
2023年2月25日に開催されるサウジカップ。
1着賞金1000万ドル(約13億円)というのは、現在世界最高額の賞金となります。
そんな大レースには日本馬が6頭参戦する予定となっており、
メンバーを見るとかなり期待できそうな状況です。
またこの日には他にも重賞レースが設定されており
日本馬が総勢20頭出走する予定です。
そこで今回はサウジカップの紹介と、
サウジカップデーの他の競走に出る有力馬について海外馬も含めて見ていこうと思います。
日本馬が勝ちそうなサウジカップ

まずはサウジカップからです。
サウジカップは、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で開催されるダート1800mの国際G1です。
2020年に新設されたばかりなのですが、賞金総額2000万ドル、1着賞金1000万ドルという超高額な賞金により
多くの海外馬が参戦してきました。
第1回は米国のマキシマムセキュリティ、2回はイギリスのミシュリフ、3回はサウジアラビアのエンブレムロードが勝利しています。
日本からはクリソベリルやゴールドドリーム、マルシュロレーヌといった馬たちが挑みましたが未だに勝利はありません。
そんなサウジカップには今年日本から、
カフェファラオ、クラウンプライド、ジオグリフ、ジュンライトボルト、パンサラッサ、ヴァンドギャルドの6頭が参戦します。
カフェファラオ、ジュンライトボルトはダートのG1を制しており
ジオグリフ、パンサラッサは芝のG1を制している馬です。
第2回のサウジカップを制したミシュリフは芝で結果を残してきた馬であることから、
サウジアラビアのダートは芝馬でも十分勝負ができる馬場と言えます。
またジオグリフの父はドレフォンで、産駒はダートでもかなり結果を出しています。
そうしたことから、ジオグリフがダートで覚醒する可能性も考えられます。
またパンサラッサは過去にダートで一度走り11着と大敗していましたが、
もともと重馬場で強さを発揮していましたのでダートが合わないということもなさそうです。
逃げ馬から差し馬まで脚質もバラバラなため、どんな展開になっても日本馬の誰かは来そうなラインナップとなっています。
では対する外国馬はどのような馬が出るのでしょうか。
最も有力なのは、米国のカントリーグラマーです。
カントリーグラマーは昨年のサウジカップで2着となり、次走のドバイワールドカップを制した馬です。
その後の米国G1パシフィッククラシックでは、世界最強馬であるフライトラインに敗れはしたものの、
カントリーグラマーも世界の名馬であることは変わりありません。
前走のサンアントニオステークスも快勝しており、昨年に引き続き良い状態でサウジカップへ挑んできそうです。
また、米国からは同じ馬主のテイバという馬も参戦します。
テイバは昨年のブリーダーズカップ クラシックでフライトラインの3着となり、次走のマリブステークスを勝利しています。
デビュー戦以外はすべてG1に出走している馬で、すでにG1を3勝しています。
ケンタッキーダービーでの大敗以外はすべて3着以内という安定性も魅力です。
この米国の2頭が日本馬にとって最大のライバルとなりそうです。
また、昨年12番人気ながらカントリーグラマーを押さえてサウジカップを制した地元のエンブレムロードも出走を予定しています。
エンブレムロードは昨年サウジカップを制した後、なぜかフランスの芝G3に出走し6頭立ての5着に敗れています。
その後は休養に入り今年1月に開催された地元のオープンクラスのレースを勝利して、このサウジカップへと挑みます。
実力を発揮すれば再び激走することも考えられ、決して軽視はできない存在です。
こうした馬たちと戦う日本馬ですが、今回チャンスはかなりあるものと考えられます。
まず出走予定馬13頭の内6頭が日本馬という数的優位がありますし、
昨年の反省を活かしたメンバーとなっている点も強みです。
昨年はマルシュロレーヌとテイオーケインズが挑戦しましたが、6着と8着に敗れています。
この時はスタートしてからかなりのハイペースで進み、
道中でペースが緩むことがない展開でした。
これは米国の競馬に近い展開で、日本の馬たちには合わないものでした。
そうした中、今回は芝のG1馬2頭がおりスピード競馬にも対応できる布陣となっています。
おそらく今年もカントリーグラマーを中心にスタートから競り合いペースが早くなることが考えられ、
そうなると芝でも逃げるスピードを持つパンサラッサが強い競馬を見せるかもしれません。
そして後方からの馬が有利な展開になっても、ジュンライトボルトが差してくることができます。
そうしたことを考えると今年は日本馬の勝利を期待できそうです。
では、他のレースはどうなのでしょうか。
Expand All他のサウジカップデーでの見どころ
今回のサウジカップデーには日本馬20頭が出走を予定しています。
まずは日本時間23時45分に出走するG3の1351ターフスプリントです。

名前の通り1351mで争われる芝のこのレースには
昨年の覇者であるソングラインの他、バスラットレオン、ラウダシオン、レシステンシアが出走を予定しています。
海外のブックメーカーでの人気を見ると、ソングラインとUAEのクリエイティブフォースが人気を争っている状況です。
クリエイティブフォースは主にイギリスで走り、2021年のG1イギリスチャンピオンズスプリントステークスを制しています。
前走は米国のブリーダーズカップ ターフスプリントで3着となっており海外遠征でも結果を出しています。
中団から進めて最後に爆発的な末脚を見せるのが特徴で、今回のレースではソングラインと末脚比べとなりそうです。
続く24時25分にはG3レッドシーターフハンデが発走します。

芝3000mの長距離戦となるこのレースには
シルヴァーソニックとエヒトが出走します。
このレースではイギリスのサブジェクティビストが1番人気の想定となっています。
サブジェクティビストは2021年のイギリスゴールドカップに勝利して以来の出走となりますが
これまでの実績を考えると一枚抜けています。
長期休養明けということもあり状態次第ではありますが、実力を発揮できればかなりの強敵となります。
シルヴァーソニックは2番人気か3番人気、エヒトは4番人気となる想定で
スタミナを活かせる展開になれば十分チャンスはあると見られます。
25時5分からはG3サウジダービーが開催されます。

ここにはコンティノアール、デルマソトガケ、エコロアレス、フロムダスクの4頭が出走を予定しています。
このレースでの1番人気は米国のハヴンアメルトダウンとなっています。
ハヴンアメルトダウンはこれまで5戦4勝2着1回という成績で、米国ですでに3つのダート重賞を制しています。
実績から見てもかなり圧倒的と言える存在で、日本馬はこの馬になんとか食らいついてほしいところです。
2番人気は同じく米国のスピードボートビーチとなっています。
スピードボートビーチはブリーダーズカップ ジュヴェナイルターフスプリントこそ9着に敗れたものの
続く芝G3では勝利を飾っています。
ダートがどうかですがデビュー戦ではダートを走り勝利していますし、
父のバイエルンはダートG1を制している馬ですから問題はなさそうです。
25時45分からはG3リヤド ダートスプリントが発走となります。

ここにはダンシングプリンス、ジャスティン、リメイク、リュウノユキナが出走を予定しています。
このレースは過去にコパノキッキング、ダンシングプリンスが勝利しており日本馬と相性の良いレースとなっています。
その中でも期待したいのがリメイクです。
前走のG3カペラステークスで初重賞制覇を果たしており、その末脚は素晴らしいものがあります。
そんなリメイクは福永祐一騎手が騎乗する最後の馬となる予定です。
勝機は十分にあるので、引退レースが海外重賞勝利という偉業を成し遂げてもらいたいですね。
こうしてG3が連続した後、26時35分に開催されるのがG1サウジカップです。
先程ご紹介したように13頭中6頭が日本馬という構成で挑む本レースでは
初の日本馬による勝利を期待したいと思います。
昨年は4レースで日本馬が勝利をするという快挙を達成したサウジカップデー。
今年はどのような結果になるのか、夜遅いですが楽しみにしたいですね。