超意外な馬が凱旋門賞に登録!スルーセブンシーズとキャロットクラブに勝算はあるのか

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今年も凱旋門賞が徐々に近づいてきました。

今年こそは日本場が制覇をし、悲願を達成してもらいたいところですが
そんな中、ある馬の陣営が凱旋門賞に登録をしたことを発表しました。

それがあまりに意外すぎる馬だったため、
今回はこの馬がなぜ登録をしたのか、そして今年参戦しそうな有力馬たちについて見ていこうと思います。

意外な馬が凱旋門賞に登録

今年の凱旋門賞に登録したことを陣営が発表したのは、スルーセブンシーズです。

聞いたことがある方も多いかと思いますが、
知らなくても無理はないかもしれません。

スルーセブンシーズは現在のところ牝馬限定のG3を1つ勝っただけの馬だからです。

現在までの成績は11戦4勝で、クラシック戦線では桜花賞には間に合わず
オークスで9着、秋華賞で11着という成績です。

牡馬が混じった重賞には出走すらしたことがなく
今年の1月に3勝クラスを勝ってオープン入りし、3月の中山牝馬ステークスで重賞初制覇を果たしました。

これまで凱旋門賞に挑戦した馬と言えば
三冠馬ディープインパクトやオルフェーヴルといった日本のトップに君臨した馬たちでした。

そこまでいかなくてもディープボンドのようにG2を勝ち、G1でも2着の経験がある馬などが
出走するレースです。

ではなぜこのスルーセブンシーズ陣営は挑戦をしようと考えたのでしょうか。

そこには、血統から来る陣営の期待がありました。

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凱旋門賞で好勝負できる血統

凱旋門賞で好勝負できる血統

まずはスルーセブンシーズの馬主について確認しましょう。

スルーセブンシーズの馬主はキャロットファームです。

キャロットファームは、一口馬主のキャロットクラブで募集された馬を走らせている馬主で
これまでにエフフォーリアやレイデオロ、シーザリオといった名馬を数多く所有してきました。

今年の馬主リーディングでも3位に位置している大物馬主です。

凱旋門賞にもハープスターで挑戦した経験があります。

そんな大物馬主がなぜスルーセブンシーズを凱旋門賞に登録したのでしょうか。

そこには血統からの期待が隠されていました。

スルーセブンシーズは、父ドリームジャーニー、母マイティースルー、母父クロフネという血統で
2018年4月8日に生まれました。

父のドリームジャーニーは、凱旋門賞で2年連続2着となったオルフェーヴルの全兄です。

その父であるステイゴールドは、オルフェーヴルの他にも
同じく凱旋門賞で2着となったナカヤマフェスタの父でもあります。

このステイゴールドは自身もそうであったように、産駒が海外に滅法強いという傾向があります。

最近でもステイフーリッシュが中央競馬では善戦止まりだったものの、
海外遠征をするとサウジアラビアとドバイで重賞を連勝しました。

また、母父のクロフネは芝とダートの両方でG1を制した名馬で
母父としてクロノジェネシスやヴェラアズール、レイパパレ、スタニングローズといった馬を輩出しています。

特にクロノジェネシスは凱旋門賞にも挑戦しており、
スルーセブンシーズは父父、そして母父ともに凱旋門賞と縁がある血統と言えます。

そうした血統的な面から凱旋門賞に適正があると陣営は考えたのでしょう。

とはいえ、まだG3しか勝っていない状態で凱旋門賞に登録するというのはさすがに時期尚早の様に見えます。

陣営はなぜこのタイミングで登録をしたのでしょうか。

このタイミングしかなかった凱旋門賞への登録

このタイミングしかなかった

実は状況を考えれば、このタイミングでしか登録ができなかったことが分かります。

凱旋門賞では、登録をする時期によって必要な登録料が大きく変わります。

今年の凱旋門賞への出馬登録は5月10日が締め切りとなっています。

発走日が10月1日ですから5ヶ月近くも間があるのですが、
この時点での登録料は8300ユーロ(約110万円)となっています。

もしこの締め切りを過ぎたとしても、9月27日まで追加登録をすることができるのですが
これが非常に高額となっています。

追加登録料は12万ユーロ(約1550万円)と、10倍以上に跳ね上がるのです。

キャロットクラブのような一口馬主のクラブにおいて競走馬は金融商品という位置づけです。

そのため出資者にできる限り損をさせない運用が求められます。

そうした中で、今後のレース結果を待ち10倍以上の負担を強いることになるのは
運用上許容できない出資者が出てくることも考えられます。

キャロットクラブは1頭を400口に分割して出資していますから
現在の登録料であれば、1口あたり3000円程度で済みます。

しかし追加登録となれば1口あたり4万円近くの負担が求められます。

スルーセブンシーズは総額1800万円、一口あたり4.5万円で出資しており
現在1億円以上を稼いでいるので、その利益から拠出できそうですが
それでも出資金とほぼ同等の金額を凱旋門賞への登録だけで負担するのは厳しいものがあります。

そういったことを総合的に考えた結果、出走をしない可能性も考慮した上で
この時点での登録を判断したのでしょう。

2017年には同様の流れでキタサンブラックが5月の締め切りまでに登録をしましたが、
宝塚記念で9着と大敗したことで国内に専念することとしました。

スルーセブンシーズも次走は宝塚記念を予定しており
そこでどのような競馬を見せるかによって、本当に凱旋門賞に進むのかを判断することとなりそうです。

それでも彼女のポテンシャルの高さを感じたからこそ、このタイミングで登録をしたものだと考えられます。

逆に言えば凱旋門賞へ参戦するには宝塚記念では必ず結果を出さなくてはならず、
競馬ファンとしては馬券の対象として注目しておいた方が良さそうです。

恐らく宝塚記念では、牝馬限定のG3しか勝っていないということで
人気はそこまで高くならないはずですから、もし馬券内に入ったら高配当が期待できます。

そうした意味でも宝塚記念で好勝負をしてもらいたいところですね。

いずれにせよキャロットファームにとっては、実現すれば2014年のハープスター以来となる凱旋門賞への挑戦です。

ハープスターは4コーナーで最後方でしたが、大外から一頭だけ猛然と追い込み6着と健闘しました。

ただし勝利を掴むことはできなかったので、その時の雪辱をスルーセブンシーズに果たしてもらいたいですね。

では、実際今年の凱旋門賞に出た場合どの程度勝算があるのでしょうか。

最後に今年出走しそうな日本馬や海外の有力馬について見ていきましょう。

今年の凱旋門賞の有力馬は?

今年の凱旋門賞の有力馬は?

日本からは現在正式に凱旋門賞への挑戦を表明した馬はいません。

ドバイワールドカップを制したウシュバテソーロ陣営が当初は凱旋門賞への挑戦を表明していましたが
最終的にはブリーダーズカップ・クラシックへの挑戦を表明しています。

そのため最終的には5月10日の登録締め切りを待たないと確定はしないのですが、
最も期待されているのはイクイノックスです。

言わずとしれた昨年の年度代表馬で、ドバイシーマクラシックでも圧倒的なパフォーマンスを見せました。

距離も海外遠征も問題ないことが証明されたため、
日本馬悲願の凱旋門賞制覇へと陣営が動き出しても不思議はありません。

イギリスのブックメーカーでも現時点では凱旋門賞で1番人気となっており、
世界中からその動向が注目されています。

また、オーナーが武豊騎手と凱旋門賞を勝ちたいと熱望しているドウデュースも有力候補です。

昨年は馬場に泣かされ19着でしたが、状態さえ良ければ再び挑戦しても不思議ではありません。

恐らく両馬ともに次走は宝塚記念となりそうなので、
そこでのパフォーマンス、そしてスルーセブンシーズが
この2頭にどの程度迫ることができるのかが注目ポイントとなりそうです。

また海外馬では現在のところイギリスのデザートクラウンが最有力と言われています。

デザートクラウンは昨年のイギリスダービーを制しており、
その後長期休養していますがこれまで3戦3勝と底を見せていません。

脚部不安による長期休養なので状態が心配ではありますが、
万全の状態であればイクイノックスらにとって脅威となり得る存在です。

他には昨年の凱旋門賞2着馬のヴァデニやイギリスオークス2着のエミリーアップジョン、
そしてディープインパクト最後の世代で、今年のイギリスクラシック最有力候補のオーギュストロダンなどが
ブックメーカーで上位人気となっています。

これらの強敵に対して日本馬が今年こそ凱旋門賞を制することを願いたいですね。

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