ダートの大物候補ヤマニンウルスが復帰!王者に君臨なるか。一方今村聖奈騎手は不運が続く

最近日本でもダート界が盛り上がりを見せています。
デルマソトガケがUAEダービーを制し、ウシュバテソーロがドバイワールドカップを勝つなど
世界で活躍を見せており、2024年からはダート三冠も創設されます。
そうした中、長期休養をしていたダート界の大物候補がいよいよ始動してきます。
今回はそうした大物候補の復帰に関する話題と、
それに関連して最近不運ばかりの今村聖奈騎手について見ていこうと思います。
史上最高着差をつけたヤマニンウルス

長期休養から復帰する大物候補、それはヤマニンウルスです。
ヤマニンウルスは父ジャスタウェイ、母ヤマニンパピオネ、
母父スウェプトオーヴァーボードという血統で
2020年5月21日に産まれました。
生産は、過去にヤマニンゼファーなどを送り出した錦岡牧場です。
そんなヤマニンウルスはまだ1戦しかしていないのですが、
そのレースが衝撃的なデビューでした。
2022年8月20日に小倉競馬場で開催された
ダート1700mの2歳新馬戦に出走したヤマニンウルスは、
スタートして2番手を進むと、コーナーで先頭に立ち徐々に後続を突き放します。
そして直線でさらに差を広げると、
最終的には後続に4.3秒もの大差をつけて勝利したのです。
この着差はJRAの平地競走で史上最大のものでした。
一般的に0.2秒で1馬身離れると言いますから、
4.3秒なら21馬身以上離れたことになります。
しかも決してメンバーが弱かった訳ではありません。
この時の2着となった馬は、ゴライコウでした。
このゴライコウは3戦目で勝ち上がると、次に出走したG3・JBC2歳優駿も勝利します。
つまり重賞を勝つレベルの馬が4.3秒もの差をつけられてしまったのです。
また、勝ち時計の1分44秒3はダート1700mのJRA2歳レコードになりました。
これだけでこのヤマニンウルスのポテンシャルがどれだけのものなのかが分かります。
そんなヤマニンウルスはその後、11月のカトレアステークスへと出走を予定していましたが
その後回避が発表され休養へと入ります。
そこから情報がありませんでしたが、2023年4月にようやく帰厩し
4月23日の京都ダート1800mを目標にすると発表されました。
レーシングプログラムを確認すると6レースに3歳1勝クラスが組まれていましたので、
ここに参戦するものと見られます。
京都競馬場がリニューアルオープンするタイミングでの出走は
大いに盛り上がりそうですね。
鞍上は武豊騎手に決まり、ダート界の頂点に立つための戦いが始まっていきます。
現在ダート中距離路線で武豊騎手は、ノットゥルノの主戦となっています。
ただ川崎記念で8着と、チャンピオンクラスまではいかないため
新たなパートナーとしてヤマニンウルスとともにダート路線を歩んでいきそうです。
しかしそんな新たなタッグが組まれた中、
逆に不運に見舞われた人物がいます。
それが今村聖奈騎手です。
Expand All不運続きの今村聖奈騎手

ヤマニンウルスのデビュー戦に騎乗していたのは、今村聖奈騎手でした。
昨年は1年目ながらJRA女性騎手の年間最多51勝をあげ
今年も3月終了時点で14勝をあげています。
まさに売出し中の若手騎手ですが、今回ヤマニンウルスの鞍上からは
外されてしまうこととなりました。
これは恐らく今後トップクラスを狙っていくにあたって
名手が乗れるのであればそちらに任せたいという陣営の考えでしょう。
オーナーの土井肇氏はすでに50年以上も馬主を続けている大ベテランで
年齢を考えるとヤマニンウルスが最後の大物となる可能性があります。
そう考えると、陣営もベストを尽くしたいと考えるのも当然と言えそうです。
また過去にオーナーの馬に武豊騎手が騎乗するケースがよくあり、
両者が絆で結ばれているといったことも関係していそうです。
ただ、最近の今村聖奈騎手はどこか不運に見舞われてしまっているように見えます。
たとえば桜花賞ではリバーラに騎乗し、初めてのクラシックへと挑む予定でしたが
右前の蹄を炒めたため直前に回避が発表されました。
また、ヤマニンウルスと同じように遅れてきた大物として注目されている
プロミストウォリアにも今村聖奈騎手は1勝クラスの時に騎乗し勝利をあげました。
しかし続く2勝クラスでは角田大河騎手に乗り替わりとなり
その後も騎乗することができていません。
このように単発では良い馬に騎乗し、結果も残してきているのですが
その後に続かないといったケースが増えているように見えます。
これはやはりクラスが上がっていき特別競走に出走すると、
減量制度が適用されなくなることが大きそうです。
現在今村聖奈騎手は特別競走とハンデキャップ競走以外のレースでは3キロの減量措置がとられています。
これは女性騎手であることと、通算100勝未満であるためですが
この減量措置を求めて騎乗依頼をする陣営がかなり多いようです。
そのため減量が適用されない特別競走での勝利は、1年目に2勝、2年目も1勝のみとなっています。
そもそも特別競走は数が少なく、レースレベルも高いため簡単には勝てないのですが
それにしても割合としては低めです。
それだけ一般競走の減量が効いていることや、特別競走では有力馬が回ってこないということのようです。
これを挽回するには、やはりハンデキャップ競走ではない特別競走で
結果を残していくしかありません。
そうした意味でも桜花賞はかなりのチャンスであったはずですが、
回避となってしまったのはやはり不運でした。
今後こうした乗り替わりを克服できるのかに注目したいところです。
ヤマニンウルスと今村聖奈騎手の飛躍に期待

ヤマニンウルスは新馬戦の走りからすればかなり上位を目指せるはずです。
先行力もあるので、アメリカのダートでも好勝負になるのではと妄想が広がっていきますね。
武豊騎手とのコンビで世界を目指してほしい逸材です。
また、今回は乗り替わりとなってしまいましたが
今村聖奈はこれをバネに奮起してほしいところです。
今後もこうしたG1級の馬と巡り合うチャンスはあるはずですので
その時に向けて普段のレースを頑張ってほしいと思います。