
3月25日の深夜にはドバイワールドカップデーが開催されます。
日本馬が27頭も出走するまさにお祭り状態となっている今年ですが、
そんな中で、メインのドバイワールドカップにはパンサラッサが出走します。
このパンサラッサはもし今回優勝をしたら色々と大記録を達成することになります。
そこで今回はパンサラッサが成し遂げそうな偉業について見ていこうと思います。
パンサラッサが勝ったら達成されること

まずは、多くの方が注目しているであろう獲得総賞金額です。
パンサラッサは今年の2月にサウジカップを優勝しました。
この優勝賞金が1000万ドルで、当時のレートから換算し13億1865万円が加算されました。
これによりパンサラッサの総賞金が18億4466万3500円となりました。
この記録は、テイエムオペラオーが記録した18億3518万9000円を1000万円近く超すものとなりました。
テイエムオペラオーの総賞金は当時世界記録で当分これを超える馬は現れないと言われていました。
しかしその後の日本、そして世界の賞金額が増加していったことで
2023年3月時点で歴代4位となってしまいました。
代わって3位に入ったのがパンサラッサですが、
2位はそこから約3200万円ほど上のキタサンブラックで18億7684万3000円となります。
そして歴代1位は、G1を9勝したアーモンドアイで19億1526万3900円となっています。
つまりパンサラッサが歴代1位となるには、後7060万円ほど稼げば良いこととなります。
ではドバイワールドカップの賞金はどの位に設定されているのでしょうか。
今年のドバイワールドカップは1着賞金が696万ドルに設定されており、
これは1ドル130円換算で9億480万円となります。
つまりもしパンサラッサが1着になれば、これまでの歴代記録を一気に8億円以上更新し
前人未到の20億円の大台を楽に突破することとなります。
また2着が約3億円、3着が約1億6000万円、そして4着でも約8000万円を獲得することができるため、
4着までに入ればアーモンドアイの記録を抜くことになります。
アーモンドアイはG1を9勝しましたが、パンサラッサはまだ2勝に留まっています。
それにも関わらず歴代最高賞金額を達成しそうだということで、良く思わない方もいるかもしれませんが
高額なレースに挑むということは、それだけ強いメンバーも集まるということでもあります。
それでも果敢に挑戦した結果ですので、それを決断した陣営の勝利と言えるでしょう。
今回のドバイワールドカップのメンバーを見てみると
14頭の内パンサラッサを含む9頭がサウジカップに出走したメンバーです。
他の5頭で言えば、前哨戦を制した海外のサルートザソルジャーや
日本からやってくるウシュバテソーロや、テーオーケインズなどが強力なライバルとなりそうです。
とはいえ、このメンバーを見ると4着以内に入る可能性は十分にあり
歴代最高総賞金を達成する可能性は決して低くはなさそうです。
また、もし優勝すればパンサラッサはもう1つ史上初の快挙を達成します。
それがドバイターフとドバイワールドカップの両方を制した馬となることです。

ドバイターフは過去にドバイデューティフリーと呼ばれていたころから現在まで全て芝のレースで開催されました。
またドバイワールドカップは一時オールウェザーでの開催もありましたが現在はダートとなっています。
そのため芝とダートの両方で世界トップクラスの成績を残している馬でないとそもそも挑戦できないのですが、
この2つのレースを制した馬は過去に1頭もいません。
そもそも調べた限りでは、
ドバイターフで優勝した馬がドバイワールドカップへ出走したことさえ過去にはありませんでした。
つまりパンサラッサがドバイワールドカップに出走するだけで史上初の状況になるのです。
こうした初めて尽くしとなる挑戦ですから、結果はどうなるのか分かりません。
しかし陣営は「こちらのダートの方が合うイメージ」と、サウジカップよりも期待できるコメントを残しています。
勝利したサウジカップの舞台よりも適正があるということであれば俄然期待してしまいますね。
懸念点は、今回1800mから2000mへと距離が延びることでしょうか。
パンサラッサは2022年以降、1800mでは3戦3勝と完璧な成績を残していますが
2000mでは3戦3敗となっています。
天皇賞(秋)ではあわやの2着となっていることから、2000mでも十分通用するはずではありますが
逆に1800mより2000mの方が良いカントリーグラマーが今回も出てくる事を考えると
どうなるのかは分かりません。
それでも日本最強のオールラウンダーとして、歴史的偉業を達成して欲しいところですね。
Expand All新しい日本馬のスタイルを切り開く矢作調教師

パンサラッサを管理する矢作調教師はこれまでにも海外遠征を積極的に行ってきました。
その結果、マルシュロレーヌによるブリーダーズカップ・ディスタフ制覇や
ラヴズオンリーユーのブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ制覇、
そしてパンサラッサのサウジカップ制覇など日本馬が成し遂げなかった偉業を達成してきました。
これらの挑戦は日本の競馬界に新たな選択肢をもたらしたと言えます。
そして今年はパンサラッサにより、また新たな挑戦が繰り広げられるかもしれません。
まずはそのための一歩としてドバイワールドカップで偉業を達成してほしいと思います。
また、今年は27頭もの日本馬がこの日に出走をするので、日本馬たちが躍動することを期待したいですね。