リーディングサイアーが12年ぶりに交代へ!ディープインパクトからロードカナロアへ受け継がれる

12年ぶりにリーディングサイアーが交代

これまで2012年から2022年までの11年間、リーディングサイアーは常にディープインパクトでした。

しかしそのディープインパクトが2019年に亡くなったため、
最終世代は現在の3歳で、残りの現役頭数も徐々に少なくなってきました。

これにより、3月時点でディープインパクトはリーディング2位となっており
このままいけば12年ぶりにリーディングサイアーがディープインパクトではなくなることとなります。

そこで今回は、次の王者となる馬やその他のライバル候補について見ていこうと思います。

次世代のリーディングサイアーはやはりこの馬

次世代のリーディングサイアー

ディープインパクトに代わり2023年にリーディングサイアーとなりそうなのはロードカナロアです。

ロードカナロアは現役時代に香港スプリントを連覇するなど、世界のロードカナロアとして
スプリント界に君臨してきました。

そして2014年に種牡馬入りをすると、初年度からマイルチャンピオンシップを勝利したステルヴィオや
G1を9勝したアーモンドアイらを輩出しました。

他にもパンサラッサがサウジカップを制し、アーモンドアイの歴代総賞金記録を抜こうかという勢いとなっています。

そんな競走馬としても種牡馬としても大成功しているロードカナロアは、
2023年についにディープインパクトを抜こうとしています。

3月21日の競馬終了時点で中央競馬および地方競馬での収得賞金は10億1650万9000円で、
続くディープインパクトが8億1388万6000円となっています。

現在の差は約2億円で、今のペースを考えたらさらにここから差が出ていきそうになっています。

ロードカナロアが現在1位となっている理由の1つは、その産駒の数からくる圧倒的な出走回数です。

2023年におけるロードカナロアの出走頭数は現時点で273頭で、出走回数は438回となっています。

一方でディープインパクトは155頭で244回と出走回数で比較すると半分程度でしかありません。

出走頭数および出走回数において2位となっているハーツクライが188頭、302回ですから
いかにロードカナロア産駒が出走しているかが分かります。

このような差があることから、今後もロードカナロアの優位は崩れそうもなく
ディープインパクトは産駒がG1を総なめにでもしない限り逆転は厳しい状況と言えます。

ではなぜロードカナロア産駒の出走はここまで多いのでしょうか。

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圧倒的な出走回数の理由

ロードカナロア圧倒的な出走回数の理由

ロードカナロア産駒の出走が多い理由の1つは、その種付け頭数の多さです。

ロードカナロアは初年度から大人気で、254頭と種付けをしています。

そこから276頭、267頭、250頭、307頭、250頭と種付けをしていったことで
多くの産駒が産まれました。

こうした数多くの産駒が競走年齢に達したことで、出走回数が非常に多くなっていきました。

ただ、2020年からは種付け頭数を絞るようになっており
2020年が181頭、2021年が157頭、2022年が136頭となっています。

このように種付け頭数を絞っているのは、すでに後継種牡馬がいることや
ロードカナロアの健康面を気にしてのことなどが挙げられます。

また、2016年産あたりからアーニングインデックスが下がってしまっていることも理由として考えられそうです。

確かにロードカナロア産駒は初年度や2年目こそ多くの活躍馬を出しましたが
それ以降はあまりG1を勝つような馬が登場していません。

そのため1頭あたりの平均獲得賞金額の優劣を示すアーニングインデックスは
2015年産が2.88、2016年産が2.30と高水準でしたが
2017年産は1.59、2018年産は1.33となっています。

こうしたことから、繁殖牝馬を絞りレベルの高い馬を輩出することにしていったものと考えられるのです。

そのため、今後ロードカナロア産駒の出走頭数や出走回数は減少していくものと考えられ
そうなるとリーディングサイアーをどの位維持し続けることができるのかは未知数と言えそうです。

では、ディープインパクト、ロードカナロアと続きそうなリーディングサイアーは
さらにその次に誰が君臨しそうなのでしょうか。

ロードカナロアの次のリーディングサイアーは誰?

本来であればロードカナロアの次に来るのはドゥラメンテのはずでした。

ロードカナロアの様に多くの種付けをこなし、
その産駒からロードカナロアを超える水準で多くの活躍馬が出ていたからです。

しかし残念ながらドゥラメンテはわずか5世代を残していなくなってしまったため、
リーディングサイアーになることは難しくなりました。

となると現在現役の種牡馬として活動をしていた、リーディング上位の馬を見てみることになります。

その場合候補としてあがってくるのがキズナ、モーリス、エピファネイア、そしてキタサンブラックの4頭です。

特にキズナは2023年3月時点ではリーディング4位につけており、
2位ディープインパクト、3位ハーツクライという
すでに亡くなってしまった種牡馬を除けばロードカナロアの次に位置しています。

キズナはアーニングインデックスが現在2.06と高く、多くの活躍馬がいるのですが
問題はG1級の馬が出てこないことです。

現在キズナ産駒でG1を勝っているのはいずれも牝馬のみで、牡馬はいません。

そのため高額賞金を獲得する機会がなく、それがリーディングサイアー争いで不利に働いています。

同じようなことはモーリスにも言えます。

モーリス産駒はG1を勝利したのが牡馬1頭、牝馬1頭となっており
産駒の数から言えばまだまだG1馬の数が少ないと言えます。

シャトル先のオーストラリアではG1を複数勝利する馬もいるため、
決して大物が出ない訳ではありませんが、日本ではまだチャンピオン級の馬が出ていないことが課題でしょう。

一方でエピファネイアは初年度に牝馬三冠馬、
2年目に年度代表馬を輩出するなどチャンピオン級の馬が複数出ています。

しかし一時は産駒が重賞57連敗をするなど、古馬になってからの成長力に疑問が残ります。

2歳、3歳で活躍をしても古馬で活躍する馬が出てこなければ獲得賞金を伸ばすことは難しく
リーディングサイアーに君臨する可能性は低くなります。

となると最も期待できるのはキタサンブラックとなりそうです。

キタサンブラックは初年度産駒からイクイノックスという年度代表馬を輩出しています。

現在の4歳世代が初年度のため古馬になってからの成長力はまだ分かりませんが、
自身が古馬になってからより強さを発揮したことを考えれば、
悪い結果にはならないはずです。

また芝のイメージが強いですが、ダートにおいても比較的好成績を出しており
地方競馬では34頭が出走し26が勝ち星をあげています。

中央では産駒が芝を主に使われているためサンプル数は少ないのですが、
今後ダート重賞が盛り上がっていく中で、キタサンブラック産駒も台頭してきそうです。

こうしたことを考えれば、2、3年後には
キタサンブラックがリーディングサイアーに君臨することも十分考えられそうです。

キタサンブラックは一時300万円にまで落ち込んだ種付け料も、
産駒の活躍により2023年には1000万円へと急上昇しています。

それだけ社台グループとしてもキタサンブラックに期待をしているということでしょう。

ディープインパクトの兄であるブラックタイドの子が種牡馬として大成功しそうというのも面白いものですね。

まず今年ロードカナロアがリーディングサイアーになることはほぼ間違いない状況ですが、
その次の年から誰がトップに立つのかはまだ全く分かりません。

まさに群雄割拠の時代になりつつある種牡馬戦線に今後も注目したいと思います。

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