
2022年はイクイノックスが天皇賞(秋)と有馬記念を制して年度代表馬となりました。
他にもこの4歳世代にはセリフォス、ボルドグフーシュ、ダノンベルーガなど
古馬相手にも好成績を残した馬たちがおり、レベルの高い世代と言われています。
しかしこのイクイノックス世代とも言える4歳馬には
まだまだポテンシャルの秘めた馬が多くいます。
そこで今回は、まだ重賞を勝っていない馬の中で
イクイノックスを倒す可能性のある馬について見ていこうと思います。
ローシャムパーク

ローシャムパークは父ハービンジャー、母レネットグルーヴという血統の4歳牡馬です。
2021年9月の新馬戦でデビューをしましたが、4コーナーで外に出そうとしたものの進路がなく
内側へ寄せたもののそこでも前が壁になるといった不運が続き2着に敗れてしまいます。
それでも翌年2022年2月の3戦目で勝ち上がると、続く4月の山藤賞も制します。
その後はダービーを目指さす休養に入り、9月にG2セントライト記念へと出走します。
そこでは2番人気に推され、直線外に出して伸びたもののガイアフォース、アスクビクターモアに続く3着に敗れてしまいました。
3着に入ったことで菊花賞の優先出走権を得ましたが、距離への不安から向かわず休養に入ります。
そして復帰戦となる2023年1月5日の2勝クラスでは、余裕の手応えで勝利し格の違いを見せつけました。
まだ3勝クラスの馬ではありますが、その鋭い伸び脚を見れば一線級相手でも十分戦えるはずです。
飛びが大きい馬なため、東京など大きなコースの方がより実力が発揮できるはずで
今年の天皇賞(秋)での活躍が大いに期待できる馬と言えそうです。
ハービンジャー産駒はブラストワンピースやペルシアンナイトといったG1馬が種牡馬入りをしておらず
現状後継種牡馬がいません。
ローシャムパークが天皇賞(秋)などをイクイノックス相手に勝利することができれば、種牡馬への道が大きく開けます。
その血をつなげることができるのかという点でも注目をしたい逸材です。
Expand Allバトルボーン

バトルボーンは父シルバーステート、母コンカランという血統の4歳牡馬です。
2021年11月の新馬戦でデビューを迎えますが、後にG1戦線で活躍するダノンベルーガに差され2着となります。
それでも3着には5馬身差をつけており、能力の高さを見せました。
そして続く2022年3月の未勝利戦を快勝すると、その後11月の3勝クラスのウェルカムステークスまで一気に4連勝を飾ります。
この2戦目から5戦目までの4連勝ではすべて単勝1倍台という圧倒的人気に応えて勝利しており、
その注目度はファンの間でも高いものがあります。
そんなバトルボーンの魅力は競馬の上手さです。
スタートから先行し先頭もしくは2番手で道中を進めると
最後の直線で早めに突き放し、そのまま後続をしのぐといったスタイルの走りをします。
前々走は2分の1馬身差、前走はアタマ差とギリギリの差ではありますが、
並ばれても抜かせない勝負根性を備えています。
次走は3月の日経賞を予定しており、
そこでどのような競馬ができるかが試金石となりそうです。
現状で言えば、シルバーステート産駒初のG1制覇に今最も近い馬かもしれません。
ドゥラドーレス

ドゥラドーレスは父ドゥラメンテ、母ロカという血統の4歳牡馬です。
デビュー戦、セントポーリア賞と連勝し挑んだ毎日賞では出遅れが響き3着に敗れます。
その後は8月の藻岩山特別を勝利すると、10月には菊花賞へと挑みました。
そこでは非常によい手応えを見せていたものの2周目3コーナーすぎで内にいた馬が外に膨れて接触しまいます。
これにより馬の気持ちが切れてしまいました。
それでも4着を確保したことから、能力がG1級であることは間違いありません。
特にその菊花賞2着のボルドグフーシュが有馬記念でイクイノックスの2着だったことからも
ドゥラドーレスがスムーズに競馬を進められれば、今後イクイノックスに勝つことまで期待することができそうです。
関係者の話では3000mは長く、2400mまでが良さそうとのことなので
天皇賞(秋)、ジャパンカップへの参戦が期待されます。
まだ3勝クラスの条件馬ではありますが、今後の活躍を大いに期待したい馬と言えそうです。
スパイダーゴールド

スパイダーゴールドは父ダイワメジャー、母シュガーショックという血統の4歳牡馬です。
デビューから3戦して勝ち上がれませんでしたが、3歳となった2022年4月に待望の初勝利をあげます。
そのためクラシックには縁がなかったものの、8月に2勝目、11月に3勝目をあげました。
そのレースを見ても非常に能力が高いことが分かりますが、内蔵面に不安を抱えているのか
4月、8月と連続で鼻出血を起こしてしまっています。
そのため2ヶ月の競走停止処分がくだされたこともあり、
ローテーションがゆったりとしたものとなっています。
しかしそんな鼻出血をしている中でも勝利をしていることから、
そのポテンシャルは相当なものがあると考えられます。
また、その停止処分明けの3勝クラスでも勝利をしていることを見ても
鼻出血の影響はそこまで大きくはなさそうです。
まだまだ荒削りではありますが、身体が無事であれば今後の活躍を大いに期待できる馬と言えそうです。
ダイワメジャー産駒は早期から活躍する馬が多いですが、
スパイダーゴールドはその常識に当てはまらないという点も、G1級の活躍を期待したい一頭となります。
距離は2000mまでと考えられるため、こちらも天皇賞(秋)でイクイノックスとしのぎを削ることとなりそうです。
サリエラ

サリエラは父ディープインパクト、母サロミナという血統の4歳牝馬です。
2021年11月に迎えたデビュー戦で勝利しますが、その後に骨瘤が見られ長期休養に入ります。
これにより春のクラシックには間に合わなくなってしまいます。
そして復帰戦となった2022年6月の1勝クラスを勝つと、
その勢いで9月にはローズステークスへと挑戦します。
そこではアートハウスの2着と敗れてしまいますが、
まだキャリアの浅い馬で今後の活躍が大いに期待されます。
兄は毎日王冠などを制したサリオスで、今後の成長力も期待できる良血馬です。
その実力は以前から高く評価されており、阪神ジュベナイルフィリーズを勝利した
サークルオブライフよりも調教の手応えは良かったとも言われています。
血統面、そしてこれまでのレースぶりを見ても今後牝馬の代表格となる可能性を秘めた馬と言えそうです。
姉のサラキアは2020年の有馬記念で2着に入っており、
サリエラが2023年の有馬記念に出走してきた場合には、そのリベンジを果たせるかに注目が集まります。
イクイノックスと同じシルクレーシングが馬主ということで、
もしこの2頭が対決した際にはクラブにとって嬉しい悩みとなりそうです。
ルメール騎手がどの馬を選ぶか

今回ご紹介した馬の多くは、イクイノックスの主戦であるルメール騎手が乗り勝ってきました。
例えばスパイダーゴールドはルメール騎手が乗ってから3連勝しましたし、
バトルボーンも同じく3戦連続でルメール騎手が騎乗しています。
サリエラも4戦中3戦、ローシャムパークも6戦中4戦でルメール騎手が乗っており、
イクイノックスと戦う場合、これらの馬に誰が乗るのかという点が肝となりそうです。
そういった点で見るとこれまでルメール騎手が乗っていないドゥラドーレスは
今後打倒イクイノックスの筆頭格として活躍していくかもしれませんね。