西村太一騎手が4年ぶりの勝利。他にもまだまだいる何年も勝っていない騎手たち

JRAで6年以上勝っていない騎手

西村太一騎手が3月19日のレースで勝利をあげました。

これは実に4年ぶりとなる勝利でした。

まさに努力が実った勝利でしたが、実は調べてみると西村太一騎手以外にも
何人もの騎手が2年以上勝利がない状況でいることが分かりました。

そして今回の4年を超える期間勝っていない騎手もいました。

今回はそうしたJRA所属で数年に渡り未勝利となっている騎手たちにスポットを当ててみたいと思います。

4年ぶりに勝利をした西村太一騎手

4年ぶりに勝利をした西村太一騎手

まずは、3月に勝ったばかりの西村太一騎手についても簡単に見ていきましょう。

西村太一騎手は1990年3月21日に生まれました。

騎手学校の試験に2回落ちるも諦めず、3回目の受験で合格を勝ち取った苦労人です。

同期には川須栄彦騎手や、高倉陵騎手などがいます。

西村騎手は2010年に騎手デビューを果たすと、6月20日に初勝利をあげます。

初年度は最終的に7勝をあげ、2年目には17勝をあげるなど着実に勝ち星を積み重ねていきました。

しかし見習い騎手の減量が適用されなくなると、成績は急速に落ち込みます。

4年目には11勝だった勝ち星が、5年目の2014年には2勝となります。

その後も2015年に7勝、2016年に3勝、2017年には0勝と下降線をたどっていきます。

2018年には所属していた和田正道調教師の定年により
加藤征弘厩舎へ移動しますが成績は好転しません。

2019年3月9日に勝利をあげるも、そこからついに勝つことができなくなってしまいました。

乗鞍も減少してしまい、2021年には17回、2022年は22回しか中央での騎乗がありませんでした。

このような状況をどうにかするため、2021年からは障害競走にも騎乗するようになりますが
未だ勝利をあげることができていません。

そうした中、ついに訪れたのが2023年3月19日のレースでした。

3歳未勝利でパープルナイトに騎乗すると、スタートから先頭を譲らず最後は4馬身差をつけて勝利を果たしたのです。

これにより、西村騎手は実に1471日ぶりとなる勝利をあげました。

今年は3月19日時点で11鞍に騎乗しており、このペースでいけば50鞍近い騎乗がありそうで
ここ最近の倍以上の騎乗数となっています。

今回の勝利を浮上のきっかけとして、飛躍を期待したいですね。

そして西村騎手以外にも同じ様に未勝利期間が何年にも続いている騎手が他にもいました。

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穴党に人気だった井上敏樹騎手

穴党に人気だった井上敏樹騎手

井上敏樹騎手は1994年12月5日に埼玉県で生まれました。

2014年に競馬学校を卒業すると、本間忍厩舎に所属します。

同期には石川裕紀人騎手や、松若風馬騎手がいます。

そんな井上騎手は2014年には7勝、2015年には23勝をあげる上々の滑り出しを見せます。

特に2015年のスイートピーステークスでは単勝164倍のトーセンナチュラルに騎乗し2着に持ってくるなど
穴党の間では人気の騎手でした。

しかし後から振り返ればそこがピークでした。

減量がとれてからは徐々に成績が落ちていき、2016年に14勝、2017年に13勝に留まります。

この状況をなんとかしようと2017年6月にはフリーとなりますが、2018年には5勝、2019年には3勝と
さらに勝ち星が減ってしまいます。

そして2020年には1勝、2021年には0勝とついに勝利をあげることができなくなりました。

2021年9月からは和田勇介厩舎に所属しますが、
2022年にも勝利をあげることができません。

2023年になっても6鞍に騎乗し、最高が8着と厳しい状況が続いています。

このような状況から、2023年2月からは障害競走の騎乗も開始しており
なんとか成績を向上させようともがいている姿が見られます。

そしてこの井上騎手らを超える最長記録を持つ騎手がいます。

史上最長記録を持つ、鈴木慶太騎手

史上最長記録を持つ、鈴木慶太騎手

鈴木慶太騎手は1983年3月18日生まれで、1999年に競馬学校に第18期生として入学します。

ただ、2002年に卒業をするも騎手試験に合格することができず、翌年2003年に騎手免許を取得します。

免許を取得した際には目標の騎手としてデットーリ騎手を挙げていました。

競馬学校の卒業同期は田辺裕信騎手や、五十嵐雄祐騎手などで
デビュー年が同じ騎手としては松岡正海騎手や、石橋脩騎手などがいます。

そんな鈴木騎手は2003年3月8日にデビューし、
5月18日に28戦目となる白馬岳特別でリワードゲインに騎乗し初勝利をあげます。

ただ結局この年は2勝に留まり、翌年の2004年からは障害競走も騎乗するようになりますが1勝に終わります。

減量が適用されている中で2勝、1勝と厳しい状況が続いたのです。

3年目となる2005年2月には所属していた藤原辰雄厩舎から離れフリーとなりますが
この年も2勝とかなり厳しい状況に追い込まれます。

そして2006年3月19日には障害競走で勝利をあげますが、
その後は平地ではほとんど騎乗機会に恵まれず、障害競走でもなかなか勝つことができません。

次に勝ったのは2010年7月17日の障害競走で、ここまで4年3ヶ月を要しました。

この4年3ヶ月というのは矢原洋一騎手の記録した4年8ヶ月に次ぐ中央競馬史上2番目に長いものでした。

ただそれでも勝利をあげたことにより、ここから調子を上げていくと思いきや
彼にさらなる苦悩がやってきます。

勝ち星に恵まれない日々が続き、この次に勝利したのはなんと2016年10月29日でした。

これまでの間隔は6年3ヶ月12日で、一気に史上最長記録を1年以上上回ったのです。

6年以上も勝利がない中でも騎手を続けてきたのは執念と言うしかありませんね。

2011年からは小西一男厩舎に所属し、そこからずっと頑張ってきた鈴木騎手は
2016年の勝利の後は2017年に2勝、2018年1勝とそれほど間を空けずに勝つようになりました。

しかし2018年2月17日にクワッドアクセルで勝利をあげた後、スランプに陥ります。

そこから2023年3月現在までで1度も勝利をあげられていません。

つまり再び5年以上に渡って勝利を上げられていない状況が今も続いているのです。

このような状況をなんとかするため、鈴木騎手は2023年から平地免許を更新せず
障害免許一本でやっていく決断をしました。

これによって何か変化が起きてくれる事を願いたいと思います。

いつか勝てる日を目指して

いつか勝てる日を目指して

今回ご紹介した騎手以外にも、田村大雅騎手や高野和馬騎手も2021年から勝ち星をあげていません。

さらに新人騎手で言えば、土田真翔騎手が2022年デビュー組として未だ勝利をあげられていない状態です。

こうして勝てない日々が続くと、騎手を辞めることも選択肢として入ってくるはずです。

勉強をして調教師を目指すということもよくあるケースです。

しかしそうした中で騎手として踏ん張り続け勝利を目指すというのは、
それはそれで強い覚悟のいることです。

結果として厳しい状況が続くかもしれませんが、いつか勝つことを目指して
頑張ってほしいですね。

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