2024年の種付けシーズンも迫ってきていますが、
そのラインナップを見てみると、いわゆる非社台系の新種牡馬たちが
かなり豪華なメンツとなっていました。
もしかすると5年後には、
かなり日高地方からも活躍馬が出てくるのではと思わせるほどです。
今回はそんな2024年から種牡馬入りをする、
豪華な非社台系種牡馬について見ていきたいと思います。
タイトルホルダー
まずはタイトルホルダーです。
タイトルホルダーは2018年2月10日生まれの6歳牡馬で、
父ドゥラメンテ、母メーヴェ、母父モティヴェーターという血統です。
現役時代の活躍は皆さんご存知の通りで、
菊花賞、天皇賞(春)、そして宝塚記念と3つのG1を制しています。
これら全てが阪神競馬場でのG1だったことから、
阪神競馬場の申し子とも呼ばれることもあります。
ただ、中山競馬場でも弥生賞ディープインパクト記念と日経賞を制していますし、
ラストランとなった有馬記念でも3着に入っています。
これらのことから決して阪神競馬場だけが得意だった訳ではありません。
そんなタイトルホルダーは、新ひだか町の岡田スタッドの生産馬です。
父のドゥラメンテこそ、社台スタリオンステーションで繋養されていた種牡馬ですが、
生産は社台・ノーザンファーム系ではありません。
そうしたことから、
タイトルホルダーは岡田スタッドと代表が同じ
レックススタッドへと繋養されることとなりました。
初年度のため種付け料は受胎条件で350万円に設定されており、
すでに満口となっています。
父のドゥラメンテは2023年にリーディングサイアーとなりましたが、
2021年に9歳で亡くなっています。
そのため、後頸種牡馬としての価値は非常に高く
今後もしばらくは満口となっていきそうです。
このようなドゥラメンテの後頸種牡馬と言える馬が非社台系の場所で繋養されることになったのは
日高地方にとっては非常に大きな意味を持ちます。
すでに満口にこそなっていますが350万円で種付けができるので、
中小牧場にも決して手を出せない金額ではありません。
タイトルホルダーは日高地方を活気づける起爆剤となり得る存在と言えるのです。
ドゥラメンテの子ということで、キ
ングカメハメハとサンデーサイレンスの血こそ入っていますが、
サンデーサイレンスは4代前になるので、
かなり血は薄まりますし、クロスを作るには丁度良さそうな点も好印象です。
また、母系はヨーロッパの血ですし重いクロスもないので
比較的日本の繁殖牝馬にもつけやすいという点からも種牡馬として成功する可能性は高そうです。
2023年のロンジンワールドベストレースホースランキングでは10位につけ、
そのレーティングは124となっています。
これは日本の歴代馬でいうと、シンボリクリスエス、ウオッカ、
そしてゴールドシップと並ぶものとなっています。
それほどの大物が社台系以外で最初から繋養されるというのは、
ゴールドシップ以来となります。
初年度産駒が走るのは、早くて2027年です。
その時を楽しみに待ちたいですね。
パンサラッサ
同じく競馬界を彩った馬でいくと、パンサラッサも非社台系の新種牡馬です。
パンサラッサは2017年3月1日生まれの7歳牡馬で、
現役時代にはドバイターフとサウジカップという2つの海外G1を制しています。
最近では珍しい典型的な逃げ馬で、
2022年の天皇賞(秋)ではイクイノックス相手に
あわや逃げ切るかという競馬を見せました。
記憶にも記録にも残る名馬だったと言えます。
そんなパンサラッサは、新ひだか町の木村秀則さんの生産です。
おそらく社台スタリオンステーションからもオファーはあったのではと思いますが、
引退後はアロースタッドで繋養されることとなりました。
初年度の種付け料は300万円となっており、
タイトルホルダーより若干安くなっています。
こちらは父がロードカナロアで、母ミスペンバリー、母父モンジューという血統です。
サンデーサイレンスの血が入っていないことから、
日本の繁殖牝馬の多くと種付けができることは利点と言えます。
懸念点をあげるとすれば、父がロードカナロアということで
短距離傾向のある産駒が出る可能性があることでしょうか。
パンサラッサ自信は中距離を走ったので問題ないかもしれませんが
その点が産駒の価格に影響してこないか心配になり、
種付けを躊躇する牧場も出てきそうです。
それでも海外での強さや、
その卓越したスピードを求める牧場や馬主は一定数いるはずで、
こちらも人気となりそうです。
こうしたタイトルホルダーとパンサラッサに共通する点としては、
母系にモンジューの血が入っていることです。
モンジューは凱旋門賞でエルコンドルパサーと接戦を繰り広げた名馬ですが、
その血が日本の中小牧場を支えることになるというのは、面白いですね。
ゴドルフィンが導入した新種牡馬
ここからはゴドルフィンの導入した新種牡馬についても見てみましょう。
ゴドルフィンはUAE・ドバイの王族マクトゥーム家による競走馬管理団体で
世界に多くの馬を所有しています。
そんな彼らが今年日本に導入を発表したのが、
パレスマリス、アダイヤー、フクム、ヨシダの4頭です。
パレスマリスは他の動画でもご紹介しましたが、
ジャンタルマンタルや、ノーブルロジャーらの父で、
すでに日本でも産駒が活躍しています。
また、アダイヤーは2021年のイギリスダービー馬で、
キングジョージも勝っている名馬です。
ヨーロッパでは父のフランケル系の種牡馬が多いため、
その受け皿として日本が選ばれたという印象を受けます。
さらにフクムは2023年のキングジョージを制しており、
父シーザスターズ、母父キングマンボという血統です。
欧州で11戦10勝でG1を6連勝という偉業を果たしたバーイードの全兄という良血で、
血統面や現役時代の成績から日本のスピード競馬に対応できるかは分かりませんが、
もし対応できればかなり期待が持てそうです。
そしてヨシダは父がハーツクライの日本生まれの馬ですが、
米国でデビューをし、現地で芝とダートのG1を制しています。
初年度産駒が2023年にデビューを迎えましたがあまり走っておらず、
日本競馬への適性にかけて、日本へと輸入されてきた様です。
この4頭の中でもっとも期待ができそうなのは、やはりパレスマリスです。
少ない持ち込み馬の中からすでに重賞馬が2頭出ているというのは、
日本競馬へのかなり高い適性を感じさせます。
他にも海外からは、2023年の凱旋門賞で2着だったウエストオーバーが来ますし、
日本のダート界でトップ戦線を走っていたテーオーケインズも2024年から種牡馬入りをします。
こうしてみてみると、例年以上に非社台系の新種牡馬が今年は豪華に映ります。
特にタイトルホルダー、パンサラッサ、パレスマリスの3頭は
日本の王道である芝の中長距離路線を狙える産駒を出しそうです。
そのカテゴリーに多くの活躍馬を輩出している
社台・ノーザンファームに勝つことができるのかが今後の焦点となりそうですね。
また今回ご紹介していない新種牡馬たちも複数います。
彼らの中からも自身の評価を高める活躍馬が出てくることを祈ります。
社台に勝てるか
このように、非社台系の新種牡馬は今年かなり豪華ですが
社台・ノーザンファームも負けてはいません。
今年はなんといってもイクイノックスが種牡馬として初の種付けシーズンを迎えますし、
その父キタサンブラックや、初年度産駒が大活躍のスワーヴリチャード、三冠馬コントレイルなど
今の競馬界をリードする種牡馬が勢ぞろいしています。
そのためこれらの種牡馬の産駒に打ち勝つのは容易ではないでしょうが、
今年の豪華な非社台系新種牡馬の子の活躍に期待したいですね。
あなたはこうした非社台系の新種牡馬で期待したい馬はいますか?
ぜひ意見や感想をコメント欄にお寄せください。
最後までご視聴頂きありがとうございました。
またあなたとお会いできることを楽しみにしていますね。