年のエリザベス女王杯を制したジェラルディーナも出走を予定しています。
ジェラルディーナはG2オールカマーでもヴェルトライゼンデら牡馬の強豪を退けて勝利しており、
ここから更に成長していれば大阪杯も大いに期待することができます。
このまま順調にいけばジェラルディーナ、ジャックドール、ラーグルフ、ノースブリッジと4頭のモーリス産駒が大阪杯で激突しそうで、
いずれかによる勝利を期待したいですね。
また、スプリント路線やダート路線でも2023年にG1で期待できそうな産駒がいます。
Expand All短距離路線で注目のモーリス産駒

まずはモーリス産駒におけるスプリンター筆頭のピクシーナイトです。
ピクシーナイトは2021年の香港スプリントで他馬に巻き込まれる形で落馬し競走中止となりました。
この時競走を中止した4頭のうち2頭が予後不良となる大惨事で
ピクシーナイト自身も骨折をしてしまいました。
今回そこからようやく復帰し、阪急杯もしくは高松宮記念への直行を予定しています。
さすがに1年以上の間隔が空いての出走ですから、いきなりは厳しいかもしれませんが
3歳時にG1を制したモーリス産駒ですので、さらにそこからどれほど成長しているのか楽しみですね。
また同じく3歳時に重賞を制したシゲルピンクルビーも今年復活を誓います。
2022年8月のG3キーンランドカップで8着に敗れてから休養に入ったシゲルピンクルビーは
シルクロードステークスで復帰となります。
ここで結果を出すことができれば、高松宮記念でも有力馬の一頭となりそうです。
また、ダート路線でもモーリス産駒は活躍を見せており
ハコダテブショウはダートの短距離でオープンクラスを制し
カフジオクタゴンはG3レパードステークスをすでに制しています。
特にカフジオクタゴンは父モーリスだけでなく、母も生粋のメジロ血統となっています。
母のメジロマリアンには、メジロベイリー、メジロマックイーンの血が入っており
まさにメジロの結晶とも言える血統なのです。
ぜひ今後G1を制して種牡馬入りを果たしてもらいたい一頭と言えます。
このように各路線でモーリス産駒は活躍馬を出しており、
これらの馬たちが4歳、5歳と年齢を重ねて成長していくことで2023年は飛躍の年となりそうです。
そして今年大舞台での活躍を一番期待したい、超良血馬が一頭います。
2023年に飛躍を期待したいモーリス産駒

今年もっとも飛躍を期待したいモーリス産駒、それはルペルカーリアです。
母は現役時代に日本馬初の米国G1を制し、
繁殖牝馬としても歴史に残る活躍を見せたシーザリオです。
兄弟にはエピファネイアやサートゥルナーリア、リオンディーズらがおり、
ルペルカーリアはこれらに続く存在として生まれる前から大きな期待を背負ってきました。
母も所属していたキャロットクラブでは総額1億2000万円、一口30万円で募集され、
この価格はもちろんこの年の最高額でした。
しかし2020年9月の2歳新馬戦でデビューを迎えると4着に敗れてしまいます。
2戦目で勝ち上がったものの、続くG3毎日杯でも4着と重賞の壁に跳ね返されてしまいます。
その後G2京都新聞杯で2着と実力の片鱗を見せるものの、
クラシックとは縁がなく3勝クラスで走る日々が続きました。
それでも徐々に成長をしていったことで、4歳となった2022年7月に3勝クラスの博多ステークスを勝利しオープンクラス入りを果たしました。
ただそのレース後に骨折が見つかり、ルペルカーリアは骨片の除去手術を受けます。
そして現在は復帰に向けた調整が進められているところとなっています。
骨折による頓挫は残念ですが、成長力に期待できるモーリス産駒ですし
戦歴を見れば徐々に力をつけていることも分かります。
5歳となった2023年にはその血が覚醒し、G1の舞台で勝負できる馬になることを期待したいところです。
また、同じ様に名牝との子で言えばヴィルシーナとの間に生まれたディヴィーナもオープン入りを果たしています。
2022年は重賞で2ケタ着順となってしまいましたが、こちらも2023年1月の睦月ステークスでは4着と好走しており
成長している様子を感じ取れます。
このように、多くの馬が古馬になって年を重ねるごとに成長していくモーリス。
2023年1月24日時点でのリーディングではロードカナロアに次ぐ2位となっています。
まだ出走回数も多くないためこれから変動もあるでしょうが、
2023年はモーリスにとってもリーディング上位を狙える年となりそうです。