競馬ニュース

パレスマリスは第二のサンデーサイレンスになれるか。5年後のリーディングサイアー争いに期待

2024年最強種牡馬が来日

2023年のリーディングサイアーはドゥラメンテでした。

ただ、そのドゥラメンテはすでに亡くなっており、
2024年はロードカナロアがリーディングサイアーになると見られています。

そしてその後はキタサンブラックやスワーヴリチャードらがトップ争いをすると見られていますが
ここにある海外からやってきた種牡馬が加わると見られています。

今回はそんな今年日本にやってきた、非常に期待が持てる新種牡馬について見ていきたいと思います。

すでに日本で大き気な結果を残す種牡馬が日本に

将来のリーディングサイアーとして非常に大きな期待を持てるのがパレスマリスです。

パレスマリスは2010年5月2日にアメリカで生まれました。

父カーリン、母パレスルーマー、母父ロイヤルアンセムという血統です。

父のカーリンは米国三冠の1つプリークネスステークスを制した馬で、
パレスマリスはそのカーリンの初年度産駒でした。

1歳の時にキーンランドセプテンバーセールに上場され、
2万5000ドル(当時のレートで約250万円)にて購入されました。

そして翌年の2012年にはキーンランド2歳トレーニングセールに上場され、
20万ドル(約2000万円)で落札されています。

その後、2012年7月5日にデビューすると2戦目で勝ち上がり、
3歳となった2013年には米国三冠に挑戦します。

すると一冠目のケンタッキーダービーでは12着と大敗し、
二冠目のプリークネスステークスは回避します。

そして挑んだ最後のベルモントステークスでは、最終コーナーで先頭に立つと
そのまま逃げ切り見事勝利します。

さらに翌年にはメトロポリタンハンデを勝利し、G1・2勝目の栄冠を手にします。

ただその後はケガの影響もあり精細を欠き、2015年8月に引退します。

成績としては19戦7勝、内G1・2勝、G2・3勝、G3・1勝と、
超一流とまではいきませんでしたが
米国三冠の1つを制していることもあり引退後は種牡馬入りを果たします。

初年度となる2016年の種付け料は2万ドルに設定されましたが、
初年度産駒がデビューする2019年には1万5000ドルへと値下がりしています。

そのため当初はそこまで期待されていたという訳ではありませんでした。

しかし、その初年度産駒の1頭であるストラクターが、米国の2歳芝チャンピオンを決める
ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフを勝利します。

年間を通しても、北米フレッシュマンサイアーで3位にランクインし
翌年の2020年の種付け料は、過去最高の2万5000ドルと増えました。

そして特筆すべきなのは、日本に輸入された馬や近親が続々と活躍しているということです。

現在日本では9頭のパレスマリス産駒が走っているのですが、
その内の1頭 ジャンタルマンタルが2023年の朝日杯フューチュリティステークスを勝利しました。

ジャンタルマンタルは2023年10月にデビューしてから、
新馬戦、デイリー杯2歳ステークス、そして朝日杯フューチュリティステークスと3連勝しています。

今年のクラシックの本命候補となることは間違いなく、
パレスマリスの評価を一気に上げる存在となります。

そしてこのパレスマリス産駒の勢いは2024年になっても止まりません。

1月8日にはノーブルロジャーがデビューから2連勝でシンザン記念を制しました。

このノーブルロジャーはクラシックへの1次登録を行っておらず、
もしクラシックに出走するとなれば、追加登録料として200万円が必要となります。

このクラシックへの1次登録は2歳の10月第4金曜日の12時までが締め切りで、
登録料が1万円と安いため多くの馬の陣営が登録します。

それでも登録をしないのは、血統的にダートや短距離が向いている馬など
クラシックとは縁遠いと判断された馬たちです。

そうした中でノーブルロジャーはまだ10月の段階でデビューをしていなかったことや
父がダート馬だったことなどもあり登録をしなかった可能性があります。

シンザン記念を勝利したので、今後はクラシック路線に乗ってくるはずのため
追加登録料を支払い参戦してくることでしょう。

そうなると、パレスマリス産駒はわずか9頭の中から2頭のクラシック有力候補が現れたことになります。

こうした結果を見ると、非常に日本の芝と相性が良いのだと言えそうです。

実際、パレスマリスの近親も日本で大活躍を見せています。

パレスマリスの母であるパレスルーマーは、2013年に日本へと輸入されています。

ノーザンファームの吉田勝己氏がファシグティプトン・ノベンバーセールにおいて110万ドルで落札したのです。

ちょうどパレスマリスがベルモントステークスを勝利した年の上場だったため、
かなりの高額となりました。

ただ、その後産まれた産駒たちの活躍は素晴らしいものがありました。

まずは輸入して2年目にオルフェーヴルと配合し産まれたのが、アイアンバローズでした。

アイアンバローズは芝の長距離路線を走り、
2023年にはG2ステイヤーズステークスを8番人気で制しました。

また、アイアンバローズから2つ下のディープインパクトとの子として産まれたのが、
ジャスティンパレスです。

ジャスティンパレスは2023年に天皇賞(春)を制し、有馬記念では1番人気に支持されました。

このようにパレスマリスの弟たちは日本の芝の長距離路線で大活躍を見せています。

パレスマリスもダート2400mが舞台のベルモントステークスを勝利していることから、
スタミナが豊富な一族だと言えそうです。

こうして、産駒や弟が大活躍をしているパレスマリスですから、
今後当然日本で大きな需要が見込めるはずです。

そのため、ダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスは、
このパレスマリスを2024年から日本で供用すると発表しました。

パレスマリスが将来のリーディングサイアーになるか

少ない産駒が大活躍を見せているパレスマリスの日本での供用は非常に大きなニュースとなりました。

特に社台スタリオンステーションではなく
日高町のダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスでの供用ですから
日高の中小牧場が多く種付けを申し込むこととなりそうです。

パレスマリスのこれまでの特徴を見てみると、日本の芝の中長距離に適性がありそうに見えます。

この距離は、日本の競馬においてはまさにメインとなるカテゴリーで、
ダービー制覇を目指して配合したいと考える牧場が出てくるはずです。

そして今年のジャンタルマンタルとノーブルロジャーがクラシックで活躍すれば
来年は大人気となり、一気にトップクラスの種牡馬となるはずです。

またこのカテゴリーのG1は賞金が高いため、
リーディングサイアー争いでもトップ争いをしていくことになりそうです。

ロードカナロア産駒はアーモンドアイなどの例外はいますが、基本的には短距離路線のため、
キタサンブラックやスワーヴリチャード、
さらにはコントレイルやイクイノックスらと芝の中長距離路線を争うことになりますが、
すでにこうして結果が出ていることから、日本で成功する可能性はかなり高いと言えます。

そのため5年後、10年後には日本のリーディングサイアーとなっても何ら不思議ではないポテンシャルがあると言えます。

まずは今年のクラシックで産駒がどの様な走りを見せるのかに注目したいですね。